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バンガー・シスターズ [DVD] |
きのう深夜(今朝)、テレビで、ゴールディ・ホーンとスーザン・サランドン主演の「バンガー・シスターズ」をみていると、サントラに Please Don't Let Me Be Misunderstood 、「悲しき願い」がながれた。歌と演奏は、トレヴァー・ラビンだ。
トレヴァー・ラビンは、イギリスのプログレ・バンド、イエスでギターとボーカル、ソングライティングをやって、その後は、ハリウッド映画の作曲で活躍している。
「バンガー・シスターズ」サントラ トレヴァー・ラビン Please Don't Let Me Be Misunderstood http://www.youtube.com/watch?v=jYHurjrYKzk
Please Don't Let Me Be Misunderstood は、邦題「悲しき願い」でヒットした。50才前後の人は、デスコ・ヴァージョンを覚えているだろう。フランスのミュージシャンがつくったグループ、サンタ・エスメラルダのカヴァーの世界ヒットは、1977年(昭和52年)のことだ。
それにしても、このサンタ・エスメラルダのボーカルは、とんでもなく歌がうまい(サックス・プレヤーが本業だったらしい。このビッグヒットで人生は変わったようだ)。いまでは古いが、アレンジも、ただものではない。みごとな、ラテン・デスコだ。
サンタ・エスメラルダ Please Don't Let Me Be Misunderstood http://www.youtube.com/watch?v=t8NVQ0iao0g
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Don't Let Me Be Misunderstood |
しかし、「悲しき願い」の最初の世界ヒットは、1965年(昭和40年)、イギリスのグループ、アニマルズだ。もちろん、ヴォーカルは、エリック・バードン、ベースは、ジミ・ヘンを世界デビューさせた名プロデューサー、チェス・チャンドラーだ。下の写真、中央の小柄の人が、エリック・バードン、右端の長身が、チェス・チャンドラー。
45年もまえだが、ファッションもヘアースタイルも、ぜんぜんいまに通用する。イギリスのこの時代の、こういう感じが一番好きだ。
そして、アニマルズの「悲しき願い」もオリジナルではない。オリジナルは、その前年1964年、ジャズ・ピアニストでシンガーの、ニーナ・シモンのために書かれた曲なのだ。
「Please Don't Let Me Be Misunderstood 悲しき願い」が、A面一曲目にはいったニーナ・シモンのアルバムは、コマーシャルな成功はなかった。だが、アニマルズのカバーが大ヒットして、ニーナ・シモンのオリジナルのすばらしさが世界じゅうで知られることになる。
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アニマルズ Please Don't Let Me Be Misunderstood「悲しき願い」http://www.youtube.com/watch?v=d2FT4FprxDg
ニーナ・シモン Please Don't Let Me Be Misunderstood「悲しき願い」 http://www.youtube.com/watch?v=9ckv6-yhnIY&NR=1&feature=fvwp
「悲しき願い」は、日本でも、日本語の歌詞がつけられて、尾藤イサオの歌でヒットした。
尾藤イサオ 「悲しき願い」 http://www.youtube.com/watch?v=H6r8xA6ITaw&feature=related
エリック・バードン、、2006年のジャズ・フェスでも「悲しき願い」を歌っている。これがとてもいい。泣きそうになる。
エリック・バードン Please Don't Let Me Be Misunderstood http://www.youtube.com/watch?v=g32A8tBLO6c&feature=related
エリック・バードンは、いま、69才。チェス・チャンドラーは、1996年、57才で亡くなった。
ニーナ・シモンは、2003年、パリで亡くなった。70才だった。ニーナ・シモンは、黒人差別の激しいアメリカを嫌って、パリに住み、ヨーロッパ、イギリスを中心に活動していた。日本にもなんども来て、ファンが多かった。
わたしは、ニーナ・シモンが好きだ。ニーナ・シモンの歌を、聴いてほしいな。http://www.youtube.com/watch?v=h8tuTSi6Sck