ヤンマ探索記

トンボの観察記録です。

タイトルはヤンマですが、トンボなら何でも撮ります。
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カトリヤンマ 生態写真集・成熟過程および個体差の検証

2021-02-26 | ●カトリヤンマ生態写真集

カトリヤンマ 生態写真集・成熟過程および♀の個体差の検証編(2013~20) 編集2021.2

成熟に至る過程における複眼と腹部斑紋の色の変化に着目し、♀は成熟時の個体差についても写真上で比較した

♂成熟  暗い所で休止するので殆どストロボ撮影になるが、大きめの複眼と腹部第2節の水色がストロボ光に映える

暑い日、探雌行動を休止してぶら下がった♂

2020.9.8 栃木県

♂の特徴である第2節の水色部分を除いて腹部背面の斑紋は黄緑色である

2016.8.31 栃木県

腹部第2節下部からくびれた3節の側面は綺麗な水色 

2020.9.8 栃木県

探雌行動を始める頃

2013.8.15 栃木県

自然光での撮影機会は稀である

2017.8.27 栃木県

探雌飛翔後、高さ1mもない低木の枝に静止 日光を浴びて湿地で♀を待つ終盤の個体

2015.10.22 埼玉県

♂の成熟過程  複眼と胸部、腹部の色の変化、一時期出現する腹部第3節背面の水色の斑紋を検証する

複眼、胸部、腹部が色づく前の未成熟個体 胸部から腹部第3節前半に至る側面は淡褐色および白色


雨中の林で成熟を待つ♂ 7月下旬の同じ日の撮影でも成熟度合は多様である


複眼が透明になり始め腹部背面の斑紋が明瞭に 2節から8節各中間の髭状の斑紋は黄緑色、各節の点状の斑紋は白色に近い 


腹部2、3節側面についても水色になる前で白色に近い


複眼が色づく頃、腹部第2節背面後部の斑紋が水色になり、ほぼ同時に3節後部の点状の斑紋も水色になる

2017.7.29 栃木県


2016.7.24 栃木県

腹部第2、3節側面が水色になり、3節背面後部の斑紋も水色の段階 8月下旬の撮影

2017.8.27 栃木県

以上のとおり、第2節後部の水色の斑紋が明確になる時期に、3節後部の点状の斑紋も一時的に水色になる
3節以下の点状の斑紋で水色になるのは3節のみで、他はほぼ白色の状態から黄緑色に変色するようである

ほぼ成熟し腹部各節背面の斑紋が黄緑色に変色する過程 3節後部の点状の斑紋は水色のまま

2016.7.24 栃木県

改めて成熟♂ 胸部と腹部2節後部の斑紋以外、背面に水色部分は見られない 

2019.8.11 栃木県


2016.8.31 栃木県

寄合う未成熟  7月中は♂♀問わず寄合って休止る光景を目撃する 好条件の所に集まってくる結果と思われる

7月上旬 未成熟3♂


未成熟2♂

2018.7.9 栃木県

7月下旬 成熟度合が異なる2♀

2016.7.24 栃木県

生殖活動前の成熟♂と未成熟♀(右)

2017.7.29 栃木県

♀の成熟過程  複眼と胸部、腹部の色は♂と同様に変化 一時期、腹部第2、3節背面の斑紋と側面が水色になる

複眼、胸部、腹部が色づく前 胸部から腹部3節側面の淡褐色部分および腹部背面の斑紋は成熟すると黄緑色

2016.7.24 栃木県


2017.7.29 栃木県

腹部2節から7節の各中間にある髭状の斑紋が黄緑色になりつつある段階 各節後部の点状の斑紋はほぼ白色


複眼の透明度が増す頃、腹部2節後部の点状の斑紋が水色になる 3節以下はほぼ白色に見える 


複眼が色づき始め、3節後部の点状の斑紋も水色になる 明瞭ではないが、比較すると4節以下とは異なる

2014.7.29 栃木県

腹部側面は2節が水色になり、続いて3節も黄褐色から一部が水色になる 4節以下は黄褐色

2015.7.25 栃木県

成熟間近 2、3節背面の後部の点状の斑紋が水色で4節以下の同斑紋はほぼ白色


2、3節側面にも水色部分が認められる

2016.7.24 栃木県

以上の♀はすべて7月下旬の撮影 腹部第2、3節の背面後部の点状の斑紋と側面が水色の時期があることがわかる
いずれも成熟時は黄緑色か黄色になる 背面の斑紋については、♂の第3節の変色と同様の現象である

ほぼ成熟し腹部の水色の斑紋が黄緑色になる過程 9月初旬の撮影で尾毛が折れていない個体



2014.9.4 栃木県

以下は成熟♀ 腹部背面、側面に水色の斑紋は見られない



2017.8.27 栃木県

腹部斑紋の黄色みが強い個体

2016.8.31 栃木県

成熟♀の複眼の色  ♂の複眼の色に個体差はないが、♀の複眼は青みをおびたものから黄緑、緑、オリーブ色等多様である

♂とほぼ同色の青みをおびた複眼の♀ 腹部背面の斑紋は♂に比べ総じて黄色みが強い 

2020.9.8 栃木県


2018.10.6 埼玉県

青みをおびた複眼 ♂と比較すると黄色の部分が目立つ 

2017.8.27 栃木県

青みのある複眼を別角度で比較 青色部分は限られる





2016.10.20 埼玉県

青みをおびた複眼の♀に着目しがちであるが、珍しい存在でなく普通に見られる 以下、多様な色の複眼の♀を並べた

複眼が明るい黄緑色の♀ 青色部分は認められない

2017.8.27 栃木県


2017.10.4 埼玉県

複眼が黄色みの強い個体 腹部斑紋も黄色が目立つ

2016.10.7 埼玉県

複眼の緑色が強い個体

2016.7.24 栃木県


2016.10.14 埼玉県

複眼がオリーブ色の個体 以下の撮影時期はすべて10月であるが、老熟との関連性は不明

2020.10.24 埼玉県


2017.10.18 埼玉県


2018.10.6 埼玉県

複眼の一部が角度によって褐色に見える個体

2016.10.14 埼玉県

複眼、胸部が褐色の個体

2019.10.16 埼玉県

水色の部位が残る成熟♀  成熟後においても腹部第3節側面が水色の個体が稀に見られる

改めて成熟前の♀ 既述したとおり腹部2、3節の背面と側面に水色部分が見られる時期の個体

2016.7.24 栃木県

成熟時、2、3節側面が♂同様に水色の♀の存在を検証し、3節に水色が残る個体を確認した 2節は黄緑色である
背面に水色部分は見られず、複眼の色との関連性はない 以下、通常の個体との差異を産卵休止の写真で比較した

通常の個体 老熟♀の側面 胸部から腹部3節前半まで黄緑色

2020.10.24 埼玉県

通常の個体 一般的な♀の側面 同上

2018.10.16 埼玉県

腹部3節が水色の個体 拡大すると2節との差異が分かる 



2018.10.8 千葉県

比較対象として思いうかぶのはギンヤンマの♂型の♀であるが、こちらは2節も水色である 

参考 <ギンヤンマ>♂型♀ 2、3節が水色

2018.8.10 埼玉県

8年間に亘って撮影した産卵写真のなかで、3節側面が水色の個体は1例のみであった 稀な存在と思われる

3節側面前半が水色の♀の産卵

2018・10.6 埼玉県


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