無知の知

ほたるぶくろの日記

第4の治療法

2017-05-04 16:30:26 | 生命科学

大分前に発表され、何度か記事にしようとおもいつつ今になってしまいました。

昨年12月25日朝日新聞に掲載された記事です。以下転載します。

「第4のがん治療法「免疫」、学会推奨は6種類 指針作成

熊井洋美

手術、抗がん剤、放射線に次ぐ第4の治療法ともいわれる「がん免疫療法」の指針を、日本臨床腫瘍(しゅよう)学会がまとめた。主要な18種類のがんのうち、現時点で「推奨される」免疫療法があるのは肺がんや血液がん、腎細胞がんなど6種類としている。
 同学会は、がん治療の専門医らでつくる。オプジーボなど「免疫チェックポイント阻害剤」という新しいタイプの薬が登場したことを受け、免疫療法を適正に実施するために指針を作成。国内外の論文などをもとにした。
 指針では、血液がんの一部、肺がんの一部、頭頸部(とうけいぶ)がん、腎細胞がん、皮膚がんの一部の計5種類のがんで同阻害剤を勧めている。内訳は、オプジーボが5種類すべて、キイトルーダが肺がんの一部と皮膚がんの一部、ヤーボイが皮膚がんの一部。
 膀胱(ぼうこう)がんの一部では、結核菌の毒性を弱めたBCGを膀胱内に注入する治療が「推奨される」とした。
 この6種類での免疫療法は、いずれも薬が国の承認済みか承認申請中となっている。
 一方、食道がんや胃がん、大腸がん、肝がん、乳がんなど12種類については「推奨される免疫療法はない」と明記した。ただ、新たな研究結果が出れば、指針を見直すという。 (以下 省略)」

とうとう免疫治療が学会で正式に推奨されるところまで来ました。やはりTreg細胞の発見が決定的であったと言わざるをえません。ただし、オプジーボでの副作用はアレルギーや自己免疫疾患を悪化させるものであるため、使い方は慎重であるべきです。

しかしながら、免疫系がこんなにもがんの病状に深くかかわっていることが広く認められたことは喜ぶべきことです。今後もますますこの領域の研究が深まり、副作用のメカニズムが明らかにされることを願っています。

この場合の副作用=自己免疫疾患の発症メカニズムでもあります。このことは大変に大きいことです。殆どの難病が自己免疫疾患であることを考えると、この意義の深さを分かって頂けると思います。

心を癒すことががん治療の一環でもあることが半分は証明されたことにもなります。楽しむこと。リラックスすることは確実にがんの発症、進展を抑制します。