風に吹かれすぎて

今日はどんな風が吹いているのでしょうか

イチロー

2006年03月15日 | 雑感
今書いたばかりの文章が、PCの操作を誤って消してしまいました。
もう帰ってしまおうかと思ったのですが、気を取り直してまた何か書きます。

実は今日午前中一杯、WBGの試合を見てしまいました。
イチローがものすごく大きく成長しました。
声を上げ、行動で皆を引っ張り、勝つことに誰よりも執念を燃やします。
その凄みのある真剣味が、他の選手にも伝染していたように感じました。

一流とはどんなに高みに上っても、更なる高みを目指す人たちのことなのでしょう。
なんの衒いもなく、己の限界に挑戦していきます。
真剣味というものに欠けるきらいのあるぼくは、試合から目が離せなくなってしまいました。

イチローにしても、荒川静香にしても、一流と呼んでいい選手たちがぼちぼち出てきました。
今まで、能力も練習量も決して誰にも引けを取らない選手たちが、あと一歩の精神力が崩れて、
勝負の場からうなだれて退場していくのを何度も見てきました。
緊張張り詰める勝負の場で、自分の能力の守りに入るのか、更なる向上を目指すのか。
更なる向上を目指せる人間が、おそらく、自分の能力以上のものを発揮するのかもしれません。
心のあり方、気の持ちよう一つで、勝敗が分かれる勝負の場にいる人間を、外野からとやかく言うのは片腹痛いのですが。

明日は韓国戦です。
準決勝、決勝と駒を進めて、ぜひその勇姿を世界の野球少年たちの目に焼き付けて欲しいものです。

で、今話題の「国家の品格」を読みました。
空港の待ち合わせ時間に買ったものです。
書いてあることは、その通りだと思います。
ただ、その通りのことをなぜ今まで僅かな人たちしか言ってこなかったのか、言えなかったのかが問題なのですが。

論理のプロである数学教授が論理の限界を説き、
数学者が武士道と日本的情緒を語る。
イデオロギー臭さがないのが爽快です。

武士道とか日本的情緒というのはきわめて曖昧な概念になりがちなのですが、
論理的概念に収めようとすればするほど、武士道や日本的情緒というのは香気を失い、抜け殻となっていきます。
語れば語るほど野暮になっていきます。

さぁ、どうすればいいのか。
日本の田舎や森や山を自分の足で歩いてみることから始めればいいと思います。
渓流のせせらぎの音を聞き、森の匂いを嗅ぎ、水田の上を渡る風を感じたらいいと思います。
鎮守の森の上に湧く入道雲を見上げ、夕暮れの寺の梵鐘の音を聞いたらいいと思います。
論理に還元できるような日本的なものは何一つ見つからないかもしれませんが、
間違いなく日本を体験します。
その体験を抜きに、今まで日本を語りすぎていたのかもしれません。

でも、あれですね。
今もものすごい勢いで、ぶらぶら歩いて快適な空間というのは日本全土から消えつつあります。
この風土という空間がなくなったら、日本という波動もなくなるのでしょう。
なくなっても困らないと言うかもしれませんが、つまらないでしょうね、間違いなく。




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