しょう爺あーっと宮古

宮古島ではじめたサードライフ。気が向くまま不定期に面白いことあったら伝えます。

謎の島 承前

2018-01-23 17:00:09 | しらべもの

昨年の8月、関空直行便で大阪訪問の際に機上より見つけた地表が十字に切られた謎の島。

ようやく疑問が解けました。

     

西之表市に属する種子島西方12㎞の無人島「馬毛島(まげしま)」でした。

面積8.2平方キロ、周囲16.5km、最高標高71.7ⅿの小さな平たい島です。

調べてみると(ほとんどwikipediaですが)この島、数奇な運命をたどり今も渦中にあるトンでも島だったのです。

 

この島は、鎌倉時代から種子島氏の領地でしたが、漁師が基地として使用するのみで住民はいませんでした。最近、北朝鮮漁船が漂着して盗難被害にあった北海道松前沖の松島小島みたいな島だったのですね。

 

戦後、農業開拓団が入植し小中学校まで存在しましたが、土地が農業に適さず害虫と鹿の被害にもあって1980年には最後の島民が島外に移住し、それ以降無人島となったものです。

このあたりからが数奇なのです。

無人島になる6年前のこと、平和相互銀行(後に住友銀行に吸収)がレジャー施設建設を企み、馬毛島開発株式会社を設立しましたが計画は中途で中止。そうこうしているうちに石油備蓄基地の候補地として復活。用地買収を進めていましたが備蓄基地が志布志湾に決定してしまい、またまた宙ぶらりん。

 

この土地の活用をもくろんだ平和相互銀行監査役(元東京地検特捜検事)が右翼活動家を使って、防衛庁にレーダー基地として売却するための政界工作を企図。20億円の資金を提供し国会議員にばらまくという事件が発覚し、この計画も水泡に帰します。

 

その次は、この会社を建設会社が買収し、公用地以外のほとんどを手に入れて日本版スペースシャトルの着陸場、使用済み核燃料貯蔵施設などの誘致を狙いますがこれもとん挫。

 

2007年には、米軍の陸上空母離着陸訓練場候補地の報道がなされましたが、いち早く周辺自治体がそろって反対決議。2009年には時の民主党が「最低でも県外」の公約を含んで政権をとり、そのあおりで陸上空母離着陸訓練場候補として再浮上しました。

 

現在、土地所有者である馬毛開発改め「タストン・エアポート社」と防衛省の間で調整が進められているそうですが、この会社が造成した十字滑走路が私の目にしたものだったのです。

 

20167月には翁長沖縄県知事も視察し、地元の反発を食らっています。

なおこの開発に当たっては、申請した土地より広い面積の伐採・整地・盛土疑惑、工事差し止め訴訟、行政訴訟、入会権裁判などの他、この島で生息が確認されている13種の絶滅危惧種の調査など数奇な運命はまだまだ続きそうです。


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