会計スキル・USCPA

会計はビジネスの共通語。一緒に勉強しましょ。

アルマゲドン 米国企業破綻情勢 ロンドンエコノミスト

2008-04-04 07:27:49 | ロンドンエコノミスト
日本の政治家、官僚を徹底的にクサしたロンドンエコノミスト。米国の企業破綻Bankruptcies in Americaの現状についてです。

ロンドンエコノミストは米国経済に一貫して厳しい見方をしてまして、あんまり大したことないんじゃないか、という楽観論が支配していたころからビシっと書いてます。金融の混乱が実体経済への影響もしっかりフォローしていて抜かりがありません。

地獄の門 ロンドンエコノミスト

で、その続報というわけではないんですが、アルマゲドンが近いというわけですな。

そう言えば昔、ハルマゲ丼なんてありましたっけ。週末なら楽しいですが、世界の終末、英語でアルマゲドン。映画の話じゃありません。相変わらず深刻な書きっぷりです。


Waiting for Armageddon  Mar 27th 2008 | NEW YORK

簡単に要約すれば、倒産がもっともっと増える、ということですね。

①地獄の門でも指摘されていたことですが、つまりジャンクボンドの金利と国債金利とのスプレッドが上がっていて、信用状態の悪い会社の調達コストがかなり上がっている。
A year ago, the spread was only about 280 basis points; the long-term average is around 500 points. This month the spread exceeded 800 points for the first time since March 2003, reaching 862 on March 17th.

②ジャンクの倒産確率はこの1年で1.28%に過ぎないが今年は5.4%まで上がる予測がある。でもそんなもんじゃすまない。楽観的過ぎる。経済が悪化すればもっと悪くなる。

On March 19th this was forecasting a default rate on high-yielding American corporate bonds of 8.55% by the end of February 2009, compared with Moody's forecast for American bonds of 6.8% for that date.
なんて予想もある。

③ジャンクの金利が上がっているのは金融マーケットが荒れているからで、実態の支払い不能率より高すぎるというハナシもあるが,ホンマか。実態もひどいだろ。

まあこの辺は記事があいまいなのか、私の英語力が及ばないのか、今ひとつはっきりしないんですが、文脈からして、ジャンクの金利が上がっていて実態もそれに近づく、つまりジャンクの金利があがっているのは実態経済の先行指標だ、あるいは倒産率という統計よりも足元の実態をより反映しているという考え方で記事ができているんじゃないですかね。金利があがって調達が苦しい,という観点では書かれていないんですな。

④デフォルト率増えてくるとChapter11の05年改正の影響が本格化する。再建期間が短縮されたり、経営者への報酬が制限されたり、とより債務側に厳しくなっていて、chapter11を申請するのを躊躇したり、申請を遅らせたりする会社が増える。

⑤デリバティブ取引や信用に連動して発行される証券も破綻事案をややこしくする

⑥特にヘッジファンドがくせもので、彼らは企業の再生よりも自分のファンドの利益を優先するので、債権者として会社の清算に一票を投じる可能性が普通の債権者より高い。

ってな具合で、今後、企業倒産が増える見込みをいろいろな角度から指摘しています。

経済がひどく、法律は厳しくなり、金融は機能不全かつ複雑化して・・。

収拾つかず再生可能性が低くなって破綻する企業が量産される、ってとこでしょうか。

地獄の門をくぐってアルマゲドンに。

次はなんじゃい。





最新の画像もっと見る

コメントを投稿