うちには柿の木が5本あります。 2本はわたしが嫁いで来る前からあった「富有柿」。 甘い柿です。 問題はあとの3本。 いつか夫が何を思ったか渋柿の苗を買ってきて植えたのです。 「横野」とかなんとか言っていたような。
その3本の柿が色づいてきたので、今年は収穫して焼酎で渋抜きをしようかと思いついたのですが・・・。
見かけはこの通り、「富有」によく似ています。 手入れをしないので小さな実が鈴なりです。 本当は春、夏に小さな実を摘果して、良い実を大きく育てなければならないんですけどね。
ふと、疑問がわいてきました。 これは本当に渋柿なんだろうか? 確かめるには? 手っ取り早くかじってみたのですよ。
渋くない! いや、ちょっと渋いかも。
渋抜き用のドライアイスなどの入手先を聞くために、夫が、東隣の柿畑の持ち主、Mさんに電話しています。
「うちに横野が2本あるんじゃけどの。」
「え~、ちがう?」
「うん、もう赤いんよ。」
「柿の形? 四角かどうか?」
どうも柿の品種が違うと言っているらしいです。 横野はまだ青くて取り入れ時期ではないのだとか。 結局、うちへ来て柿の種類が何なのか見てくれることになりました。
そして、うちのは「西村早生」という品種だということです。
さて、今日は柿を取ることにしました。 取ってみてびっくり。 なんとも汚い柿です。 それも1本の木のほうだけなので、病気にでもなったかと思い、洗ってみたのですが、やっぱりきたない。 なんだかイモリを思い起こさせる模様がついています。
またまた もしかして。 これが木練っているということ? (注: 木になったまま渋が抜けて、甘くなることらしいです)
皮をむいでみると
たまに黒いのがあります。 左のように半分黒いのも。 黒いのはタンニンの固まったものだとか。
そして、この黒いのは渋くないのです。 左の柿は、半分渋くて半分甘い、不思議な柿です。 皮に模様があったら中も黒いのかと思ったら、そうでもないのです。 甘い柿に当たるかどうかは
「丁か 半か」と同じ、博打みたいなもんです。
本物の「横野」はこの木。 うちの西隣の柿畑です。 まだ青くて、どこに実があるのかよくわかりませんね。 「横野」は晩生で収穫は11月下旬だそうです。 「横野」は渋柿なのに、形は「富有」みたいで、ややこしいです。
プロの育てる柿。 その差は葉っぱを見るだけで歴然。 この大きさ、 この色つや。 うちの柿の葉を重ねてみると倍以上ありました。
脚立に上がって手の届く範囲だけ取って、あとは鳥にあげます。 少し干し柿にして、あとは焼酎で渋抜きするつもりですが、うまくいきますかどうか・・・・。
それで結局「西村早生」は渋柿? それとも甘柿?
調べたところ、 甘柿だそうです。 滋賀県大津市坂本の西村弥蔵氏のカキ園の生け垣内に偶然生えたもので、発見者の名前を取って命名されたそうです。 甘柿だけれど、黒くならないと甘くないので、「不完全甘柿」だとか。 だから東隣の柿畑のMさんによると、甘いのも渋いのも一応全部渋抜きをするんだそうですよ。
そうそう、残り1本は・・・・ わたしは夫が植えた渋柿だと思っていたのですが、しみじみ見ると幹が苔むして堂々たる古木の風格。 そう、これは昔からここにあった「富有」でした。 うまり、うちの柿は5本とも甘柿だったということ。
このおもしろい話を2.3日前に聞いていれば、いい句が浮かんだかもしれないのに。←うそ。
ありえな~い!ほかに甘い柿の木があるから、試してみる必要がなかったのですね?
渋柿を食べてしまったら、もう歯を磨こうが甘いものを食べようが、一日中口の中がいや~な感じですよね。