風に吹かれすぎて

今日はどんな風が吹いているのでしょうか

パパラギ

2008年05月01日 | 雑感
誰かに借りたまま放っておいた「パパラギ」を昨夜本棚に見つけ、読みました。
薄い本で一時間ほどで読みました。
「パパラギ」とはサモア人から見た白人種のことです。
20世紀初頭、サモアの酋長ツイアビがヨーロッパを訪れ、西洋文化の限界と悪弊を鋭く見抜いた本です。

時間に追われ、労働に追われ、機械に追われ、青白い不健康な顔をしているのがツイアビが見た西洋人でした。
一部のものが金を独占し、その金の力で人々をそのような境遇に追いやり、
だれもその事態を異常と思わぬ卑劣で汚らわしい世界が彼にとってのヨーロッパでした。

もう、そのとおりですね。
背後で一部のものが新聞を通じて大衆を操作しているところまで見抜いています。
不必要な情報で頭を一杯にし、強迫観念のように「考える」ことを誇り、機械の力で物を作り続けます。
ツイアビから見たら悪魔の仕業としか思えません。

サモアでは食事は自然が充分に与えてくれるもので、独占したり人よりも多く持ちたいと思う対象ではありません。
したがって、誰かのものを「盗む」とか、自分のものだとか所有を主張する発想がありません。

南国の風土とヨーロッパの寒冷な風土の違いだと説明されそうですが、
アイヌやエスキモーやネイティブ・アメリカンなどの風習を見てみますと、やはり助け合いが普通です。
やはり西洋流の金銭システムと労働の搾取からの強迫観念なのだと思います。

まぁ、今ではすっかり日本もそういう西欧システムにどっぷり浸かってしまいました。
いい悪いの議論をはるかに超えて、進行しています。
共同体は消え、互助精神も消え、自然も消え、好き嫌いに関わらずお金の威力が増しました。

一度は日本にもキリスト教宣教師の先導によって西洋文明が日本に入りかけましたが、
八百万の神々のご加護か、根付かずこの国土から締め出されました。
それが明治維新になって新しもの好きの日本人の気性もあいまって、急速に西洋文明が流入しました。
そして、先の大戦後、あらゆる精神的防波堤が一気に崩されて、お金第一の高度経済成長に突入して行きました。

そして今です。
政治家と官僚自ら率先して国民のお金を搾り取るような国になってしまいました。

誰かがけしからんとかそういうことではないです。
そういう流れに日本も乗ったということです。
そろそろその流れの行きつく先も見えてきているようです。

体制というのは人々の期待をエネルギー源とし、逆用して太るものです。
一人一人が、一人一人の選択の自由と豊かなイマジネーションを持っている一個の独立した人間になりましょう。
なぁに、大丈夫です。
人一人の力が解放されると、もの凄いらしいですよ。




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