湘南発、六畳一間の自転車生活

自転車とともにある小さな日常

4月7日 房総、過酷なミッション ~いよいよはじまった編~

2007年04月09日 | 自転車生活
~上陸まで編~より

 久里浜港を出航したフェリーは30分ほどで金谷に到着。さ~て、いよいよです。前日までは完走はできるだろうと安易に考えていましたが、いざそのときが来たらやはり身が引き締まります。とにかく頑張るしかないですね!



 出走前に金谷港からすぐそばのコンビニ駐車場にてTETさんのブリーフィング。ここで安全面についてのいくつかの注意点と、17時~17時半に犬吠崎の地球展望台に集合、間に合わない場合は各自の判断で輪行するなりショートカットするなりして銚子駅まで来るようになどといったことがあらためて言い渡されました。



 そしてブリーフィング終了後にTETさんが先陣を切って走り出します。モリさんがそれに続き、そのあとにsudobanさんと僕、そしてTonyさんが続きました。いよいよ、本当にはじまった!
 金谷を走り出してすぐに白い海鳥がたくさん群れる岩場がありました。天気も穏やかで、海も青く、とても気持ち良かったです。普段の僕であれば、多分そこで停まって写真でも撮ったのだと思うのですが、列車を組んで走っているとなんとなくそこから気持ち的に離れがたく素通りしてしまうのが残念です。 



 そこで一度ちょっと列車を離れてみようと、あえてひとりになって撮ってみたのがこの写真。う~ん、まったくパッとしない写真ですね(笑)

 写真を撮ったあとにまたペダルを漕ぎはじめ、しばらく走ったところでTETさんのトレインに追いつき、復帰。しかしそれも長くは続かず、信号でトレインが分断されてからは確か僕とsudobanさんでずっと遠くに見えるTETさんを追いかける形で走ったのだと思います。僕も結構良いペースで走っているつもりだったのだけれども、前を走るTETさんとの距離はほとんど縮まらず、なんとなくその遠くに見えるTETさんの背中を追うようにずっと黙々とペダルをまわしてました。

 その後少しして、信号待ちで停止中のTETさんにようやく追いつきましたが、ここでTETさんは「先に行け」の合図。僕はてっきり前をひけということだと思ったのですが、どうやらそうではなく上着を脱いでいたからのようでした。僕のほうはといえば、先頭に出たと思い込んでいたこともあって、しばらく頑張って走ってました。でもって、後を振り向いたら誰もいない・・・。ひとりだったらきっともっとゆっくりと走ったと思うので、ちょっとガクンと来てしまいました。 



 そこからはペースを少し落としてしばしひとり旅。少し向かい風気味ではあるけれども、穏やかな海風がとても気持ち良いです。もしかしたら、ここらがこの日の全行程で一番気持ちの良かったときだったかもしれない。

 そうして洲崎の灯台に8時25分に到着。ここはもちろん灯台のあるところまで自転車を担ぎます。



 そしてそこで最初に僕の目を捉えたのがこの光景。すごいところに建つ家だなとしみじみと思ってしまった。岬の先端にぽつりと建つ一軒家。こんなところで生活するというのはどんな気分がするのだろうと、少しのあいだぼんやりと考えてしまった。

 洲崎灯台まで66.21km、平均28.6km



 そうこうしているうちにTETさんとsudobanさんが到着。やはり仲間の顔を見るというのは嬉しいものですね。ここまで結構なハイペースで来てますが、まだまだ皆元気です。さてここでそれぞれ薄皮あんぱん(大人気だな)などを補給して、また3人で出発です。灯台からの階段の下りでmasaさんとすれ違い、海沿いの県道に出たところでK2Kの3人に会いました。どうやらそれぞれの差はそんなに開いているわけではなさそうです。



 洲崎からはTETさんとsudobanさんと3人で先頭を交代をしながら走ります。2人とも速いです。後についているときは比較的余裕がありますが、楽かというと全然そんなことはありません。結構きついです。だから前に出たときはもちろんしっかりきついです。



 だからこんな感じの気持ち良い道もいまひとつ記憶に残っていなかったりします。なんとなくこんなところも走ったような気もするけれど・・・



 しかし先頭を交代して、後から人の走りを見るとものすごく楽に走っているように見えるんですよねぇ。それでまた凹みます(笑)。TETさんのものすごく安定感のある高速巡航、sudobanさんのブレのないパワフルな高速巡航。どちらもこの区間でしっかり目に焼きつきました。

 気づいたらいつの間にかsudobanさんがいなくなっていた。



 そうしてTETさんと二人で到着した野島崎。ここすごく雰囲気の良いところですね。ひと目で気に入りました。

 野島崎まで84.56km、平均28.9km 



 この野島崎にはモリさんがすでに到着していました。この気持ちの良い芝生の上で3人でしばし休憩。仰向けに寝転ぶとものすごぉ~く気持ち良いです。と、TETさんが「こんな感じでゆっくり休んでいると間に合わなくなっちゃうんだよね」とひと言。まぁそうなのですが、いやぁここはやはりのんびりしたくなっちゃいますよ。

 そんなふうに休んでいるあいだにmasaさんが到着。



 そしてまた少し時間がたったところで今度はsudobanさんがあらわれた。



 なんかいかにも元気があり余っているって感じですが、実は途中のコンビニ補給の際にかけた鍵がとれなくなって大変な目に遭っていたとのこと。無事鍵が外れて良かったです。

 ここからはまたTETさんとsudobanさんと走ります。ただ先頭を交代しながら走っているとどうしてもそれぞれが頑張ってしまってペースがあがってしまいます。実際前に出ているときなんかはかなりきつくて、このままじゃ犬吠崎まで持たないんじゃないかという不安も少しずつ感じはじめました。信号で停まったときにTETさんから「ペース速すぎるから少し落とそう」ということばがあり、僕もsudobanさんも「そうだ、そうだ」と言いはするのですが、やはりなかなか妥当なペースになりません。

 そんなことが続いたとある信号ストップでふと海の方向を見てみると、そこには気持ちの良さそうな海沿いのサイクリングロードが。このときは確か僕が前に出ていたのだと思うのだけれども、一息つけるためにお二方を説得して、さらに信号をもう一度やり過ごしてそのサイクリングロードに出てみました。



 それがここ。それまできつめのペースで走っていたので、こういう場所に来るとものすごくホッとします。しみじみ気持ち良いです。ここで時期的にまだ必要ないかなと思いながら持ってきた梅干を口に入れたらものすごく旨くてびっくりでした。今日は結構汗かいてますからね。きっと体は素直にしょっぱいものを求めていたと思います。



 海をバックにsudobanさん。



 同じくTETさん。二人ともそれぞれにそれぞれの迫力があります。



 ここから少しだけこのサイクリングロードを走り、国道に出てからは僕とsudobanさんが前に出ると頑張り過ぎてペースがあがるということでTETさんがずっと前を走ります。しかしずっと後についているというのはやはりどうにも気がひけるものです。30kmを少し切るくらいのペースとはいえ、ずっとひとりで前をひくってやはり大変なことですよ。というわけで、しばらく走ったところで、少しスピードをあげてTETさんの横に並び、「先頭代わります。今度はきちんとペース守りますんで」とTETさんに伝えたのですが、TETさんは面倒臭そうに「いいよ、大丈夫だから!」のひと言。このひと言にかなりの迫力を感じた僕はすごすごと後ろに引き下がり、結局鴨川を過ぎたデイリーヤマザキに吸収されるまでずっと僕とsudobanさんはTETさんに守られて走ることになったのでした。

 いやぁ、でもこのときのTETさんは格好良かったですねぇ。何ていうか、「弾除けになります!」と言って恐る恐る前に出た下っ端のチンピラを押しのけて、不敵な笑みを浮かべて「おるぅぅぁ!」と実弾に向かっていく根性の入ったヤ○ザを思わせるような迫力がありました。思わず僕、このときTETさんと哀川翔がだぶりましたから。

 もっともこれが本当の実弾だったとしたら、「お前、前出ろよ。当たり前だろう」ってあっさり言われちゃいそうな気もするんですけどね。もちろんそんなときは僕も「前代わります」なんて当然言いませんが(笑)

 さてそんなふうにずっと前をひいていたTETさんが鴨川を少し過ぎた場所にあったデイリーヤマザキに吸収されることになったのは、狭い道を前からやってきた車がTETさんとすれ違う直前にいきなりこちら側へのウィンカーを出したから。このときは本当に危なかったです。「おい、自転車がいるんだぞ!」と言いたかったですが、ことばのほうが間に合いません。結局、その車はウィンカーだけ出しておいてそのまままっすぐと走り去ったのですが、危険回避のために変な動きをしたこともあって、TETさんは痛恨の足攣り。結局その場所からすぐのところのデイリーヤマザキに吸収されることになったのでした。

 鴨川を少し越えたところのデイリーヤマザキまで125.46km、平均28.6km

 ここで足を休めながら補給をしていると・・・ 



 masaさんがやって来た!いやぁ、ものすごく軽そうに、そして楽しそうに走ってます。ここまで130kmは走ってきてるはずなのにすごいなぁ。こんなに生き生きと自転車乗っている人ってそうそう見ません。で、masaさんもここでひと休み。



 そしてその少しあとにモリさんも到着。どうやら、ここまでこの5人はそんなに距離を開けず、付かず離れず走ってきているようです。

~果てしないひとり旅編~