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日本は世界第5位の農業大国

2010-02-27 22:33:53 | 農業
日本の農業は弱体で、手厚く保護しないと壊滅してしまう。
日本の食糧自給率が国際的にも極めて低く、国際紛争にでも巻き込まれたらすぐに国民は飢えて死んでしまう。

などと言うのは嘘っぱちで、農水省と、ぶら下がっている零細農家のためのバラマキ行政を維持するためのプロパガンダに過ぎず、生産額ベースで見れば、日本は世界第5位の世界に誇れる農業大国なのだ、

というのが本書の主張です。

実際に日本の農業を支えているのは零細農家ではなくて、規模も大きく、経営手腕、技術を持った先進農家であって、日本の零細保護中心の政策はむしろ競争を制限し、補助金に頼らない、日本の農業生産を中心になって支えているそうした先進農家の成長を阻害している、とも説明されています。

日本は世界5位の農業大国 大嘘だらけの食料自給率 (講談社+α新書)
浅川 芳裕
講談社

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農協が諸悪の根源だ、みたいな言い方は良くされるんですが、本書は、農水省の政策を徹底的に批判してまして、そもそも、食糧自給率な世界中で日本だけが問題にしている数字で、全く意味がないってな具合で。自給率がカロリーベースになっていて、カロリーベースではなくて生産額で考えると、日本の農業は世界水準で発達しているということなんですな。

そもそも、米や小麦やイモなんかの、カロリーが高い作物を作るより、いちごのような果物や野菜、高付加価値の作物を作る方がもうかるんで、日本の農家はそっちを作っているだけ。農業が弱体なわけじゃない。生産性も高い。

国際価格が安くて、国内での生産が維持できない作物は、輸入すりゃ良いじゃん、とまでは書いてませんが、零細を補助金で保護してマーケットをゆがめるよりは、先進農家の成長を支えるような政策をとった方が、はるかに安上がりで、効果が高いとかで、それは米だってそうなんですな。それに食糧安全保障の問題も、米を自作することじゃなくて、諸外国との関係をしっかり維持していくことだろう、と、いうことなんですな。

これは著者の意見というよりは、英国の政策を引用しています。英国は、先進国において食糧安全保障を推し進めることと国内産を重視することは関係ない、とわざわざ説明する文章を作ってるんだそうで。

農水省不要論(ないしは有害論)に近く、

90年代に米が不足して、米の緊急輸入した時は、あえて細長のタイ米を輸入して輸入米のイメージを悪化させたこと(海外でも安くてうまい日本米はいくらでも輸入できるのにわざとしなかった)、

バターの輸入も独立行政法人に独占させて、輸入価格を引き上げ、その差額を農業発展に使うならまだいいが、4割ほどがその法人の人件費、つまり天下りの人件費に消えているみたいな例がバシバシでていて、単なる有害な利権集団として描かれています。

バターの追加輸入の実施について

多分、今の零細保護政策を止めて農水省の利権取り上げてを国民に還元すれば、我々が口にする食べ物はかなり安くなるでしょうな。

ブランド米の値段は高いままでしょうが、輸入した安い米も出回るでしょう。バターは安くなり、加工食品も輸入原料が安くなる分、今よりかなり安くなる。つまり、高いものは高いが、安いものがずっと安くなって、貧乏暮らしでもそれなりに、という感じ。

本書の言うように日本の加工食品が安くなれば輸出の道も開け、加工食品の生産が拡大し、日本に雇用も生まれる。

農水省は貧乏人の敵、とも言えますかね。

官から民へ、とか言う割に、民主党がここに切り込むとは思えまないんですが、


構造改革、一体どこに行ったんでしょうか。



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お前ら、税金使ってナニやってるの、って感じですかね。


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