

病院に帰った私は案の定、大目玉



小言を言われながら、包帯やら何やら
換えてもらい、やっと開放される


陣「大変だったね~

円「自業自得

透明「そう言うなよ~


少しでも早く、出してあげたかったから
夢中になっちゃって・・・

「バタバタバタバタ

透明「んっ

陣「どうしたんだ

櫻井「先生

透明「櫻井さん

櫻井「和人が


陣「

円「

透明「櫻井さん


和人くんが、どうしたんですか

櫻井「和人が、今まで以上に暴れだして

く、口から泡を

透明「マズい


円


円「えっ



私は、円を引っ張って、和人くんが待つ病室へ




病室では、お医者さんや看護婦さんが、和人くんを
縛り付けて、精神安定剤をうったようだ・・・。
それでも、変わらず暴れている和人くんが、
舌を噛まないように、猿ぐつわまでされ

見るに堪えない状態に・・・

薬が効くのを待つ間、お医者さんが櫻井さんと
病室の外廊下で話しはじめる

透明「円


円「えっ


こ、この状態で、何をするのよ~


透明「良いか、良く聞いてくれ

今までの和人くんは、墓相の影響を脳に受けていたんだ

今は、墓相からの影響が緩和された状態となっていて、
その上、昴が今この瞬間に、お墓の修繕を始めている
のだと思う

こうなると、今まで脳に送られてきた信号が、
一気に変化を起こし、送られてくる信号が、いくら正常で
あっても、稀に拒絶反応が出てしまうことがあるんだ

円「・・・わかった

トランス状態から、救い出せば良いのね

透明「済まない

今のこの手じゃ・・・

円「なるほどね~


そう言うと、円は暴れている和人くんの頭をガッチリと押さえ、
口づけをする

私と陣は、櫻井さんやお医者さん、看護婦さんから、
円が見えないように、上手く立ち振る舞う

円は、自分の中に溜めてある気質を、直接、和人くんの
脳に送り込み、トランス状態から、強制的に脳の状態を
正常に引き戻す

やり方は、かなり強引だが、一番最短でおこなえる処置だ

円「ふ~っ


和人「・・・・・・。」
和人くんの顔色がみるみる赤みがかって行く・・・。
突然、暴れなくなった和人くんに驚き、皆、駆け寄ってくる



医者「・・・・もう、大丈夫みたいですね

薬がやっと効いたみたいです

櫻井「よ、良かった


お医者さん達は、念のため、和人くんの心電図を取るための
機械をつけて、病室を後にする

櫻井「はぁ~



今のは、先生方が何かしてくれたのでしょ

私たちは、今までの経緯を櫻井さんに説明した

透明「櫻井さん


正直、明日退院されても、問題ないですよ

櫻井「えっ


透明「ええ


目が覚めたら、今までの和人くんに
戻っているはずです

和人「んんっ

陣「

円「くすっ

櫻井「か、和人

和人「んっ


うう~ん


櫻井「和人




透明「おし


陣「うん

円「そうね


そう言うと、私たちは病室を出る・・・。
透明「円



円「いいえ


でも、これでチャラね

透明「えっ

円「決まってるじゃなぁ~い

この前の、奢る話

陣「えっ


透明「仕方がないな

これで、チャラということで

陣「ちょ、ちょっと


円「はぁ~


陣「良くないよ~~~~っ


この後、陣くんを上手くなだめた私は、
病室で眠りにつく・・・

数日後・・・

櫻井さんと和人くんが、私の病室を訪ねてきた

櫻井「先生


お医者様もビックリしていましたが、
本日、退院することになりました

和人「せんせい~


透明「クスッ



お母さんを大切にするんだよ

和人「うん

櫻井「あ、あの

想うのですが・・・。」
櫻井さんは、封筒を渡してくる・・・

透明「クスッ


それじゃぁ~、私も

和人くん


和人「


櫻井「そ、そんな


透明「私は、一度受け取りましたから

この封筒は、私もモノですよね

それなら、私が大切だと想う人に使った
ということで、良いじゃないですか

櫻井「先生・・・

透明「それと、これは本当に申し訳ないのですが、
もし今後、和人くんが何か変なものを視ることが
あったら、私の所に連れてきてくれますか

櫻井「えっ


透明「和人くんは、長い時間、トランス状態になって
いましたので、能力が突出してしまう
可能性があります

櫻井「

透明「ま、まあ、絶対ではないのですが、
簡単に言うと、おばけが視えたりする
ことがあるかもしれないんです

櫻井「えっ

透明「その場合、私の方でその目を封じますので、
念の為、この御札を持たせておいてください

櫻井「わ、わかりました

円にも指摘されたが、トランス状態が長く続くと
観の目が開くことがある

これ以上、この家族が変なことに巻き込まれないように、
最後まで面倒を見なければ

透明「和人くん


和人「あっ

おばちゃんが、いつも来てくれた

透明「

櫻井「

きよちゃん


和人「あっ


きてくれた~

透明「

和人「でもね



透明「


和人「うん

来てくれなくなっちゃった・・・

透明「そっか・・・。」
和人くんの目は、二人が閉じてくれたんだ・・・。
少し胸が熱くなる

透明「櫻井さん、もう大丈夫みたいです

それでも、念には念をいれて、
何かあれば、必ずご連絡ください

櫻井「は、はい

先生・・・本当にありがとうございました・・・

二人は、手をしっかりと繋ぎ病院を後にした

人は、あの世に帰ってからも、残してきた家族を
想うもの

墓という繋がりで、生きてきた証を守り、育み、
支えている

私は、この優しい縁が後の世も続いてゆくように
改めて願っていた

完
さ~て


次回は、いよいよ、お墓の正しい知識を
お話ししますので、メモのご準備を~~~


続く・・・。







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