湘南発、六畳一間の自転車生活

自転車とともにある小さな日常

4月7日 房総、過酷なミッション ~上陸まで編~

2007年04月08日 | 自転車生活
 久里浜港始発のフェリーに乗って、7時に金谷を走りはじめる。海岸線に沿ってただただ犬吠崎までペダルを漕ぎ続け、房総半島の最西端(洲崎)・最南端(野島崎)・最東端(犬吠崎)に足跡を残す。そして最後に日没前の利根川の雄大な流れを眺めるというのが今回の房総オフの概要=ミッションだった。

 この任務完遂のために設けられた犬吠崎到着のリミットは17時半。今回は何よりも各自の任務遂行を最優先とするために、集団走行には捉われず、人に気をつかうことなく走り続ける。もし制限時間内での完走が難しそうな場合は、個々人の判断によってコースをショートカットするなり、場合によっては勇気ある撤退をするなりして欲しい。一見ドライで非情に感じられるよう内容だけれども、今回はとにかくミッション完遂を第一の目的としてこのような約束事が事前に参加者のあいだでなされていたのだった。


 と書くと、最近のスポーツ番組の“煽り”用VTRフィルムみたいになんだかすごくおおげさな感じがしますね。はい、僕も少しそんな感じがしていました。金谷から犬吠崎までの距離は約210km。リミット前の集合時間は17時だったのだけれども、それでも出走開始から犬吠崎集合までには10時間あります。平坦中心の房総半島ならば210kmを10時間というのは、もちろん距離が距離だけに楽ではないでしょうが、ひどく厳しい時間制限ではないように思えました。たとえばアベレージ30kmで走れば7時間で210km走れます。そうすると3時間の余裕があります。僕は平地中心のコースにはかなり苦手意識があるのでアベレージ30kmなんていうスピードはちょっと考えられなませんが、もしネットの平均時速が25kmだったとしても、1時間半の余裕があります。10時間の行動時間にたいして1時間30分の休憩というのはそんなに厳しいものではないと思いますので、正直なところ何かアクシデントがなければまぁ完走は難しくないのではないかと思っていました。

 頑なにひとりで走りとおしたほうがいいだろうか、それともせっかく皆と走るのだから先頭交代をしながら走ったほうがいいだろうか?銚子まで着いたときに余裕があれば自走で帰ってしまおうか?などと僕は出走前にあれこれ考えたり悩んだりしていたのですが、だからそういったこともすべて“完走できることが前提”になっていました。だけれども、実際はいやはや・・・。結局のところ僕は何もわかっていなかったのです。

 今回の房総オフに参加したのは以下のメンバー(masaさんのエントリーより)。

□金谷上陸組
 masaさん
 TETさん
 tetsuさん
 ikedaさん
 510さん
 Carmenさん
 sudobanさん
 Tonyさん
 モリさん@reonpapa
 yuzito
□遅れて上陸する者
 黒シャチさん
□利根川制圧組
 ふぉあぁさん

 金谷から走りはじめる11人がそれぞれ任務を完遂し、葛西臨海公園から利根川沿いに下ってくるふぉあぁさんと銚子で合流して、皆で千葉を切り取ってしまおうではありませんか!


 4月7日当日は午前3時50分に起床して4時20分頃に部屋を出た。前日の段階では“任務完遂”よりもまず、きちんと起きられるかどうかが心配だったので、しっかりと予定の時間に目覚めたときはかなりホッとした。

 ところで僕は最近、少しハードに走ろうと思うときは必ず最初の30分くらいをウォームアップのための時間にあて、少しずつ負荷をかけていくようにしています。というのは、最近自転車ってあまり健康に良くないのかもしれないと思ったりするからです。軽い負荷のサイクリングであれば多分健康的だと思うのですが、ヤビツでのTTや骨身を削って走るようなロングライドってどう控えめにみても健康的とは思えません。だからこそ、そういった走りをするときはしっかりアップをしなきゃなと思ったりするように最近なりました。なにせ僕ももう30後半ですしね。いくらあまり成熟していないといっても、さすがに昔のような元気も健康もありません。

 というわけで、久里浜まではその後の長い行程のためのウォームアップとして走ろうと僕は思っていました。そして実際そんな感じで海岸線を流して走っていました。とそんなふうに走っていたら渚橋の交差点にある、すっかりここを通るサイクリスト達の格好&定番の休憩場所となった感のあるampmになんとなく見覚えのある面々が4人。えっとtetsuさんとikedaさんと510さん、そしてmasaさんです。う~む。こういっては何ですが、ここで止まるべきか、それとも何食わぬ顔をして通り過ぎるべきか一瞬迷いました。あっと、これはもちろん変な意味ではないんですよ。ただ皆さんと合流すると、多分ここまでよりかは速いペースで走ることになっちゃうような気がしたので、それでどうしようかなぁとちょっと可愛くないことを思ってしまったのです。

 しかしながら、そんなことを言いつつ、結局僕もここで皆さんと合流。やっぱりお仲間に合うというのは嬉しいです。だったら最初から可愛くないことを言うなって気もしますが、それはまぁそういう性格なので。すみませんです。

 
                        K2Kの3人。tetsuさんは準備体操中。股割りから、うりゃ!と両腕を振りあげていました(嘘)

 さてここで少し談笑したのち、また久里浜まで走ります。K2Kの3人は先行しているcarmenさんを追って林交差点経由で久里浜へ向かうとのこと。僕とmasaさんは最短コースである衣笠経由で久里浜まで向かうつもり。嫌な予感です。まずいです。それじゃ二人で、ということになりましたが、なんとなく前を走るのもプレッシャーだし、かといって後を走るのも緊張といった感じがします。さて、どうしようと思ったのですが、結局微妙に自転車を後ずさりさせて僕は後ろのポジションに。masaさんとのランデブーはお初なんでホントに結構緊張です!

 走りはじめるとやっぱりmasaさん速いです。ペダルの回転も速くて、メーター上だけでなく、後から見ていても“いかにも速い”感がビンビンに感じられます。僕はそんなmasaさんの後ろにピッタリついて、しっかりドラフティングさせてもらいます。とそんな感じで走っていたのですが、やはりそればかりでは気持ち的に申しわけないです。それに一応出走前に、列車を組んで走るときはきちんと自分も前をひこうと決めていたこともあって(当たり前のことなんですが)、途中から先頭を交代して僕も前を走りました。


                                    衣笠あたりを駆け抜けるmasaさん

 それからは久里浜の海に出る少し前まで、お互い先頭を交代しながら結構なペースで走ったような気がします。



 そして久里浜の海に出る少し前でTETさんと合流。そこからはTETさんの後について久里浜港まで走りました。



 久里浜港に着くと、Tonyさん、carmenさん、モリさんがすでに到着していました。まだ5時30分というのに。はえぇです。モリさんとはお初なので、ここで「はじめまして」のご挨拶をさせて頂きました。そうしてほどなくしてsudobanさんも登場。モザイクがあるのでわかりませんが、皆結構気合の入った顔をしてます。



 さてそうこうしていると、「見送りありがとう!」の仁さん登場です。なんとなく来てくれるのではと思っていたのですが、本当に来てくれました。朝早くからありがとうございました。で、その少しあとに先ほど別れたK2Kの3人も到着です。とりあえず先発組はこれで揃いましたのでいよいよ乗船!なのですが、「まぁそんなに急がなくても」なんて思っていたらバイクを含めた2輪の乗船台数が結構ギリギリになってました。



 2輪の乗船台数は合計18台ということだったのでかなり危なかったですね。



 さて、そんななかで一番余裕をかましていたのがcarmenさん。どうやらずっとコンビニにいたようです。写真はcarmenさんのために場所取りをしていた仁さんが、「彼女、すぐにチケット買って戻ってきますから」と係員さんに説明しているところ(推測)。

 さぁて、いよいよ乗船ですね。今日は海がとても穏やかです。僕は結構乗り物酔いをするので一安心です。 



 乗船してデッキにあがると、港には仁さんの姿が。なんか船の見送りって、見送るほうも見送られるほうも寂しいものがありますね。お互いの距離が遠いので。顔は見れる。でも会話はできない。だからただただ見詰め合うことになる。なかなか切ないです。



 そんな切な顔を隠すためにサングラスをかける仁さん(推測)。今度は是非一緒に走りましょう!



 そうして、フェリーはいよいよ房総半島に向けて出航。どんなことになるかさっぱりわからないけれども、なにはともあれ頑張って走ろう。そしてしっかり任務を完遂しよう。

 やるぜ!

 久里浜まで29.69km、平均28.2km 

 ~いよいよはじまった編~へ続く