YS Journal アメリカからの雑感

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保守って何?

2010-07-09 23:29:09 | 政治の話題
今回の参議院選挙で、自民党は保守復活を掲げて戦っているようだが、言っている当の本人達も、保守が何かと言う原理原則がハッキリ分かっていない様だ。

代表的なのは、意味不明である安倍元首相の「美しい国」であるが、「いいものは守り抜くのが保守」とか「日本が長い間守り続けてきた伝統や文化をこれからも守っているいくこと」だとか、ただただ情緒的であり、曖昧である。

以前のエントリーで保守の定義として考えたことがあるが、政治理念の定義としては、以下の3点で間違ってないと思う。

1)個人の権利の尊重
2)小さくて財政規律のある政府
3)国防の重視

これらの土台があってこそ、どのような事が出来るのか、そしてしないのか、といった議論が出来ると思う。

管首相の出目との対抗策として保守を訴える人々は、左翼(リベラル)と同じ次元に落ちて不毛の議論になるだろうし、いいものや伝統を守るというだけでは、必要に応じた変革が出来ない縛りを自分に課すことになる。

これらの原則さえしっかりしていれば、個別案件でも根本的な議論が出来る。

例えば、景気回復。政府に景気刺激する様な役目がないと考え,その分を減税に当てるということになる。沖縄の基地の件でも自力で国防をすると考えると、自衛隊(もしくは憲法改定で正規軍)の整備を進め、時限的に米軍の退去を求めていけることになる。(日米同盟や諸国との関係は外交問題として同時進行)天皇制は、本質的な問題ではないので、現状を維持する。中央政府を小さくすることで、道州制への弾みもつくであろうし、公益法人、天下りなども関係法律を5年くらいで無効にする様にして、その後は予算なしにすれば良い。

手前味噌な保守の原理を元に、現行の日本国憲法を読むと、改定は必要であるとしか言いようが無い。憲法改定となると第9条の戦争放棄の事ばかりクローズアップされるが、戦争放棄、軍を持たないと言いながら、第66条で内閣総理大臣と国務大臣は文民でならなければならないという矛盾も存在している。第25条は、リベラルすぎる気がするし、第29条は私有財産の権利が弱い様な気がする。

話があらぬ方向にいってしまったが、日本には保守の原理が明確な形で存在しないので、「あいまいな国」になってしまっているのであると考える。

選挙キャンペーンやキャッチコピーではなく、これまでこれまでの歴史を飲み込んだ上で、日本独立宣言を行い、確固としたビジョンでの政治を目指す人々がでてきて欲しい物である。人々が自分の意志で幸福を追求出来る社会のビジョンは、上で示した保守理念でしかありえないと思う。

日本に帰る気もなく、アメリカの永住するのだが、日本人ということは常に誇りに思っているだけに、頑張って欲しいと願っている。

いい年して青臭いけど、自分の子供の世代を考える位の貧困な想像力でも、せめて自分と同じ様な環境、自分の才能,努力でなんとかなる(豊かとかいうことでなく)という世界を残してあげたいと願う。(アメリカも日本よりはマシだと思うが、危機的な状況になっている)

ホタル

2010-07-09 11:53:25 | 雑記
うちの裏庭は、秋は紅葉、冬には鹿が出没するのであるが、この時期はホタルが見れる。

日本のホタルは、沢や川に生息していると思うが、アメリカ中西部のホタルは種類が違うみたいで、特にそんな水環境がなくても生息出来るらしい。地ホタル(?)という感じであろう。光り方も違う。日本のホタルは、ぽっと優しく光って、明暗同じ間隔で繰り返す感じなのだが、うち(?)の地ホタルは、短く鋭く光って、長いお休みという感じである。

6月中旬から夏休みが始まり、すっかり宵っ張りになってしまった5歳になる下の娘は、裏庭のホタルを見るのが大好きで、食事もお風呂も済ませた後、東部時間の西の端なので、9時を過ぎてようやく暗くなると、家中の電気を消してママを誘って、しばらく眺めている。

アメリカではホタルを見る事は珍しくなく、私が車で移動する中西部ではどこでも見れる。インディアナの田舎道を走っていると、ホタルの集団を見れる事もあり、蛍光色の固まりが浮かんでいる様な光景も見た事がある。

車のフロントガラスにも良くぶつかる。当たった瞬間にパッと光ったかと思うと、そのまま平べったく死骸(というか体液だけになって)がへばりつく。夜の田舎道はヘッドライトに誘われるのか、ホタルだけでなくその他の昆虫も一杯出現し、車のフロント側はヘッドライト、グリル、グラスと虫だらけになる。グラスの汚れは、ウインドーウォッシャー液を使うと、落ちないばかりか、逆にワイパーで引き伸ばす事になり、一層前が見難くなる。

ド田舎育ちなので、小さい頃は、自然のままの小川が近所にあり、ホタルは普通に飛んでいた。竹箒でとった事もあるし、蚊帳を吊って寝るとホタルが蚊帳にとまっている事もあった。そんな小川も段々と整備されてるにつれて、ホタルも見なくなった様な気がする。珍しい物でもなかったので、記憶さえもあやふやである。

妻や娘達にとって、ホタルは眺める物であるようで、一度、私が2,3匹捕まえて部屋に入れると、虫という感覚(間違ってはいないのだが)があるらしく、怖がって逃げ回っていた。妻は、虫という事で噛まれるとか、光るので熱いのでないかという恐怖があったそうだ。(子供もママが怖がるので、同じ反応だった)

なかなか風流な裏庭なのだが、ホタルの季節は、蚊の出る季節でもある。アメリカの蚊も日本のとは違うようで、炎天下でもくわれる事がある。家の中に入る時があるのだが、金鳥の蚊取り線香も効きが悪い様な気がする。