風に吹かれすぎて

今日はどんな風が吹いているのでしょうか

破壊

2010年01月25日 | 雑感
だいぶ日射しが暖かく感じられるようになってきました。
まぁ、まだ寒いのですが、着々と春に向かっています。
年を取ると春が恋しいのです(笑)

個人にも、歴史にも、自然環境にも、時の流れのサイクルというのがあります。
創造と破壊と再生が繰り返されます。
創造と再生の時は楽しいことのほうが多いでしょうが、破壊のときは我慢のしどころです。
破壊が深いほど再生はスムーズに行くといえるかもしれません。
破壊が不徹底だと、いろいろなものごとがスムーズにスタートできないということがあるからです。

個人の生きる過程に起きる破壊の経験は辛いものです。
「なぜこんなことが自分に?」という疑問に答える者はどこにもいません。
全く意味を見出せないまま、破壊の渦に巻き込まれます。
誰にも手助けすることはできません。
残酷なものです。

でも、破壊が通り過ぎた後、ある種の開き直った空っぽの心境があるはずです。
ゼロからのスタートです。
茶色く枯れ果て、雪に覆い尽くされ、すっかり沈黙のうちに閉ざされたはずの木々が、春になれば再び芽吹くようなものです。
陽光は決して見捨てません。
時が来れば、燦燦と天空に輝くだけです。

我慢強さというのは、本来ならば農耕民族である日本人が最も得意とした美点だったはずです。
ぼくを含めて、日本人からその美点が消えさってしまったような気がしてなりません。
破壊の段階に入ると辛抱しきれず、すべてを投げ捨てる、あるいは攻撃に転じる。

破壊を怖がらない。
勇気を持って、その過程をじっと見つめる。
そこにしか再生のヒントはないのですから。