この映画の原作者である
Ayn Rand については、恥ずかしながら、
Helen Mirren の演じる濡れ場(全くの期待はずれだった様な記憶が)を観たくて "
The Passion of Ayn Rand " を貸しビデオで観た事があるだけであり、ほとんど知らない。映画 ”The Passion of Ayn Rand" 自体は、彼女の思想とかは全く記憶が無いので、そう言う意味では、駄作であったと思う。
原作である小説の "
Atlas Shrugged " については、藤森かよこさんという方の
これとか 、
こちらのサイト が詳しい。(藤森かよこさんの日本アイン・ランド研究会のサイトは
こちら 。Ayn Rand より、藤森かよこさんのファンになりそうだ。)
なぜ、こんなに Ayn Rand が気になるかというと、昨年読んだで面白かった一冊に Ron Paul の "
End The Fed " の中にその名前が登場していたからである。その上、彼女とグリーンスパンとの関係も登場している。
泥縄で調べてみると、彼女は、リバタリアンの代表する思想家、小説家という位置付けがあり、Objectivism (客観主義)と呼ばれるを提唱している。(客観主義については、再び藤森かよこさんの
こちら をどうぞ)
さて、肝心の映画、"
Atlas Shrugged " であるが、今回は、Part I で、全部で3部作となるらしい。内容については、苺畑のカカシさん
こちら のエントリーが詳しくて、非常に良い。(手抜きで申し訳ない)
普通の人も、映画の中のリベラル的な発言は余りの大仰で臭いのだが、内容的には現実の政治家が言っている事と同じである所に、気付いてくれれば良いのなーというのが正直な感想である。それこそが、Ayn Rand が言いたかった事なのである。映画だけにセリフ回しが幼稚に聞こえるが、彼女の思想を理解するキッカケと考えれば、有意義であろう。今後、デフォルメされ過ぎて荒唐無稽になり、メッセージ性がなくなってしまうのではないかと心配はある。
大震災の影響で、恒例のゴールデンウイークを利用した日本からのアメリカ出張が減って、出張者のお世話が無くなった手持ち無沙汰の一週間になる人には、お勧めである。内容的にも、出来ばえ的にも、是非にという感じの作品ではないが、観て損をする事は無い。
小説の週末は、リベラル的なユートピアが結局は破綻してしまうらしい。Part I では姿を現さない裏の主人公である John Galt が集めたやる気もあり才能もあり人々が、立ち上がる所でおわるらしい。
独立系プロダクションで製作されており、公開先も限られていたが、保守系のテレビやラジオの宣伝で徐々に人気が出てきており、配給するフイルムが足りなくなっているとの報道があった。アメリカの税金申告締め切り日の4月15日が一般公開日であったが、デトロイト地区では少し遅れた。今では、いくつかの映画館で上映されている。Part I の興行的成功で、ハリウッドが続編製作に興味を持っているらしい。
映画としての出来は、ギリギリ合格という所か。低予算で製作された哀しさが所々に顔を出すのが惜しい。日本で公開される日は来るのだろうか?『
肩をすくめるアトラス 』で翻訳出版されているので、邦題も同じになると思う。
小説をじっくり読んでみたい気もするが、もの凄い量みたいなので、これも老後の楽しみにしておこう。
土曜日の午前中に入場したので $5、ラージポップコーンとスモールコーラで計 $12。(ラージ、ラージのコンボは $13 だったので、ささやかな節約とトイレを気にして、コーラはスモールサイズ)
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