グルの新著では、日本企業に対する提言も行っているんですな。
そのうちの一つ、新興国マーケットへの真剣な取り組みについてなんですが、
エコノミスト誌がレポートしてくれてます。
The new frontier for corporate Japan
IT IS the “new frontier”, says Japan’s trade ministry. Japanese firms have at last noticed that emerging markets are growing much faster than rich ones. And though they were late to the dance, they have brought some nifty moves.
日本企業がようやく、新興マーケットが先進国マーケットより早く成長していることに気がついた。
Profits at Japan’s 559 major listed companies surged by 46% in the most recent quarter, to \3.8 trillion ($44 billion), according to Nikkei, a financial-information provider. That is a fourfold increase from a year ago, and largely due to soaring sales in emerging markets.
日経によると、主要な上場559社の利益が足元の四半期で48%向上。去年の4倍増。新興マーケットからの増収が大きい。
Its traditional wares are ill-suited for the new frontier. Many are costly, complex and easily undercut by simpler gadgets from South Korea, Taiwan and China. Japanese firms have long used poor countries merely as production bases and then shipped their products to rich ones. That model no longer works.
従来の日本製品は新興マーケットには適しておらず、多くは値段が高く複雑で、韓国や台湾、中国企業は、機能をシンプルにすることで簡単により安いものを出せた。日本企業は貧しい国を単に製造場所としかとらえておらず、そこから金持ち国に輸出していた。
このモデルはもはや機能しない。
というわけで、この記事では、この10年で欧米マーケット以外の新興国で日本企業が売上を伸ばしてきたこと、そのための工夫を行っていること、たとえば、現地仕様の製品を現地のデザイナーにデザインさせるとか、について紹介しています。
久々に、日本に前向きな動きのレポートですなあ。
ただ、ちょいと気になる点は、次の部分でして、
Another difficulty is managing a global workforce. Labour unrest forced Toyota and Honda to suspend operations in China this summer. At home workers are so docile that Japanese managers are often unprepared for such spats. So Japanese firms are rushing to hire foreign talent. Relatively low pay for bosses and a lack of English-speaking staff make this hard, but some firms are making progress. Of the 1,390 new graduates Panasonic plans to hire next year, only 290 are Japanese.
現地での労働管理の問題です。トヨタやホンダで、中国の労働争議が原因で工場の操業が止まった。日本の労働者はもともと従順なので、こういう争いに日本企業は慣れていない。現地トップへの報酬が低いことや、英語能力の低いスタッフが問題解決を難しくしている。しかし、いくつかの企業は解決にむけて進んでいて、パナソニックでは来年の採用1390人のうち日本人は290人だけにした。
まあ、去年どんだけ採ったのかが、よくわからないんですが、日本企業が日本人雇用を減らして、現地採用を増やすという動きがあることを指摘しているんですね。英語かしゃべれない日本人は現地で使えない。
これ、グルが新著で指摘しているんですが、サムソンをしきりに引き合いに出してます。
たとえば、サムスンは入社するのにTOEICが900点無いと入れないとか、現地進出を本気でやってて、若手を現地に送りだして1年間は仕事をさせず人脈づくりに専念させて・・・、みたいな。
そら、かなうわけが無いですわ、って感じです。
日本じゃ大秀才でもフツーは英語ができないんで。受験英語以外は。
日本の新卒は、海外赴任を嫌がる者が多い、とか、
日本から米国への大学院留学生もどんどん減っている、とか。
そう言えばこんな記事もありましたっけ。
韓国人の米国留学生 ロンドンエコノミスト
で、グルはこの日本の人材不足、人材劣化を挽回するために、教育の改善を訴えているんですが、日本の教育は、韓国のような詰め込みでもなく、北欧のような考させる教育でもなく、中途半端なちんたら教育と呼んで、批判してるんですね。
英語もできず、リーダーシップも育たない。
企業は日本人を雇用するのを止めて、英語ができて優秀で、主要マーケットを理解している韓国、中国、台湾人を採用する、
なんてことになると、職を失うのは工場労働者だけでなく、ホワイトカラーも、っていうことを意味するわけで、米国の中間層が破壊されてしまったと言われてますが、日本もいずれそういう時代になるんでしょうか。
サラリーマンが日本から居なくなる、あるいは超ビンボーサラリーマンで一杯になるってことですかい。
そのうちの一つ、新興国マーケットへの真剣な取り組みについてなんですが、
エコノミスト誌がレポートしてくれてます。
The new frontier for corporate Japan
IT IS the “new frontier”, says Japan’s trade ministry. Japanese firms have at last noticed that emerging markets are growing much faster than rich ones. And though they were late to the dance, they have brought some nifty moves.
日本企業がようやく、新興マーケットが先進国マーケットより早く成長していることに気がついた。
Profits at Japan’s 559 major listed companies surged by 46% in the most recent quarter, to \3.8 trillion ($44 billion), according to Nikkei, a financial-information provider. That is a fourfold increase from a year ago, and largely due to soaring sales in emerging markets.
日経によると、主要な上場559社の利益が足元の四半期で48%向上。去年の4倍増。新興マーケットからの増収が大きい。
Its traditional wares are ill-suited for the new frontier. Many are costly, complex and easily undercut by simpler gadgets from South Korea, Taiwan and China. Japanese firms have long used poor countries merely as production bases and then shipped their products to rich ones. That model no longer works.
従来の日本製品は新興マーケットには適しておらず、多くは値段が高く複雑で、韓国や台湾、中国企業は、機能をシンプルにすることで簡単により安いものを出せた。日本企業は貧しい国を単に製造場所としかとらえておらず、そこから金持ち国に輸出していた。
このモデルはもはや機能しない。
というわけで、この記事では、この10年で欧米マーケット以外の新興国で日本企業が売上を伸ばしてきたこと、そのための工夫を行っていること、たとえば、現地仕様の製品を現地のデザイナーにデザインさせるとか、について紹介しています。
久々に、日本に前向きな動きのレポートですなあ。
ただ、ちょいと気になる点は、次の部分でして、
Another difficulty is managing a global workforce. Labour unrest forced Toyota and Honda to suspend operations in China this summer. At home workers are so docile that Japanese managers are often unprepared for such spats. So Japanese firms are rushing to hire foreign talent. Relatively low pay for bosses and a lack of English-speaking staff make this hard, but some firms are making progress. Of the 1,390 new graduates Panasonic plans to hire next year, only 290 are Japanese.
現地での労働管理の問題です。トヨタやホンダで、中国の労働争議が原因で工場の操業が止まった。日本の労働者はもともと従順なので、こういう争いに日本企業は慣れていない。現地トップへの報酬が低いことや、英語能力の低いスタッフが問題解決を難しくしている。しかし、いくつかの企業は解決にむけて進んでいて、パナソニックでは来年の採用1390人のうち日本人は290人だけにした。
まあ、去年どんだけ採ったのかが、よくわからないんですが、日本企業が日本人雇用を減らして、現地採用を増やすという動きがあることを指摘しているんですね。英語かしゃべれない日本人は現地で使えない。
これ、グルが新著で指摘しているんですが、サムソンをしきりに引き合いに出してます。
たとえば、サムスンは入社するのにTOEICが900点無いと入れないとか、現地進出を本気でやってて、若手を現地に送りだして1年間は仕事をさせず人脈づくりに専念させて・・・、みたいな。
そら、かなうわけが無いですわ、って感じです。
日本じゃ大秀才でもフツーは英語ができないんで。受験英語以外は。
日本の新卒は、海外赴任を嫌がる者が多い、とか、
日本から米国への大学院留学生もどんどん減っている、とか。
そう言えばこんな記事もありましたっけ。
韓国人の米国留学生 ロンドンエコノミスト
で、グルはこの日本の人材不足、人材劣化を挽回するために、教育の改善を訴えているんですが、日本の教育は、韓国のような詰め込みでもなく、北欧のような考させる教育でもなく、中途半端なちんたら教育と呼んで、批判してるんですね。
英語もできず、リーダーシップも育たない。
企業は日本人を雇用するのを止めて、英語ができて優秀で、主要マーケットを理解している韓国、中国、台湾人を採用する、
なんてことになると、職を失うのは工場労働者だけでなく、ホワイトカラーも、っていうことを意味するわけで、米国の中間層が破壊されてしまったと言われてますが、日本もいずれそういう時代になるんでしょうか。
サラリーマンが日本から居なくなる、あるいは超ビンボーサラリーマンで一杯になるってことですかい。