YS Journal アメリカからの雑感

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オサマ・ビンラディン殺害

2011-05-04 04:40:22 | アメリカ政治
オサマ・ビンラディンがアメリカ海軍特殊部隊によって殺されたことは、アメリカの「テロとの戦い」にとって大きな節目になるであろう。

報復テロが活発化することを心配する声もあるが、今後急速にイスラム原理主義、過激派勢力は急速に萎んでいくと思う。

アメリカは、アフガンからの撤退を早めると思う。

そう考えると、オサマ・ビンラディン殺害前に発表された、なんだか違和感のあった、現パネッタCIA 長官を国防長官に、アフガニスタン駐留米軍トップであるパトレイアス(David Petraeus)を CIA 長官へという人事構想(議会での承認が必要であるが)が違って見えてくる。

アメリカは、現在イラク、アフガンで行っている大規模な軍事展開、そして国造りという莫大なコストの掛かる方法は、今後選択肢としないであろう。ビンラディンのような大物の出現の可能性は低いし、どこかの国で彼のような指導者が出てくる兆しがあれば、今回のような小規模の展開で早めに叩くと言う事になるであろう。イスラム系の小国が内戦状態になることは、アメリカに害が及ぶという確証が無い限り、介入しなくなると思う。(イスラエルは少し楽になるような気がする。イスラムとの関係においては、今後トルコの出方に注目であろう)

財政危機で避けられない軍予算のカットを見越した上で、CIA との関連を強めて、全体は縮小するが、より機動性の高い編成になっていくことであろう。

で、オバマにとっては、オサマ・ビンラディン殺害はどのような意味を持つのか。一部では、これで再選が確定したという分析もあるが、オバマ支持派、反対派、両方にとって、政治的な意味合いしかもたらさないところが、オバマの政治家、大統領としての器に小ささを反映していると思う。

個人的に、再選には殆ど影響ないと思う。未だ大統領選挙までには時間がある事、今回の成功は、基本的にブッシュ路線の延長上にある事が挙げられる。今後の景気動向の方が、影響が大きいのは間違いないだろうし、今回の作戦遂行へのオバマの決断は大いに賞賛出切るが、オサマ・ビンラディン殺害の成功をオバマのみの手柄とすることは出来ないからだ。

アメリカ全土で、オサマ・ビンラディン殺害を喜ぶという感じで報道されているが、私の周りでは、全くと言って良い程、話題になっていない。象徴的であり、今後の対テロという意味では、非常に重要な出来事であったが、911被害者の家族や軍関係者以外のアメリカ人にとって、大きなインパクトという感じは無い。

今週月曜日は、参加しているゴルフリーグ(私以外はアメリカ人ばかりがメンバー)の初日であったが、ラウンドの後はピザとビールでバカ話のみ、平和であった。