ワニグチソウ[鰐口草](ユリ科)
北海道西南部~九州の山地林下に生える多年草。花柄には苞があります。苞は葉質で小花柄の基部に付き、卵形で平滑です。5~6月、淡緑色~白緑色の花を2個ずつ咲かせます。花糸は左右扁平で、乳頭状突起があります。
ワニグチソウは、ここ何年かこの季節に探していたものです。今年も見つけることができず、諦めていたのですが、偶然はいった林下で出会いました。すぐ近くの小道は、何度も通っているのに、今まで見つけられなかったのです。探し回っていたものに出会うことができると、本当に嬉しいですね。
苞の様子が寺社などにある、「鰐口」に似ていることから名付けられたそうです。この辺りでよく見かけるホウチャクソウも、お寺の軒下に吊り下げられている「宝鐸」に、花の様子が似ていることから名付けられたということですが、今よりもお寺や神社が身近なものだったのでしょうね。
「鰐口」:仏堂、神殿の前に掛け、つるした綱で打ち鳴らす道具。銅または鉄で作り、平たい円形で中空。下方に横長の口がある。(岩波国語辞典第2版より)
ホウチャクソウの花
ツタウルシ[蔦漆](ウルシ科)
さて、なんでこの日、いつもは入らない林下に行ったかというと、ツタウルシの花を観察したかったからです。でも、花の季節には早かったらしく、小さな蕾しか見つけることができませんでした。とりあえず蕾を撮って、引き返そうとしたところ、足元にワニグチソウが咲いていたのです。危うく踏んづけてしまうところでした。
ツタウルシの花も、こんな調子で見られるといいのですが、さてどうなることでしょう。
ツタウルシの黄葉
5月中旬 横浜市内にて