動き始めて・・・

テングチョウ［天狗蝶］（タテハチョウ科）
本州～四国、九州、沖縄の低山地の雑木林で多く見られる、頭部が天狗の鼻のように前方に伸びたチョウです。
成虫で越冬し、春先に活動を再開します。早く羽ばたき、よく飛び回ります。まれに大量発生することもあるそうです。
この天狗の鼻のように突き出ているのは、下唇髭（パルピ）という器官で、他のチョウにもありますが、テングチョウではよく目立ちます。
このテングチョウは、林縁の土手を観察している時に出会いました。天気の良い日でしたが、寒かったので、動きは悪いようでした。
成虫で越冬するテングチョウ、翅の傷みから、越冬の厳しさが伝わってくるようです。
この写真を撮った後、もう1匹テングチョウがきて、仲良く飛び回っていました。僅かな春の訪れを喜び合っていたのでしょうか。

川の中では、カワニナが元気に動き回っていました。テングチョウに比べれば、その動きはずっと遅いのですが・・・

３月下旬　横浜市内にて

黄色い花、咲く・・・トサミズキ

トサミズキ［土佐水木］（マンサク科）
高知県の蛇紋岩地帯や石灰岩地などに生える落葉低木。葉は互生し、葉身は左右不同の卵円形または倒卵円形で、基部は心形になり、縁は波状の鋸歯があります。
3～4月、葉の展開に先立ち穂状花序を出し、淡黄色の花を咲かせます。雄しべは5本で、葯は初め紅色だが、やがて黄色くなります。
春を告げる花として、庭木などとして、よく植えられています。
このトサミズキは、道端に植えられていたものです。ここ横浜で見られるものは、全て植栽ですね。
先に咲いた花の葯は黄色くなり、咲き始めたばかりの花の葯は紅色であることが分かりますね。
「ミズキ」と付くから、ミズキ科だと思い込んでいましたがマンサク科なのですね。
春を告げる花、少しずつ咲き始めています・・・

３月下旬　横浜市内にて

キブシ、咲く・・・

雄花

雌花

キブシ［木五倍子］（キブシ科）
林の縁では、ようやくキブシが花を咲かせ始めました。
まだまだ蕾の方が多かったですが、春の到来を感じさせてくれますね。
キブシは雌雄異株ですが、上が雄花で、下は雌花になります。
雄花にも花柱は見られ、ひと目見ると両性花にも見えます。
雌花にも雄しべがありますが、雄花のように発達していないようです。
例年だと、3月の終わりには花の盛りを迎えようとしています。キブシの花は半月ほど遅いようですね。

2010年の花

３月下旬　横浜市内にて

開花・・・ウグイスカグラ

ウグイスカグラ[鶯神楽]（スイカズラ科）
林の中では、ウグイスカグラも花を咲かせていました。先日、蕾を載せたウグイスカグラのある林とは別の林ですが、ここでもウグイスカグラをよく見かけます。
まだ蕾の方が多かったですが、私が見たどの株も花を咲かせていました。いつもの年なら、3月上旬には花が咲いています。これもまた花が少し遅れているようです。
このウグイスカグラは、たぶん私が初めて実を味見した株だと思います。5年前になりますが、今でも花を咲かせてくれて嬉しいですね。
5月になれば、赤く熟した実を見ることができるでしょう。今年も味見をしてみたいですね。

2011年の実

３月下旬　横浜市内にて

あのサンシュユも・・・

サンシュユ［山茱萸］（ミズキ科）
今月の初めに、花芽が綻び始めていたサンシュユも、花が咲いたようです。
でも、先日載せたサンシュユの花より、寂しい感じがします。よく見ると、ひとつの花芽から出た花の数が少ないようです。
先日の花は植木屋さんの圃場にあったので、花のたくさん付く品種なのでしょうか。
詳しい理由は分かりませんが、このサンシュユも花が咲いてよかったです。
今年の秋には、サンシュユの実も見たくなりますね。

3月上旬の様子

３月下旬　横浜市内にて