無知の知

ほたるぶくろの日記

がん治療について

2013-02-02 15:05:55 | 生命科学
最近がんの治療に関していろいろ調べ、考えています。臨床は理論だけではなく、臨床医の経験と実績とをもって患者さんを助ける仕事です。とくにがんの診療は常に患者さんの臨終を左右する重い仕事です。研究室で細胞や動物を相手にしている研究者とは全く違う仕事をされています。患者さんの命を背負って仕事をされていることを思うとき、安易で軽い議論は厳に慎まなくてはならないと考えています。
しかし、臨床家にもいろいろな方がおられますし、なによりも臨床家の世界は組織(主に学閥と診療科、医局など)が堅固です。治療の仕方などでの縛りがあると聞いています。がん治療に関しても様々な方針があり、最近はとくに外科対腫瘍内科の意見の食い違いなどがあります。
 
私は事情があって最近のがん治療がどのようになっているのか、抗がん剤治療はどのくらい功を奏しているのか昨年の秋頃から調べていました。また、立ち上げられて久しい免疫治療がどの程度のものであるのかも知りたいと思いました。今回は論文を調べるよりもそれぞれの医療機関でどのような治療をしているのか、主にHP、各種ブログを参考にしました。そうする中で私自身や家族に受けさせたいと思うがんの治療をされている先生をみつけました。左のブックマークに新しく加えさせて頂きましたのでご興味のある方はご覧ください。
こちらの臨床医の方は一部のがんを除いて、いわゆる『抗がん剤の標準治療』をされません。今までにも書きましたが抗がん剤の標準治療で根治する血液系のがん、乳がんの術後化学療法の有効性は疑う余地はありません。こちらの先生も行うべきだとおっしゃっています。最近は吐き気を止める薬や骨髄抑制を抑える薬も出てきていますし、副作用に関してのケアも進んできています。しかし、その他のがんに関して現在行われている『標準治療』は納得のいかないものであるとされています。
 
現在の標準治療はエビデンスに基づいた治療(EBM)が公的に進められているものですがどなたも満足されていませんし、最良であると本当に考えている方はいないと思います。個々のがんの性質はかなり異なるものですし、そのがんを患っておられる患者さんの状況もまた異なっています。そのなかでおひとりおひとりに見合った薬剤の量をがんの状況を見ながら処方していくというきめの細かい治療をしていかなくてはなりません。それは現在の医療機関の現状からして不可能なのでしょう。
もう一つの要因はおそらく臨床研究が追いついていないということだと思います。抗がん剤を多く使えば使うほどがんへの効果が高い、という固定観念があるようです。しかし、免疫治療をされている方からすると、それは暴論です。がんに対して個体の免疫力がどの程度重要であるのか、についてもきちんとした評価はないように思います。それにも拘らず化学療法の中心にいらっしゃる方達は免疫に関しては全くその効果を認めていません。
 
ともかくそのような状況に風穴を開けるべく奮闘されている臨床家がいらっしゃることに心が明るくなります。その方はがんに対し、低用量の抗がん剤と廉価で効果のあるBRM(主に免疫力、体力強化のため)を併用しながら治療を行っているようです。その方の治療の詳細や考え方については私がいろいろ書いて誤解を招くよりも左のブックマークからその方のHPをご覧になる方がよいでしょう。私が今一番信頼できるがんの臨床医の方だ、とだけ書いておきたいと思います。

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