知的成長戦略論-クールに生きる

かっこよく生きるためのメモ。
知的に成長し、どんな状況でも平静を保てる力を身につける。

東電問題。

2012年02月14日 | 国家論
東電に、1兆円程度の資金を投入する見返りに、
 政府が経営権を取得できるようにするか
が問題となっています。

1兆円を
 借入とするか、株式の購入と構成するか
ということです。

東電とすれば、いろいろ口を出されると困るので、
 金だけ出してくれればよい
というのが、本音。

政府は、東電に資本を注入して、
 やりたい放題やられる
と、
 国民の支持が得られない
ので、
 コントロール下においておきたい
ということです。

特に、資本注入後、高額の給与が払われたなどという報道がなされると、
一気に支持率が下がります。


今は、
 これだけ経費がかかります。
 そのため、電気代をいくらにします。
と東電が比較的自由に、電気代を決められるようになっています。

そのため、原発推進の高額なCMを
 利用者の電気代で払っていた
わけです。

政府が経営権を持つようになると、
 情報公開の圧力が高まる
ので、
 経費の透明化
が図られることになると思います。

そうなると、
 原発推進のCMや、天下り職員の受け入れによる人件費に、多額の経費を払うくらいなら、
 電気代を安くしろ
という世論が形成されるはずです。

おそらく、東電は債務超過に陥っていると思います。
東電の資産を全部合わせても、
 無限に広がる原発事故の補償(潜在的な損害賠償請求)
をまかなうことなどできないからです。

もちろん、現時点では、補償額がはっきりしていないので、
 債務超過かどうかは分からない
わけですが、
 訴訟が拡大していくことによって、莫大な額になる
と思います。

市町村を何個も購入する費用を、一民間企業がすべて賄うことなどできない。

除染費用だけでも、大変な額になるわけですが、
 除染しても、実質的な回復が困難である
ということになると、
 法的には、失われた利益(事故がなければ得られたはずの利益)をすべてを賠償しなければならない
ことになるからです。

例えば、汚染された農地の場合、そこから得られたであろう利益が
 損害額となる
はず。

会社を存続させたまま、賠償をしていこうとしても、難しいと思います。
(負債総額が把握できないため。)

よく似たケースでは、
 大手銀行が消費者金融に、資金を注入したものの、
 過払い金返還債務が、想像以上に膨らみ、結局破たんしたケース
があります。
つぎ込まれた資金は、過払い金の返済に充てられ消えてしまいました。

1兆円を投入しても、それだけでは、すまなくなる可能性があるということです。

東電を破綻させた上で、救済法案とセットで、公的資金を注入しないと、
解決は難しいと思います。
(このプランでは、被害に遭われた方の補償は、東電の破綻により、制限されることになるため、
救済法案を制定して、対応していくというもの。)

東電としては、一時的に1兆円を投入してもらって、
 とりあえず、破綻を免れ(債務超過による破産)、
 その後は、時間を稼ぎながら、電気代により、収入を増やしていき、
 その収入で、損害賠償を支払っていく
というソフトランディングをイメージしているのだと思います。

ただ、これでは、電気利用者の負担が大きくなってしまいます。
電気利用者には、選択の自由がありません。
電気は独占事業で、東電が高いから、中部電力から買うよということはできないからです。

原発の補償を東電利用者(関東圏の住民)で多く負担するか、
 全国民で負担するか(救済法案の場合、税金による補償となるため)
ということにつながってくるかもしれません。


ここで、あれっ、今の論法は、何かに似ているな。
と思うかもしれません。

このソフトランディング路線は、
 国家がこれから使う路線と同じ。

国債を国内の金融機関や、国民に、個人向け国債と言う形で購入させ、
 とりあえず、破綻を免れ、
 その後は、時間を稼ぎながら、増税により、収入を増やしていき、
 その収入で、国債の利子を支払っていく。

国民には、税金を払うかどうかの選択の自由はありません。


破綻を避けるためには、本来は、電気代を上げるとか、増税するとかいう形で
 収入を増やすのではなく、
 イノベーションによって、みんなを豊かにしながら、収入を上げていく
というのが、理想です。

その代表格が、アップル。
アップルのおかげで、アップルストアを初めとしたITスタッフの雇用が促進され、
OEMのアジアの工場は潤っています。

本日の注目ニュース。
アップルの株価、初の500ドル突破。502ドル60セント。
時価総額は、4686億ドルで、トヨタの3倍。


国家の統治者は、
 国家を経営するスキルが必要である
ということは、
 なんとなくイメージできると思います。

これが、国民が選挙に行かなければならない理由です。

経営感覚のある政治家を選ばないと、
 大変なことになる
ということです。
コメント
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