無知の知

ほたるぶくろの日記

COVID-19について - 最近の知見1

2020-05-05 22:13:24 | 生命科学
やっと土曜日から連休に突入しています。
のんびりしよう、と手ぐすね引いていたのですが、なんだかいろいろやることがあって、PCに張り付く毎日です。

以前から気になっていたファイルの整理とか、あれやらこれやら。テレワークで自宅のPCを使う機会が増えたため、いろいろ気になり始めてしまって。。。
そのうちに、そのうちに、、、と言っては先延ばしにしてきたことを次から次へとやっています。

今日の午前中にそれも一区切りついたので、やっとCOVID-19についての情報のまとめに取り掛かりました。


氏神さまの白い皐月が咲き始めました。もう5月ですからね。

このところNature、その他科学雑誌にのCOVID-19関連の興味深い論文がいろいろ出されています。こちらは臨床研究ではなく、基礎研究なので、治療に直結するものではないのですが、敵を知る上で重要なデータです。

ざっくりとまとめた記事が出ないものか、と思っていましたら、さすがはNatureさん。まとめ記事が出ました。
この内容は以下、「SARS-CoV2についての最近の情報と問題点」に織り交ぜて紹介したいと思います。
が、もしかすると、今日は力尽きて明日になるかもしれません。悪しからずご了承いただきたい。


さて、この今回の新型コロナウイルスは非常に厄介なウイルスです。
コロナウイルスはとてもありふれたウイルスで、普通にかかる風邪の原因ウイルスとしてつとに有名。
それがいきなりSARSやMERSといった重症な肺炎を起こす致死性の高いウイルスになったことはかなりショックなことでした。

2度あることは3度ある、と皆思っていたのです。ただ、当初武漢で流行り始めた際、上記2つのウイルスほど致死性は高くないようでしたので、油断していました。

SARS、MERSほど致死性は高くない。
それは確か。
しかし強い伝染性と相まって、社会に大混乱を巻き起こしました。もしももっと致死性が高ければ、伝染する前に感染者は死亡し、ウイルスはこれほど拡がらなかったでしょう。

弱い致死性がウイルスの伝播を助けた。
不謹慎な言い方ですが、そうとしか言いようがありません。

そして感染者の症状についても、理解に苦しむような転帰が報告され、未知の感染症の恐ろしさを現代の我々は感じるようになりました。

思えばこの約数十年、自然は我々に優しかった。新たな病原性微生物に出会うことがなかったため、我々は全ての感染症を制覇した、と勝手に思いこみぬくぬくとしてきました。いや、それなりに新たな微生物は出てきていたのですが、これまでの概念をやりくりして、なんとか理解が可能であった、というのが正しいところかもしれません。

SARS-CoV-2はそんな我々に鉄槌を下すべくやってきたようです。

さて、現状、かのウイルス、並びにその感染症について明らかになっていること、不明なことをざっと書き出してみたいと思います。

1)SARS-CoV2ウイルスそのものの問題
武漢ウイルス研究所から漏れ出したなどの仮説。米国で未だに検証など進行中。
人工ウイルス説は否定された。
ウイルスゲノムの変異は激しく、感染研にもウイルスの系統図が示されています。

今日本で広がっているのは欧州型、と言っても良いようです。
変異によって病態が異なるのかどうかはまだなんとも言えません。拙速な議論は禁物です。

2)感染者検査の問題
検体採取問題 今は鼻粘膜で決着。最近のデータでは唾液も候補。
PCR検査の問題 単なるPCRではない。RNA抽出→逆転写反応→PCR
血液による、抗体検査 精度(感度、特異度)に大いに問題あり。現状良いものはない、との結果がScience誌に掲載。ごく最近ROCHEが発売開始したものはかなり良い、との話がある。米国で採用され、5月中には日本でも許可を取得する、とのこと。

これをどう使うか。これが問題。(議論の詳細は明日にでも改めて)

3)COVID-19の病態
肺炎、髄膜炎、心筋炎、
サイトカインストーム(ごく稀)、免疫系への影響について

抗体のでき方に何か不審な点があります。
抗体(特にIgG)が沢山できている=感染に強い(免疫ができた)とはならない可能性があるのです。
これがなぜ、どのように起こるのか、は全く不明。

その鍵になるかもしれない論文が最近提出されました。
(詳細は明日に)

ワクチンはどうなるのか?いつできるのか?
(これが大問題。これも詳細は明日に)

4)COVID-19に効果する食品?
一般的に健康によろしい食品が取り上げられていますが、、、
こちらのサイトで確かめていただきますと、良いかもしれません。

食品であれば特に害のないものですが、バランスを欠きますとやはり健康的とは言えなくなります。
十分にお気をつけください。

5)治療薬について
まだ、治験が完全に終わった製剤はひとつもありません。
臨床家は注意しつつ、自身の経験とも照らし合わせ、使用することもできるでしょう。
しかし、素人の方は手を出すべきではない。何が起きても保証の限りではありません。

実際、報道で名前のあがっているいくつかの製剤もかなりの副作用が見出されているようです。対応可能な状況で使いませんと危険です。
(続く)