風に吹かれすぎて

今日はどんな風が吹いているのでしょうか

古いもの

2005年12月08日 | 雑感
縫い物教室をしているおばさんから、針供養のための紅白饅頭のおすそ分けがありました。
饅頭はここ数年食べたことも、食べたいと思ったこともありません。
たまたま来ていたお客さんに勧めたら食べるというので、ぼくも食べました。
思いのほか旨かったです。

ちょっと可愛らしい観音像が手に入りました。
大きく見えますが、台座も含めて高さが7センチくらいしかありません。
これも白衣観音です。
このところ白衣観音様とご縁があります。
手当てをするときに頭に浮かぶ仏様が白衣観音様なのですが、続けて4体ぼくの手元に来ました。

「オン シベイテイ シベイテイ ハンダラ バシニ ソワカ」
白衣観音様のご真言です。

今日は数百万の商いがあったのですが、利益は数万円あるかないかです。
いつもこんなですから、いいんですが。
よくやっているなぁと自分でも思います。
今の時代、お金が回っていけば、それだけでもありがたいことです。

骨董屋をやるかもしれないと前にも書きましたが、すぐ目の前の店舗が空きました。
ここの店舗はある人が借りていて、いわゆる又貸しをしているのですが、どんな業者が入っても数ヶ月もしないうちに出て行きます。
もっとも2坪ほどしかない小さな小さな店舗なのですが。
で、昨日そのある人がやってきて、中間マージンを取らないから、借りないかというような話を持ってきました。
空き店舗のままにしていると、そのある人は家賃を無駄に払い続けなければならないからです。
ぼくはどっちでもいいですよと言ってやりました(笑)
多分、ぼくが借りることになるんだろうとは思いますが。

商売は儲けようと思ってすると、大変苦しいものになりますが、
なんというか、人々と係わるチャンネルだとすると、大変楽しいものになります。
いろいろな人がやってきて、いろいろな体験やら思いやらを語り、そのうち気に入ったものを買ってもらうだけです。
ま、口で言うほど楽なものではないですけど。

アンティークや骨董を扱うということで、古いものが好きなのかというと、そんなことはぜんぜんありません。
ただ、職人制度や、階級制度があったからこその技術力というのは、現代では再現不可能だということです。
お金と時間に制限なく、とにかくいい物を作れというおしゃれさを競う貴族たちの要望があり、
その要望に答えきる職人の感受性と技が、かつては日本にも西洋にもありました。
その感覚と技をお客さんに紹介するということで、ぼくの生業が成り立つわけです。
一つの古い作品の裏には、驚異的な技術を含め、その時々の歴史の流れ、精神性、人々の思いが込められているわけです。

今日は帝政ロシア(ロマノフ王朝)末期のエナメル彩を施したリングも売れました。
ロシアでこのレベルのリングを持てた人はほんの一握りでした。
そういう商品を扱うことができ、その卓越したセンスと技を紹介できるというのは、なかなか快感ではあります。

しかし、寒いです。
こうもきっぱり寒いと、気持ちがいいです。
1メートルくらい雪が積もったらいいなと思うんですが、賛同は得られないでしょう。
雪に閉ざされ、部屋でじっとうずくまるというような経験って、ぼくは好きなんですが。