僕が僕であるために・１２

僕が僕であるために・１２


透明「亮太郎くんが善人を目指すなら、

　　　ひとつ約束して欲しいのだけど・・・。」

伊沼「な、何でしょう」

透明「これから話すことは、少し偏った考えにも

　　　聞こえてくる話になる

　　　だけど、話を最後まで聞くこと

　　　疑問があればその時に質問して
　
　　　解決すること

　　　そして、話をただ頭で考えるのでは無く

　　　心で感じて、それを否定せずに

　　　自分に落とし込んで欲しいんだ」

伊沼「は、はい頑張ってみます」

透明「よし それじゃぁ～始めるけど、

　　　今から話すのは、お釈迦様の話」

伊沼「えっと・・・お釈迦様ってあのお寺の」

透明「そうそう

　　　あっ 勘違いしないでね

　　　変な宗教の勧誘とかじゃないからね

　　　えっと、お釈迦様っていうのは実在した方で

　　　その教えは、今でも語り継がれている

　　　ありがたいものなんだ」

伊沼「そ、そうなんですね」

透明「今から話すのは、そんなお釈迦様が

　　　弟子の問いかけに答え説いた一節

　　　これは現在、金剛経というお経に収められて

　　　いるから、もし興味があれば後で調べてみて」

伊沼「金剛経・・・わ、分かりました」


あんまり自信ないけどお釈迦様みたいに

亮太郎くんを導けると良いのだけど・・・。


透明「まず、金剛経っていうお経を説明するね

　　　このお経に収められている真理は

　　　人の心が本当の意味で解放され、

　　　解脱する方法、つまり悟りへと導かれる

　　　方法が書かれているんだ」

伊沼「げだつ」

透明「まあ、人間が正しく覚醒することって感じかな

　　　もっと噛み砕けば、人が人らしく、

　　　自由に善行を行える境地みたいな感じ」


うわ～っ 我ながら、軽いなぁ～

でも今の子達にはこれくらいじゃないと

伝わらないだろうからなぁ～

とにかく亮太郎くんが分かるまで噛み砕いていこう




　　　　　　　　　続く・・・。

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