さぶりんブログ

音楽が大好きなさぶりんが、自作イラストや怪しい楽器、本や映画の感想、花と電車の追っかけ記録などをランダムに載せています。

【読書録】暮らしの中の面白科学

2008-06-11 23:29:15 | 読書録
「暮らしの中の面白科学」
 ~日用品に隠された不思議な科学の原理に迫る!

 花形 康正 著 
 ソフトバンククリエイティブ サイエンス・アイ新書

【おすすめ度】★★★☆☆

家電はもとより、我々の生活を取り巻く日用品の技術は、我々の子供の頃と比較するとはるかに進歩している。どんどん便利になっていく生活の中で、逆に便利な道具の仕組みも分からず、ただただ恩恵だけを被っているというのも、考えてみれば「これで良いのか?」と思わざるを得ない。技術はすでに一握りの人のもの。製品が高度化するとともに、どんどんブラックボックス化していき、いずれ停滞する・・もしくは再現できない・・・というところまで行き着いたりはしないのだろうか。もちろん、そんなことは杞憂であって欲しいが。

私個人の経験から言うと、日用品がどのような原理で出来ているのか・・・というような話は、学校ではほとんど教わらなかったような気がする。小さい頃、父から鉛筆の芯の成分の話や、クォーツ時計、太陽電池の仕組みとか色々教わった話って、貴重だったなぁと思うのである。

この「暮らしの中の面白科学」という本には、そんな話が沢山詰まっている。真面目に一つ一つ理解しようとすると、文科系の私には結構難しい。こういうことはもっと若い時に、授業の中で教わりたかったなぁと思うのである。

知っているとばかり思っていた鉛筆の成分の話だが、実は鉛筆の芯とシャーペンの芯では材料が違うということもこの本で初めて知った。鉛筆の芯は黒鉛+粘土だが、シャーペンの芯は黒鉛+合成樹脂なのだ。だから鉛筆の芯をどんなに細くしてもシャーペンの芯にはならないのだ。考えてみれば鉛筆の芯をシャーペンの芯の細さにしたら相当もろいものになりそうだ。

天然ゴムも、ゴムの木の樹液だけでは、伸び縮みする輪ゴムにはならず、硫黄を加えなければならないそうだ。また我々は日々お世話になっている非接触型ICカードも、コイルに磁石を近づけると電流が流れる原理と同様、外部の磁力によって起電力が発声し、情報の送受信が出来るんだとか。

また我々は電話回線でFAXやインターネット、電子メールのやり取りが出来ることは知っているが、そもそも電話そのもの・・音声をやりとり出来るのって何故なのという基本原理すら私は知らなかった。電話機の声を受ける部分には炭素粒が詰められていて、炭素粒は密着度によって電流の流れ方が違うため、声によって振動板を振るわせることで炭素粒の接触の仕方が変わり、電気抵抗が変化し、音の波形に対応した波形の電流を得ることで送受信ができるんだとか・・・なんちっちこんな説明じゃ分かったような分かんないようなだよね。

ということで、いい線は突いているのだが、私のような頭の悪い人間のために、もう一ふんばり噛み砕いてくれたら、もっと良かったのにと思うわけである。

その他、エアコンやテレビ、IHヒーター、消しゴム、キシリトールガムなど、いろいろ。

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