風に吹かれすぎて

今日はどんな風が吹いているのでしょうか

焼き鳥屋

2005年03月30日 | いい加減
一人暮らしだから、居酒屋はよく行きます。
どういうわけか、僕の住んでいる街には定食屋みたいなのが少ないのです。
あっても、おそろしく芸のない定食屋が、寂しい通りにぽつんぽつんとあるばかりです。
で、居酒屋です。

昨日も初めての焼き鳥屋に入りました。
カウンターに男女4人のグループが、若い亭主(20代後半)と話していました。
亭主は僕をちらりと見ましたが、いらっしゃいはありません。
そのまま奥のカウンターに座りました。
お絞りもメニューも出てきません。
困りました。

そのうち奥の厨房から暖簾を分けて、料理片手に若い女の人がでてきました。
すみませんと僕は声をかけました。
はぁ、と言ったきり、彼女は皿を4人組のほうに持って行きました。
それで、そのまままた厨房に引っ込んでしまいました。
困りました。

しばらくすると、若い亭主がお絞りを持って僕の目の前に来ました。
飲み物は?と聞くので瓶ビールと頼みました。
そのまま注文をしようとすると、注文は少し待ってくださいといいます。
僕はビールをついで、飲みました。
中瓶なので、2杯も飲むと瓶の半分が減っています。
今度は奥から、中年のくたびれた顔をした女性が出てきました。
僕の前に立って、初めて、いらっしゃいませという言葉を聴きました。
僕は、皮と軟骨とレバーとしし唐と、チーズオムレツを注文しました。

あっという間にビール一本が空いてしまいました。
通りかかった若い女性に追加を頼みました。
厨房の奥から、子供が騒ぐ声がします。
若い女はジュースを開けて、奥に引っ込みました。
僕の推察したところ、若い男女が夫婦で、年増の女性が男の母親、奥で騒いでいるのが夫婦の子供です。
二本目のビールがなくなるころ、レバーが第一弾として焼きあがってきました。
もう一本ビールを頼むしかありません。

僕の経験では、店で幼い子供を遊ばせているような飲食店は、間違いなく消えてなくなっています。
まぁ、二度と来ることもないからと、いらぬことを思わぬようにして、ビールを飲みます。
3本目も空くころに、皮と軟骨がやってきました。
焼き鳥でも、一番早く焼けるのが皮と軟骨なのですが、不思議です。
ビールをもう一本頼む気にもなれず、むしゃくしゃ食べて、店を出ました。

この店はつい最近までおでん屋でした。
そこには何度か行ったことがあります。
若い夫婦が、経営不振で営業を辞めた店をそのまま引きついたのでしょう。
家族一丸で焼き鳥屋をするのは別に悪いことではありません。
でも、彼らは「何」をしたいのでしょう。

焼き鳥自体は思いもかけず、大変にうまいものでした。
焼き方も文句のつけようがありません。
でも、いらっしゃいもなく、子供の世話をする片手間に料理を作り、
ビール二本目が空くころに最初のレバーを持ってくるような焼き鳥屋で、
いったい何を提供したいのでしょう。

よく分かりません。
べたべたしたサービスも苦手ですが、普通にサービスを提供してくれれば文句はないのですが。
コンビニ世代が考えるサービス業って、こんなものなんだろうなとは思いますが。

普通のレベルが下がっているのですね。
下げるのは簡単ですが、上げるのは、創意工夫と長い積み重ねがいります。
焼き鳥がおいしかっただけ、もったいないことだと思いました。

今日は早く帰ってサッカーを見ます。