風に吹かれすぎて

今日はどんな風が吹いているのでしょうか

自分に勝つ

2006年11月18日 | スピリチュアル
今月号の「致知」から、長くなりますが引用します。
今月号のテーマは「自ら勝つ者は強し」です。

  常岡一郎という人がいた。明治三十二年生まれ。慶応義塾大学在学中に結核になり、学業を捨てて闘病、求道の生活に入った。
  「すべてのものには中心がある。その中心からずれたとき、人間は、家庭は、集団は、国家は、人類は、みんな苦しむ。
 課せられていることを中心にするのだ」
  この真理を体得し、月刊誌『中心』を発行。主幹として五十年間、毎号執筆。また中心同士会を結成し、毎月全国主要都市で
 講演会を開催し続けた。そういう人である。この常岡氏に次の言がある。
  「勝つ。この勝ち方にもいろいろある。喧嘩に勝つ。やせがまんや屁理屈で勝つ。それに勝っても他人は喜ばない。
 人を苦しめることになる。これでは人の心も天の心も暗くなる。天、人、我、共に喜ぶ。そんな勝ち方は『我に勝つ』ことである。
 (中略)この場合のわれとは何であろうか。それは自己の我執である。わがままである。朝寝、不精、屁理屈・・・である。
 これに打ち克って朝も早く起きる。人のいやがることを、いそいそと果たす。わがままを捨てて勤めきり、つくしきる。
 そうして人を喜ばせる。これが『われに勝つ』ことである」
  常岡氏は昭和六十四年、九十歳で亡くなられたが、人の悩みを救うべく生涯を捧げた人の言葉は平易明快、力強い。

  「人に勝つ者は力有り。自ら勝つ者は強し」
  と「老子」(第三十三章)は言う。
  他人と争ってこれを打ち負かすものは力があるとは言えるが、本当の強者ではない。私利私情を克服できる者、
 すなわち私心に打ち勝つことができる者こそ、真の強者である、ということである。
  王陽明もまた、同じようなことを言っている。
  「山中の賊を破るは易く、心中の賊を破るは難し」

  克己は古来、聖賢が等しく目指した道である。思えば、天は人間だけに克己という心を発達させた。その心があることによって、
 人間の進歩向上はある。そのことを我々は胆に銘じたいものである。

  最後に、新井正明氏(住友生命保険元名誉会長)の言葉を紹介する。
  「暗いところばかり見つめている人間は、暗い運命を招きよせることになるし、いつも明るく明るくと考えている人間は
 おそらく運命からも愛され、明るく幸せな人生を送ることができるだろう」
  「自らに勝つ」ことに腐心してきた人の尊い言葉である。

以上です。
付け加えるべき言葉もなく、そのままその通りだと思います。 
「わがまま」「朝寝」「不精」「屁理屈」というのは、そのまんまぼくの有様でドキリとさせられます。
ぼくの心の中は「賊」が我がもの顔で好き放題している感じです。
まぁ、それはこの際置いときます。

思えば、古今東西、人生の達人が残した言葉というのは、言い方の角度が違えといえどみな同じことを言っているように思います。
「明るく、元気に、人のために楽しく生きろ」
これに尽きるんだと思います。

未熟な者は「人のために」というところが引っかかります。
なんで人のためなんだ、自分の人生、自分のために頑張るのが当然じゃないかと。
これを理屈で、いやそうじゃないんだ、「情けは人のためならず」で、他人に尽くすことを通して、喜びやら満足感というのは
得られるようになっているんだなどと訳知り顔で説教しようと思っても無駄です。

未熟な者は、精一杯「自分のため」に頑張ってみればいいんです。
頑張っても頑張っても残る不満と苛立ちを味わえばいいんです。
「自分のため」と思っていた「自分」などというのはどこにもいなかったことに、いつか気が付けばいいんです。
それが誰もが通る「未熟な自分」という道ですから。
人の未熟さについてということに関しては、ぼくはやたら詳しいんです(笑)

「明るく、元気に、人のために生きる」というのは、言葉にすると簡単ですが、いろんな要素を満たさないといけません。
素直さ、忍耐力、人に対する洞察力、行動力、我執をスパリと切れる胆力、等々いろいろな面で強さがなければそこまで行けません。
そういったいろいろな面で鍛えられるために、未熟な道を通ってぐずぐずと悩んだり、苦しんだりするわけです。

「いつも明るく明るくと考えている人間は おそらく運命からも愛され、明るく幸せな人生を送ることができるだろう」
という言葉は、先日紹介した越智啓子さんの「すべてはうまくいっている」という言霊と一緒のことですね。

最後に、常岡氏の言葉をもう一つ紹介します。

 「八方塞がって、初めて天に道が通じていることが分かる。我々の創意や才覚で何とかなるうちは、
 神様にしっかり守られていることが分からんものだ」

 
  

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