YS Journal アメリカからの雑感

政治、経済、手当たり次第、そしてゴルフ

羊頭狗肉

2011-05-18 05:29:23 | アメリカ経済
オバマが、2009年の景気刺激策の一環でオバマがブチ上げたアメリカ高速鉄道網構想も、結局は Amtrak のインフラ改善に予算の一部が使われるだけで、頓挫しそうである。

高速鉄道としては、辛うじて、カリフォルニア州、サンフランシスコとロスの間の一部で建設が始まる様だが、果たしてどうなる事やら。$300M(約240億円)の壮大な無駄遣いの様な気がする。(カリフォルニア高速鉄道庁のサイトはこちら)残りは、ボストンーニューヨークーワシントン DC、デトロイトーシカゴーセントルイス等の在来線を将来の高速化に備えて整備する事に使われる。在来線の整備は、一応将来を睨んでとお題目がついているが、基本的には、Amtrak への呈の良い補助金である。

2009年の景気刺激策で$8B(約6400億円)の予算が成立しており、今回は、$2B(約1600億円)が使われる。景気刺激策については、成立から2年以上も経っている効果が怪しい上に、折からの財政状態が厳しいので、消化していない予算については、共和党は凍結する事を提案したりしている。

人口密度が低く、移動距離が長いアメリカは、基本的に旅客鉄道との相性は悪い。個人が車に乗らないので環境に良いとかの訳の分からない理由も挙ったりしているが、一応景気刺激策の一環であるので雇用の促進とか、元々本末転倒気味の政策であった。どう考えても、敷設後の採算も怪しいので、フロリダ州は予算の受け取りを拒否している。



WSJ の地味な記事 "U.S. Parcels Out $2 Billion for Rail"