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オリジン - ダン・ブラウン

2018-05-27 09:18:54 | 書評
シンギュラリティをテーマにした小説は難しいだろう。

オリジン」は、シンギュラリティによる宗教の終わりと新たな希望、人類とテクノロジーの融合による未来を描こうとしている。

宗教については、科学的な生命の誕生と進化を示すことで創世を否定している。展開としては悪くない。一方、未来については、テクノロジーを人類進化の延長に位置付けて、融合、新たな進化としている。

結果的には、神の存在は否定できておらず、無神論者の狂言回しであるプログラマー、未来学者(そして大金持ち)に、未来に関しては「神のご加護を」と言わしめている。

お馴染みの主人公、宗教象徴学者ラングドンによるバルセロナ舞台の逃走劇はテンポが良い。(バルセロナを知っていれば、格別だろう)帯宣伝通り一気読みしたが、それはテーマではなく、逃走活劇にはまったからだ。

原書を読む気にまではならない。

著者ダン・ブラウンは、宗教的(キリスト教的)タブーに挑戦している作品ばかりだが、キリスト教に対する深い帰依を感じる。取って付けたようなスペイン国王と司教の同性愛の肯定には欺瞞すら感じる。

宗教象徴学者ラングドン一連の作品は映画を観ただけ。ダビンチコードは非常に楽しめた。続編2作品は二番、三番煎じ。初めて本を読んだら四番煎じといった感じ。


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