風に吹かれすぎて

今日はどんな風が吹いているのでしょうか

政権交代

2006年03月31日 | 雑感
民主党執行部が退陣することになりました。
おまけに、今頃になって永田議員も辞職です。
後手後手、ぐずぐずで、考えられる限りの最悪の結果だと思います。
この期に及んでのこの事態が、仮に西澤某の証人喚問回避のための対策だとしたら、
最悪を凌駕して銀河系に飛び出してしまいます。

政権交代というのは、健全な形でならもちろんあったほうがいいです。
でも、政権交代のための交代というのは、いろいろな意味で政策手法に歪みを生じさせます。
対案を出さない反対だとか、相手の失点狙いのためだけの追求とか、揚げ足取りに終始するようになります。
堂々と政策を掲げ、国民に選択させるという正攻法でないと、これからはなかなか広範な支持は得られないでしょう。
一昔前と違い、今はメディアの情報印象操作に無自覚に乗る人は少なくなり、
ネットでいろいろな情報が吟味されますので、その政治手法や発する言動が旧態依然のそれだと敬遠されます。

世論というのは概ねメディアの影響下にあります。
故に、あらゆる政治的勢力はメディアに取り入ろうとし、自分たちの勢力に有利な状況を造ろうとします。
ある人間の隠れた行為をリークして、スキャンダルを煽って、誰かを失墜させるなどはその分かりやすい例です。
つい最近まで、北朝鮮による拉致事件というのは、まともに大手メディアが取り上げることはありませんでした。
まぁ、黙殺に等しい状況でした。
中国のチベット問題などは、今現在も黙殺状態です。

それに加えて、メディアで発言力が強い人というのが、世論の支持でそうなったとは限らないことも多いです。
メディアへの露出度が高いから、次第に発言力があるように見えるようになったことが多いです。
このメディアへの露出度を高めるか、低めるかを決められる立場にいる人々、つまり新聞社、テレビ局、プロモーター、
プロダクションなどにも、もちろんウンカのごとく発言力を高めようと画策する勢力が寄ってくる訳です。

つまりは、世論というのは、一般の人たちが思っているより以上に、ものすごく胡散臭い過程で形成されていきます。
ある人気スターを作ろうと思ったら、その人間の実力があるかどうかよりも、テレビなどへの露出を高めれば、
即製のスターが出来上がります。
世論は出来上がるというよりも作られる側面の方がテレビ時代になって大きくなりました。
言論の場は正論を戦わせる場ではなくなり、聴衆の無責任な感覚に取り入ろうとするアジテーターとなりました。

で、第4の権力と呼ばれたメディアの力は膨れ上がりました。
でも、その影響力が甚大なものであるにもかかわらず、権論の自由を盾に、その力をチェックすることが
出来ないままに何十年かが過ぎました。
そこで登場したのがインターネットです。
情報が個々人の好き勝手に受発信される空間では、どのような勢力も受発信される情報を統制できません。
そこでは、立場も、身分も、金持ちか貧乏人かも、知識人かどうかもまったく問われません。
ようするに、いかなる利権も発生しない場で、交信される情報です。
利権がないからこそ、好き勝手な統制不能な言論の場が出来ます。
まぁ、それこそピンキリの言葉が乱れ飛んでいます。
ただ、偽りのある言葉、つまらない言葉、下劣な言葉、傲慢な言葉というのは一般社会と同じで淘汰されます。
誰も相手にしなくなるからです。
そこが一方的に情報を垂れ流せるメディアとの大きな違いです。

こういう言論環境になりますと、旧来型のメディア操作を狙った政治家の言動というのは底を見透かされ、
容赦なく嘲笑されます。
だからこそ、これからの政治家は正攻法で政策論争すべきなのです。
与党がいい、野党が好きだなどという次元ではお話にならなくなりました。
それぞれの政策について是々非々の意見が活発に戦わしてこそ、政権交代の道が開けていくでしょう。