YS Journal アメリカからの雑感

政治、経済、手当たり次第、そしてゴルフ

超一極集中社会アメリカの暴走: 小林 由美

2017-07-19 14:58:12 | 書評
玉石混淆。

経済に関しては専門家だけに鋭い考察が多いが、政治、特にトランプ政権に関してはアメリカタブロイド紙レベル。

アメリカ超上流階級の分析についてはそうなんですかとしか言えないが、中流階級は層が厚く多様なので凡庸なイメージが示されているだけだ。全てが超一極集中と言うのは実感があり、暴走しているのも事実であるが、層の厚い中流は取り残されているだけでは無いと思う。(アメリカ本にありがちなのだが、下流階級に属するエピソードを中流階級にハメ込み、煽っている所もある)

数学(アルゴリズム)、プログラミングの習得の重要性は、大納得。一方で、人間の様なアンドロイドが登場するとは思えないので(少なくとも私が生きている間は)、複雑な作業、作業の複雑な組み合わせを伴う肉体労働に人間の活躍場所があるような気がする。どこまで進化してもコンピューターは道具でしかないと思うのだが、作業を伴わない経験則(知識)は AI に敵わない。いつか wisdom も凌駕される日が来るのだろうか?

最後には「流動性を恐れるな」と、中流階級への有難いアドバイスで締めくくられている。

立ち読み15分程度で大まかに把握出来る。一方で、断面的だが、情報革命、ビッグデータのビジネス最前線の情報が入っているので、参考資料として購入しても損は無い。

もっとボリュームがあり、構成がしっかりしていれば名著かも。


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