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YS Journal アメリカからの雑感

政治、経済、手当たり次第、そしてゴルフ

Flat expectations

2011-08-04 09:09:47 | 新聞、雑誌から


言語的な考察までは出来ないが、英語のタイトルを読むと内容が一瞬で分かる事がある。

The Economist の7月23日号の記事 "Flat expectations" も、サブタイトル、上記のチャートと相まって、3D 映画が苦戦している事が、直ぐに理解出来るなかなか優れた見出しである。

劇場用の 3D 映画 として初めて観た "UP: カールじいさんの空飛ぶ家" では、3D で $3 高くチャージするビジネスモデルに感心した。しかし、時を経ずして観た "Avatar (アバター)" では、既に 3D 映像が普遍的では無い事に気づいただけに、この記事内容に頷く事しきりであった。

2次元と明確に意識している映像が、3次元で登場すると、それを故意に意識している間は技術の素晴らしさと臨場感に圧倒されて、大丈夫なのだが、連続的にやられると、無意識に脳が2次元で処理したいのに無理やり3次元を強要されている状況になり、映画を観ているというより自分の脳と格闘している感じになる。

去年観た "Toy Story 3 3D" は、既にその辺が工夫してあったと思う。

2D と 3D を自然に行ったり来たりという事が出来れば良いのだが、3D メガネを掛けなくててならない限り、難しそうだ。

3次元の仮想空間は、常に緊張を強いられる場合、例えばフライトシュミレーションや戦闘訓練のような場合は非常に有効だし役に立つと思うのだが、映画の様な娯楽の場合は、個人差が著しく出てくると思う。

2D と 3D の選択がある場合、暫くは 3D を選ぶと思う。但し、製作側も、今後むやみやたらに 3D を提供する事は控えるような気がする。結局は、ニッチな存在になりそうだ。

気になる判決

2011-06-28 04:33:59 | 新聞、雑誌から
小学生が校庭で蹴ったボールが外に出て、オートバイを運転したいた老人が避けようとして転倒、骨折、入院中に認知症を発病し死亡。ボールを蹴った行為と死亡に因果関係を認め、小学生の親に賠償命令という判決の記事を読んだ。(『サッカーボール避け転倒死亡 蹴った少年の親に賠償命令』(朝日新聞の記事))

愛媛県(別の記事では今治市と出ていた)という事と、小学生が当時5年生(上の娘と同い年)という事で、思わず、引き込まれるように読んだのだが、記事内容からだけで判断すると、トンでもない判決だと思う。こんな判例で残ると、誰も何も出来なくなるし、親なんてやってられない。

この親は、絶対に控訴すべきである。もし、親が日本的に我慢しそうだったら、小学生の通っていた小学校、もしくは、愛媛県の教育委員会なり、何らかの団体なりが乗り出してでも説得し、控訴の協力をすべきだ。

(多分その時一緒にいない)親の責任を問いながら、学校の責任については、言及がないので、学校を訴えていないのだろう。原告は、取りやすいと判断して、親を訴えた可能性が高い。(学校を訴えたら、教育委員会などがバックアップして、勝てたとしても長引く可能性を考えたのでないか?)

まず、故意で狙っていないし、ボールが直接当たっていないので、訴えが成立していることが不思議である。次に、直接の被害は、骨折だけである。その後の認知症の発病を誘発した事、結果的に死亡したことは、影響を考慮し過ぎであろう。

その上で、ボールを蹴る行為が、こういう事態を予測出来るので、子供にそのような行為をさせた親の責任を問うと言う論法は、屁理屈以外の何者でもない。

裁判所は、政府の中で、厳粛で公正な機関だと言うイメージが強いのだが、こういう判例を見ると、変な裁判官があちこちに密かに生息している可能性が高いことを窺わせる。

良い例は、最高裁判所の一票の格差問題にしろ、違憲状態だが、選挙結果は有効などと、とぼけた事をずっといっている。

例が古くて申し訳ないが、三浦事件にしても、一審では、殺人実行者不定、凶器の発見無しで、殺人教唆の判決が出てたりした。(確か、その後さすがに無罪になったと記憶している)

アメリカでも、リベラルが裁判を重要な闘争戦略の一部としており、裁判官にもリベラルがいるので、植物にまで人権が与えられる可能性が、冗談ではなく論じられたりした事もある。

その国の政治は、その国の国民を映し出す鏡だとすると、日本で司法制度だけがまともでいられるわけが無い。サッカーボール判決が写し出す風景は、日本に馴染まない様な気がするが、そんな風景ばかりになっているのだろうか。

U. S. owes $62 trillion

2011-06-08 05:15:12 | 新聞、雑誌から
昨日の USA Today にショッキングな記事があった。(オリジナルはこちら

企業が会計報告に使う方法で計算すると、連邦政府の借金は、

$61.6 trllion (約 4,928 兆円)

だそうだ。(一世帯当たり $534,000(約 430 万円))

内訳は、次の通り。(in trillion)
Medicare: $24.8
Social Security: $21.4
Federal debt: $9.4
Millitary retirement benefits: $3.6
Employee retirement benefit: $2.0
Other: $0.4

政府の財務報告は現金ベースなので、本当の姿が見えにくい。(一方で、課税権があるので、将来の”売上”を調整出来るが)

議会で揉めている Debt Ceiling の上限 $14.29T (約1143兆円)を$2.5T (約200兆円)引き上げの審議が、虚しく感じる程である。

He made it worse

2011-06-07 12:48:46 | 新聞、雑誌から
先週末の WSJ に Peggy Noonan が "Obama and the Debt Crisis" と言うコラムを書いていた。(彼女のコラムについては以前も紹介している)

オバマは、大統領になって2年以上も経つのに、都合が悪い事が起こると、未だに何でもかんでもブッシュのせいにするのだが、全ての分野でより良くするどころか、悪化させているとした上で、大統領としての定義は、"He made them all worse." であると唾棄するように結論付けていた。

こんなイメージでしょうか。


Boeing 787 Dreamliner new assembly plant in SC

2011-05-17 04:57:02 | 新聞、雑誌から
WSJ 5-13-11 の記事 "Boeing and the Union Berlin Wall" を紹介しようと思っていたら、「苺畑より」のカカシさんに先を越されてしまった。

彼女のブログエントリー『これぞファシズム!ボーイング社新工場建設に口を出す労働組合べったりのオバマ王政権労働省』はこちら。私の言いたい事が、やや過激に書かれてある。

オバマ政権の社会主義体質丸出しは今に始まった事ではないが、787 Dreamliner の新工場をどこにするかは、随分前から話題になっていた。自宅の近所に Willow Run Airport があり、候補地の1つになっていた。もし、選ばれれば、自宅の価格が上がるのではないかと、捕らぬ狸の皮算用をしていたが、結局そうは問屋が卸さないという顛末であった。(その後のリーマンショックがあり、自宅の価格については、それどころでは無くなった)

Willow Run Airport は、デトロイト郊外に位置しており、現在は、貨物機とかプライベートジェット専用の空港である。滑走路も4本ある。第二次世界大戦中はビッグ3がこの空港の回りに飛行機工場を建てて、爆撃機、戦闘機を盛んに製造していたとの事。飛行機を造るので、飛行場が必要なのは当たり前であるように思うが、日本の零戦は三菱の名古屋製作所で造られて、牛車で近くの飛行場まで運ばれた事を考えると、アメリカと日本のスケールの違いを改めて思う。そう言えば、三菱重工(正確には三菱航空機株式会社)が MRJ(Mitsubishi Regional Jet) を造るが、そこの所は大丈夫であろうか?(予想としては、飛鳥工場で部品を作って、名古屋空港に隣接する小牧南工場で組み立てるのだと思うが、それにしても非効率な気がする)

Willow Run Airport は、デトロイト空港と車で30分くらい(正確には10マイル)しか離れていないし、この2つの空港で滑走路が11本もあるらしいので、有機的に結び付けて、Detroit Aerotropolis と言う構想もある。(この紹介ビデオは、それなりの面白い)デトロイト、ミシガンの経済の為にも、私の自宅の価格の上昇の為にも、是非とも、実現して頂きたい。

どうでも良い義務感

2011-05-14 11:14:37 | 新聞、雑誌から
一応、こんなエントリーをしているので、義務として「内田容疑者50歳スッチー追いかけ回し逮捕」の件は、書かざるを得ないだろう。

69+2歳で、50歳の女性をストークし、「会社に連絡した。内容は『暴力団と交際している。あぶりをやっている』。まだ実名(女性の名前)は言っていない。よく考えて、1週間以内にTelを。今ならまだ間に合う」という内容の手紙を投函したりしたらしい。これも「ロックンロール」なのでしょうか?

全然別の意味で(どんな意味か書いてる自分もよく分からないが)、超一流であると確信した。71歳で50歳の女性を追い掛け回すのは、やっぱり特殊な才能だろう。

誰が、何を書いても陳腐になる様な行動を敢えてやり遂げた内田裕也は、ロックな男かも。

States to Business: Give Our Cash Back

2011-04-24 10:06:41 | 新聞、雑誌から
日本の会社が、WSJ の一面に登場する事は、最近少ないし、非上場なら尚更である。Good Friday の4月22日、一面の記事は小さいので見逃してたが、めくっているうちに写真付きの本文が10面にあり、積み上がっている段ボール箱に「山下ゴム」とあるではないか。慌てて、一面戻って、読んでみると、可哀想な記事であった。

山下ゴムのオハイオ州に有る北米子会社 YUSA に、州政府から $15,915 の請求書が届いたという内容で有った。

5年前に YUSA は、工場の拡張と816名雇用を誓約して、州政府から $35,000 の補助金を支給されている。現在の雇用数が445名なので、その差額分の返金を求められているのである。同社の監査役は、倒産したり、州外どころか国外に移転したりした企業さえあるのに、勘弁して欲しいとのコメントを出している。

2008年のリーマンショック前は、千人を超える従業員がいたが、売上げの減少と、製造ポートフォリオの見直し(コアの防振ゴム以外の製造は、日本やその他アジアへ移管)で、すっかり所帯が小さくなってしまった。監査役は、オハイオ州で頑張っていると言っているが、既にメキシコ工場建設も進んでおり、北米での拡大は、メキシコになる予定になっている。

補助金支給の条件がハッキリ分からないのでの、何とも言えないが $15,915 とはいえ、何とも納得の行かない返金要求であろう。

アメリカの州を始め、地方自治体が雇用拡大の為に、いろんな税法上の優遇や補助金で、企業、特に製造業の誘致を図ってきたのだが、なかなか思うように効果が出ていない。その上、地方自治体の財政が悪化している所が多い。今後、このような歳出は効率も悪いという結果が出ている無くなるであろう。(ホンダは、アラバマ州に工場進出する時に、州政府からの優遇税制を、州の為にならないからと断った事があるそうだ。因に、山下ゴムはホンダ系だ)

WSJ の一面はそれなり名誉であろうが、内容が内容だけに、御愁傷様という所か。


WSJ の記事はこちら。購読してないと、読めない可能性もあるので、取り敢えずコピーも置いておく。(YUSA に関連する箇所だけ)

To the list of those dinged by states' budgetary woes―from Illinois vendors to Wisconsin public employees―add YUSA Corp., an auto-parts supplier in the city of Washington Court House, Ohio.

YUSA received a $35,000 development grant from the state of Ohio five years ago, pledging to expand a plant and employ 816 people. It's only at 445. Recently, Ohio sent the firm a bill, demanding $15,915 back.

This was one of nearly a dozen "clawback" orders signed in two months under the state's new Republican governor, John Kasich. There will be more, says his job-creation director, Mark Kvamme: "We need every single dollar we can get our hands on."

YUSA's view: "Give me a break," says Chris Fairchild, the auto-parts firm's controller. "For crying out loud, we're doing our darnedest. While other local businesses have gone bankrupt or gone to Mexico or other states, we're right here. You'd think there would be a little respect for that."

Going after companies that built a plant but then saw the economy turn against them can fray a state's welcome mat. Mr. Fairchild of YUSA, the auto-parts company Ohio is dunning for part of a past grant, says, "Frankly, you wonder whether...they are trying to chase industry clean out of here, and beat us with a stick until we finally say, 'The heck with you.'"

Asked about that, Ohio's job-creation director, Mr. Kvamme, says the state "will continue to be pro-business [but] when companies receive tax dollars with the promise that they will create jobs, we must hold them accountable for the sake of our tax-paying businesses and citizens."

He adds that the state is simply upholding to the same standards as others in the business world: "What does their bank say if they don't make a payment? What does their mortgage company say?"

日本の報道機関はどうなってるの?

2011-04-16 11:10:29 | 新聞、雑誌から
大震災以来、原発ド素人で日本に住んでいない私でも、福島第一の状況は非常に気になる。

ネットやブログなどで、自分なりに考えて何が起きているのかを一所懸命理解している。おぼろげながらであるが、発表されているデータや状況証拠から、何が起きているかは、正しい捉えているつもりである。

テレビジャパンでNHK ニュース、と数日遅れの日経新聞、ウェブでは(なぜか)朝日新聞を情報源にしているのだが、原発については、全く理解していないか、何かを隠している感じの報道になっている。

データや状況から何が起きているかを知りたいのに、全然お話にならない。いくら、原発素人の記者が書いているといっても、1ヵ月も経てば、少しはお勉強をしてマシになっても良いのではないだろうか?(記者は皆さん、秀才だと思っていた)

極東ブログのように海外の情報を解析したり、コメントを頂いた hide さんのように経済産業省発表のデータで状況を把握したり、全くの部外者(?)でもかなりのところまで正確な想像が出来る。(実際に何が起きているのを見れるのは、ずっと先になりそうだ)

日本のジャーナリズムを憂える声が多いのは知っていたが、これってジャーナリズムというより、ただ単に考える力が無い人ばかりが報道に拘わっているということだろうか?それとも全て分かった上でバカの振りをしているのだろうか?

どちらにしろ、信用出来ないと事に間違いは無い。

ジャーナリストになりたかったこともあるので、報道関係者を仰ぎ見る感覚があった。でも今回の原発事故の報道で、日本の報道は、取材対象を全く理解することが出来ず、書いてあることも信用できない事がはっきり分かった。

これから日本で起きている事を知りたい時には、分野ごとに信頼できるブロガーなどを頼るか、文化的(感覚的)にはちょっとズレているが内容的には充実している海外の報道に頼るしかないのだろう。

Why Fukushima made me stop worrying and love nuclear power

2011-03-29 10:55:59 | 新聞、雑誌から
私を原発信者にさせたフクシマ

オリジナルは、イギリス、ガーディアンの記事(原文はこちら)であるが、産経ニュースの要約を引用しておく。

 22日付の英紙ガーディアンで環境コラムニスト、ジョージ・モンビオ氏は「なぜフクシマは私の不安を取り除き、原発を許容させたのか」と題して「原子力は想像できる範囲で最も厳しい試練に直面しているが、人類や地球への影響は小さい」と指摘している。

 モンビオ氏は地球温暖化に警鐘を鳴らしてきた環境派だ。温暖化対策のため温室効果ガスを出さない原子力を見直す動きには距離を置いてきたが、福島第1原発事故を目の当たりにして原発推進派に転じたと打ち明ける。

 「不十分な安全機能しかない老朽化したポンコツ原発を怪物のような地震と巨大津波が襲った。原発は爆発し炉心溶融を始めたが、知り得る限り誰一人として致死量の放射線を浴びていない」と語り、環境保護派は放射能汚染の被害を誇張し過ぎているとも批判する。

 モンビオ氏はまた、「エネルギーは薬と同じでどんなものでも副作用を伴う」と指摘。太陽光など、再生可能なエネルギーを促進する必要はあるものの、原発による電力供給をすべて再生可能エネルギーに置き換えることはできない。

 環境保護派は風や川の流れをエネルギーに転換する牧歌的な理想を唱えるが、水力発電は川の流れをせき止め自然環境を破壊する。 英イングランド地方では1800年に1100万トンの石炭が産出されたが、これと同じエネルギーを得ようとすれば4万4500平方キロメートル超の森を切り倒す必要があるという。

 モンビオ氏は「原発を廃止したらそれに代わるのは森でも水でも風でも太陽でもなく化石燃料だ。石炭は原発の100倍の害をまき散らす。原子力産業のウソは嫌いだが、フクシマは私を原発信者に改宗させた」と結ぶ。(ロンドン 木村正人)

引用終わり


福島原発事故をキッカケに、環境コラムニストが、原発賛成に転向するところに、ヨーロッパの人々が持つ独特の懐の深さを感じる。(これって、偏見もしくは差別?)アメリカの環境キチガイや、日本の原発反対派には、このような崇高な思想の昇華は、絶対におきそうにない。

肝心なのは、最後の文節に出てくる "I still loathe the liars who run the nuclear industry." (私は今でも原子力業界を運営している嘘つきは大嫌いである)。こういう気持を持った原発信者が増える事を祈るのみである。

Bloomberg Businessweek 3月21日号表紙 ( WSJ 3-19-11 イラスト追加、The Economist も)

2011-03-19 21:05:52 | 新聞、雑誌から
感情論は別にして、これは上手いと言わざるを得ないだろう。座布団300枚。




これも追加:WSJ 3-19-11 "Japan's Shattered Mirror"




The Economist 3月19日号:上2つを見たあとだと、今一。でも日の丸をこのように使うのは、さすが。




追記 (3-25-11):在ニューヨーク総領事館が米誌「ブルームバーグ・ビジネスウイーク」に抗議したとの事。(関連記事)ちょっと大人気ない気がする。


Unit 731

2011-03-01 04:24:29 | 新聞、雑誌から
日曜日の朝、いつもの様に Detroit Free Press をぼんやり読んでいたら、国際面のベタ記事扱いで731部隊の事が出ていた。(Detroit Free Press の記事)気にはなったが、そのままになっていた。さあ、寝ましょうと思って、2月26日号の The Economist をベットでパラパラめくっていたら、こちらにも記事が掲載されているではないか。(”Deafening silence")

森村誠一の『悪魔の飽食』は、大学2年生の時に足を骨折して入院している時に読んだ。消灯後、大部屋で、枕元のライトだけで読む本としては、抜群であった。続編も読んだと思う。(続編の名に恥じず、内容が薄くなっていたが、どうも中身も怪しく、出版中止になった挙げ句、改訂版が出されている様だ)

当時は、本の内容を鵜呑みにしたが、生きたままでの人体実験等の非道な事が本当に行われたかどうか、いろんな人がいろんな事を言っているので、今一よく分からない。

記事に出てくる Toyo Ishii (日本語の記事では、石井東洋(音訳)となっているが、写真を見る限り、どう考えても石井トヨだろう)は、今回掘り起こされる場所にあった陸軍軍医学校で看護婦として働いていて、人体見本の処理をしていたと証言している。野良犬が人骨を銜えて持って行ったとショッキングな事も言っている。(黒沢明の映画(『七人の侍』?)の冒頭シーンを彷彿とさせる)

731部隊の関係者が誰1人も東京裁判で裁かれてなかったり、戦後医学界の中枢を占めた事で、否が応にも想像力を刺激する。病死体を日本に持ち込んでいる事については、既に明らかになっているので、人骨が出てきても731部隊が一体何を(非合法、非人道的な事)やっていたかがハッキリする可能性は低いと思う。(中国は騒ぐだろうけど、国際法上は決着済み)

The Economist のサブタイトル(An investigation into wartime atrocities, but the media keeps strangely quiet)の通り、なぜか日本のマスコミは静かだ。(だから、トヨ婆さんも、東洋なんて言う哲学的な名前になっているのだろう)ググってもメジャーな新聞社の記事とかは引っかかってこない。中国メディアが伝えてるってニュースという感じになっているのが、何だか、恣意的でほほ笑ましい。

このテレビニュースも、思いっきりマイナーっぽい。(所で、Tokyo MX News って、何?)


当て逃げ論争からの卒業

2011-02-27 00:48:16 | 新聞、雑誌から
WSJ の週末版に掲載される Peggy Noonan のコラムは毎週楽しみにしておる。保守系と目されているが、バランスが取れていると思う。

さて、今朝は、"The Internet Helps Us Get Serious"というタイトルで、なぜ未だに連邦議員でさえ、財政危機という認識が出来ない人がいる事を解説した上で、もう何十年に渡りキャッチーな発言を取り上げる事の多かったマスコミを批判し、インターネットの普及で、これまで取り上げられる事が少なかったシリアスで内容のあるニュース解説やスピーチ等に、真剣に考える人々が容易にアクセス出来る様になり、キャッチフレーズ等のメッセージの手法ではなく、コンテンツで勝負する時代が来ているとしている。

彼女の体験談として、連邦議員でさえ、財政への危機感が無いというのは驚きであるが、大統領の予算教書や、民主党がやっている事を見ると、さもありなんである。「オオカミ少年」(危機が来る来ると言われているのに、未だに来ない)、「青い鳥」(明日は景気が良くなって税収アップで大丈夫)、「人としての本来の怠慢」(危機が無いと思えば、何もしなくて良し)、そして「楽観主義」で括っている。

ここ20-30年、テレビやラジオではショッキングなコメントや当意即妙な解説だけがもてはやされ、真面目な政治討議は、死に絶えてきている。しかし、編集されたものでは無く、内容全体をインターネットでじっくりと読めたり、観たり、聞けたり出来る様になってきている。政治分野でインターネットの活用と言うと、ファイスブックやツイッターを思い浮かべる人も多いと思うが、細切れでは無く、内容そのものを得れる様になってきている。政治家の考え方、議論の為の情報等、じっくり考える為の材料が提供されているとしている。

この例の1つとして、昨年の中間選挙で、ウインスコンシン州の民主党現職の連邦上院議員を破って当選した Ron Johnson をあげている。彼は成功した実業家であり、立候補する事については考えていたようであるが、2月のリンカーンメモリアルの夕食会(多分、ローカルなイベントだと思われる)で行った、自分の体験に基づくアメリカの現状への危機を訴えるスピーチが、ローカルラジオの政治トークショーで紹介(スピーチ内容全部をホストが朗読した)され、その反応が大きかった為に、立候補を決意して、結果的に当選した。

ラジオ放送は、4月30日。僅か6ヶ月で、期連続当選の現職議員を破っている。

ラジオの紹介記事(音源はこちら

このラジオでの放送を使った中間選挙用のビデオ



ローカルの政治トークショーが発信源である事が素晴らしい。(日本でもラジオ政治トークショーが出来ないものだろうか)

バラマキ予算、薄っぺらな人権問題、いい加減な環境問題の話ではなく、特に財政危機について、普通に暮らしている人々は、自分の子供や孫の世代の事を真剣に考えているのである。シリアスな内容の議論に聞く耳を持っているのである。アメリカでは、昨年の中間選挙の結果、共和党の大勝利が、それを証明している。

日本でも同じ様な事が起きてもよいと思うは、私の高望みなのであろうか?

自分でブログを書く様になって、他のブログをよく読む様になったのだが、野次馬的にわあわあ言っているだけである。(こちらあちらで、いい加減な事を書いてあるのに噛み付く自分も恥ずかしい)勿論、自分自身も同類な訳なで、お恥ずかしい次第であるが、折角、政治の事も書くのであるから、もう少し建設的になろうと思う。少しづつそのような構想を練っていたのだが、このコラムで後押しされた気がする。

誇大妄想の気があるだけに、Unrealistic ではあるのだが、これこそが今年、そして人生の目標である事を再認識した次第である。

羽柴秀吉当確

2011-02-23 09:43:48 | 新聞、雑誌から
先日、虚構新聞を紹介したのだが、事実は小説より奇なり(本当のニュースは、虚構ニュースより奇なりか?)で、4月に行われる北海道夕張市の市長選で、『羽柴秀吉当確』だそうだ。

政策的には、天然ガス開発や砂金採掘、そして究極の政策は「石炭の露天掘り」、市が抱える300億円以上の借金も「早ければ4年、遅くても7年で財政破綻から脱出してみせる」と自信満々との事。

結果はどうなるか分からないが、借金が倍になる可能性があっても、やってみる価値はあると思う。もし、真面目にこの政策を批判するのであれば、返す刀で真面目に今話題になっている日本の予算も批判してもらいたいものである。

でも、この人、何だかインチキ臭い。経営する旅館が古くなると火事になるという噂も有るらしい。夕張も石炭の上にあるので、いざとなったら丸焼け、保険金で復活と言うシナリオもありそうだ。

月刊誌「文芸春秋」3月号

2011-02-21 02:19:39 | 新聞、雑誌から
芥川賞を受賞した朝吹真理子の小説『きことわ』と西村賢太の『苦役列車』が転載された事で、5万部の増刷となり、80万部に達したらしい。芥川賞には元々余り興味が無く、1998年の受賞作、花村萬月の『ゲルマニウムの夜』をわざわざ購入して、益々、芥川賞に縁遠くなった。(今回も読んでいない)

まだ読み切っていないのだが、興味を引く記事は2つで、海部俊樹の「政治家 小沢一郎に生前葬を」と新連載「時代を創った女」。

先ずは、海部俊樹の「政治家 小沢一郎に生前葬を」。海部や前任の宇野あたりから日本の総理大臣の劣化が著しくなった事を改めて思う。海部も、金まみれの自分の経験をちょっとだけ正直に語ったりして、小沢に退陣を勧めているが、もし、呼び掛けるとしたら、「政治家を引退し、田中角栄時代から知っている事を全部喋って、金権政治の生き証人、語り部となれ」が、正しいアドバイスだろう。

小沢の年を考えると、今更首相になって何かやるより、知っている事を洗いざらい全部喋った方が、よっぽど日本の将来のためになるのは間違いない。黙って死なれては困るのである。

最近「文芸春秋」は、時代遅れと言われているらしい。いまどき、昭和天皇、戦後、田中角栄、小沢じゃないだろうという批判は的確である。新連載「時代を創った女」で、やっと昭和後半、平成に突入という事だろうか。それでも尚、政治ではなく芸能、懐古的趣味的という所が、日本を映し出す鏡である代表的な月刊誌として面目躍如であろう。

そんな事は基本的にどうでも良い。個人的に昭和史が好きなので、文芸春秋の立ち位置は心地良いし、ユーミンという題材は、興味津々である。ユーミンの時代性と普遍性については、ここで自分なりの考察しているのだが、ライターである柳澤 健も、同世代だけによく分かっているとお見受けした。(この人の本一冊も読んだ事ないが、ちょっと気になる)

作曲家としてのユーミンのターニングポイントは、やはり「赤いスイトピー」を松田聖子に呉田軽穂として提供した事であろう。寅年早生まれの松田聖子は、丑年の私と同級であり、「裸足の季節」でのデビュー前に、深夜放送「ザ・パンチ・パンチ・パンチ」でパンチガールの1人としてやっていた事から気になっていたので、アイドルからの脱皮となったこの曲にはビックリして、ファンになった。

『名曲「赤いスイトピー」は、松田聖子の客層をガラリと変えてしまった。ハイトーン・ヴォイスの快感を求める若い男性ファンは去った。代わりにやってきたのは、かつて松田聖子を「(可愛い)ぶりっ子」と嫌っていた女性ファンだ。』とあるのだが、私も代わりにやってきた男性ファンの1人であった。但し、武道館の「ロックンルージュ」コンサートを観に行ったものとしては、ハイトーン・ヴォイスの快感を求める若い男性ファン(というかチバラギ暴走族風のお兄さん達)は3階席に一杯いた。(後に知るのだが、作詞が松本隆で、彼がユーミンを指名している所が、凄い。やはり、日本のポップスは、「はっぴいえんど」抜きでは語れない様だ)

で、ユーミンに戻ると、立川基地でたっぷりとアメリカンポップの洗礼を受け、クラシック、教会音楽のベースがあるのが凄い。呉服屋のお嬢でもあり、「ひこうき雲」から既に貧乏くささが全くなかった。(四畳半フォークの名付け親は、ユーミンというのにも作詞家としての才能を感じる)元々、作曲家指向で、歌が下手だと分かっていたのも素晴らしい。自分のコンサートを学芸会の様にしたいと考えて、際限なくなっていた様だ。

私の一番好きな曲は「Destiny」なのだが、コンサートで最も人気の高い曲だとの事。松本隆が、「ヤバい」と感じる「平安時代から百年後にも存在する普遍的」な間の悪さを掬い上げている事を絶賛している。

今後、「時代を創った女」で誰が取り上げられるのだろうか?私にとって、ユーミン以外では、松田聖子くらいしか思い浮かばないのであるが、楽しみなシリーズである。(隔月掲載との事)

天然ウナギの卵発見 世界初!?

2011-02-05 04:48:54 | 新聞、雑誌から
このブログに度々コメントを頂いたり、アメリカ出張時にわざわざデトロイトの立ち寄ってもらったりしている "Drなかがわ" こと中川先生は、耳鼻科医として、日本では大御所である。(との認識で間違いないですか?中川先生)NHK の人気番組『ためしてガッテン』に出演されたり、『「耳の不調」が脳までダメにする』を出版されたりして、ご活躍されている。(下のブックマークにもありますが、先生のブログはこちら

有る方の紹介で、初めて御会いしたのは十数年前のシカゴだったのだが、奇遇にも高校の同窓で、お互いにビックリしたものである。

どうして、耳鼻科の大御所中川先生が、『天然ウナギの卵発見 世界初』で出てくるかというと、出会った当時(十数年前)既に、マリアナ諸島で、天然のニホンウナギが産卵している事を、中川先生からお伺いしていたからだ。

中川先生は、耳鼻科のお医者さんとして忙しい傍ら、ニホンウナギの研究でも学会をリードしている、という事ではなく、故郷宇和島の幼なじみからの情報を、四方山話のひとつとしてされただけだった。

先生の友人で漁師がいて、マリアナ諸島のとある湾で、ウナギが産卵している事を知っているとの話であった。そこでの産卵の様子(量?)で、何年後かの日本の河口でのウナギ稚魚の収穫がわかるそうだ。今更ながら、東京大大気海洋研究所と水産総合研究センターのチームが、大発見をする訳であるが、宇和島辺りの漁師さん(その漁師さんだけ?)は昔から知っていたらしい。マリアナ諸島あたりまでは、ちょっと足を延ばしてと言う感覚らしい。(マリアナ諸島だけでなく、ちょっくらフィリピンとかにも遊びに行くそうだ)

ウナギは未だに謎の多い生物らしい。私の故郷の川(肱川)の下流にダムが出来たのに、ウナギが捕れていた事を書いたことがあるが、ウナギは雪隠詰めになっても繁殖する事もあり、又、陸を歩いたり、岩(ダム?)を上ったりする事もあるらしいので、半信半疑ながら、何と無く納得(!?)

さて、中川先生が、昨年6月に、デトロイトに立ち寄って頂いた時にいろいろなお土産をいただいたのだが、やっと最近「桃屋の辛そうで辛くない少し辛いラー油」を頂きました。これ美味しい。旬を過ぎてからなので、冷静に食べているのだが、日本では今でも品不足が続いているのだろうか?(申し訳ないのだが、頂いた本はまだ読んでいない)