2人の女と夜の洋品店

2007年10月09日 09時47分21秒 | ホラーのかけら
我が家の近くに、
営業時間が18時から23時という洋品店がある。

元中華料理店だった場所に、
店構えはそのままで、
内装だけ変えてオープンしたのだ。

オープン日を過ぎても、
店をやっている気配がないので、
不思議に思っていたのだが、
ある日、店頭に貼られたチラシをよく見て、
その店が、
夜しかやっていない奇妙な店であることがわかった。

それから何度か店が開いている時間に、
その前を通った。

客を見かけたことはない。
そりゃそうだ。
繁華街ならいざ知らず、
住宅街へと続く商店街の、しかも脇道にある店だ。
そんな夜遅くに服を買いに来る客はいない。

中を見ると、
店の者と思しき2人の女性が、
いつも退屈そうに座っている。

天井から吊るされるようにディスプレイされた、
華やかな服に囲まれて、
ほの暗い明かりの中、
2人の女性が座っている姿は、
窓越しに見ても、
なにか心をひきつけるものがある。

それにしても、
あの店はどうやって成立しているのだろう。

彼女たちは何者なんだろう。