Photo by Chishima, J.
(国見山の遊歩道 2015年5月 北海道河西郡芽室町)
(FM JAGAの番組 KACHITTO(月-木 7:00~9:00)のコーナー「十勝の自然」DJ高木公平さん 2015年5月20日放送)
十勝にいくつもある自然観察スポットの中でも、新緑が目に眩しいこの時期、特にオススメしたいのが音更町と芽室町にまたがる国見山。帯広市街からは北西に約10km、平原大橋を渡った西側にある低い丘陵です。十勝を拓いた依田勉三らがこの山から十勝平野を見下ろし、開拓の情熱を燃やして国見山の名を付けたとされます。アイヌは、「豊かな食料をもたらしてくれる大切な場所」を意味するオソルシ山と呼びました。
自然観察教育林として、いくつもの観察路やあずま屋が整備されていて、手軽に散策を楽しむことができます。カシワやミズナラなど在来の広葉樹から成る林と、カラマツ、ストローブマツといった外来の針葉樹が中心の林が混在し、それぞれに特有の生態系が形成されています。
この時期であれば、芽室側の駐車場から奥へ向かう道が傾斜も緩やかで歩きやすいでしょう。クロツグミが複雑な囀りを奏でる道の足元にはスミレの仲間やオオバナノエンレイソウが咲き誇り、オオルリなど夏鳥が鮮やかな姿を披露してくれるかもしれません。水辺ではエゾアカガエル、エゾサンショウウオの卵やオタマジャクシも見られます。
山頂方面を目指せばツバメオモトの白くて可憐な花や、十勝では珍しいヤマガラ、イカルなど南方系の鳥といった、また違った自然との出会いが待っています。
(2015年5月17日 千嶋 淳)
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