市原市議会議員 小沢美佳です

市政や議会の報告、日々の活動や想いを綴ります。
一番身近な地方政治の面白さが、皆さんに伝わりますように・・・

地域に出向く薬剤師へ

2015-11-20 | くすり
昨晩、市原市薬剤師会在宅医療研究会(私も一応メンバーです)が開いた研修会に参加しました。
市原市でも今後在宅で医療介護を受けるお年寄りが増えることから、同研究会では、地域の薬剤師がどう在宅支援に関わっていくか、ということについて検討を重ねています。

これは意外に知られていないのですが、まちの薬局の薬剤師は、医師の指示があれば患者さんの自宅を訪問して、服薬の指導をしたり、残薬がないか確認したり、うまく飲めていないようであれば処方の工夫や変更を医師に提案したり、などの業務を行うことができます。
ただ、このことをよく理解しているのはケアマネージャーや医師さえもごくわずかで、なかなか広まらないのが現状です。

そこで私たち在宅医療研究会では、
「医師の指示を待っているだけじゃダメだ。薬局から医師に申し出る『薬局提案型居宅訪問』方式を広めよう」
ということになりました。その活動の一環が今回の研修会なのです。



研修会では、帝京ちば総合医療センターとその周辺の薬局で始まっている薬局提案型居宅訪問の仕組みの発表や、実際に訪問を行っている市内の薬局の事例報告がなされました。
そして、千葉市で薬剤師でありながらケアマネージャーとして居宅介護支援事務所を運営している吉松美津代さんの講演も行われました。



「薬局で、ご飯も食べられない人に『ご飯の後に薬を飲んでください』、毎日お風呂に入らない人に『お風呂の後にこの軟膏を塗ってください』なんて、何も考えずに指導してただ薬を渡しているようじゃダメ!」
吉松さんの熱弁は、若い薬剤師の皆さんにとって大いに刺激になったと思います。

厚労省は、先月「患者のための薬局ビジョン~「門前」から「かかりつけ」、そして「地域」へ~」を公表しました。
医療機関のそばにある薬局を俗に「門前薬局」と呼ぶのですが、現在多くの薬局がこの形態をとっています。でもこれだと、患者さんは違う医者にかかるたびに違う薬局から薬をもらうことになりますね。
そうではなく、どこの医者から処方された薬でも、自分の「かかりつけ薬局」で調剤してもらうようにする、というのが国の方針です。
服薬情報や管理の一元化によって、処方の重複や飲み合わせのチェックがしやすくなったり、患者さんのちょっとした体調の変化に気付くことができるなど、薬局が住民にとって身近な健康サポートステーションの機能を果たすことが可能になります。

そして、高齢の在宅患者のための居宅訪問の推進も、国の方針の大きな柱の一つです。

幸い市原市は、在宅研究会のメンバーの頑張りで、いい流れができつつあると感じています。
今後は地域の薬局同士の連携、拠点病院と薬局との連携、そして介護職と薬局の連携を、着実に進めていきたいと思っています。

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