More Than a New Discovery |
イーライと13番目の懺悔 |
ローラ・ニーロは、先にほかのミュージシャンの演奏したカバーがヒットして本人のアルバムが売れるようになった。わたしの店、サウンドコーナーでは、発売当時からLP「イーライと13番目の懺悔 Eli and the Thirteenth Confession 」(1968年)が売れていた。それは全国的に売れるずっと以前のことだ。十勝には、ポップスをよく聴きこんでいるセンスのいい音楽ファンがいたわけだ。当時、そのひとたちはまだ中学生や高校生だったのだから、いま考えてみれば、たいしたものだ。(いまはみんな50才代だろう)。
「イーライと13番目の懺悔」はセカンドアルバムだが、日本では最初の国内盤だと思う。CBSソニーの発売だ。19才のとき発売したヴァーブ盤のファースト・アルバムMore Than A New Discovery(1966年)は、「イーライと13番目の懺悔」のあとで日本グラモフォンから発売になった、と記憶している。(が、これは資料がない、わたしの記憶なので、どなたかデータをお持ちの方は正確な情報を教えてほしい)。
ローラ・ニーロは、ジャズ・トランペッターの父親の影響で小さいときから音楽に親しんでいた。ピアノは独学だという。14才のころからドゥー・ワップ・グループをくんでストリート・パフォーマンスをやっていた。アート・スクールのニューヨーク・ラガーディア高校を卒業してプロのキャリアをスタートするが、ファーストアルバムは売れない。しかし、そのなかの曲をほかのミュージシャンがカバーして注目されるようになるのだ。
ラガーディア高校(Fiorello H. LaGuardia High School of Music & Art and Performing Arts)は、映画「フェーム」の舞台になった芸術学校だ。さまざまなジャンルのアーティストを輩出している。ローラ・ニーロとおなじような女性のシンガーやソングライターなら、ジャニス・イワン、キャロル・ベイヤー・セイガー、メルサ・マンチェスター、ライザ・ミネリなどがいる。ジャズ・ミュージシャンでは、マーカス・ミラー、ビリー・コブハム、ケニー・ドリュー、エディ・ゴメス、スティーヴ・ジョーダン、ジェレミー・スティッグなどが卒業生だ。俳優では、アル・パシーノもロバート・デ・ニーロも、この学校の出身なのだ。
ローラ・ニーロのオリジナルをカバーしたヒット曲は、ブラッド・スウェット&ティアーズの "And When I Die" が日本では最初だったろうか。そして、フィフス・ディメンションの "Stoned Soul Picnic " " Wedding Bell Blues" 、スリー・ドッグ・ナイトの " Eli's Coming"、バーブラ・ストレイザンドの "Stoney End" とつづく。
ローラ・ニーロはいま聴いてもじつに新鮮だ。はじめてピーター・ポール&マリー(PPM)のマネージャーに And When I Die を売ったのが、17才のときというから、早熟な天才だ。
ローラ・ニーロは、1997年4月、癌で亡くなった。49才だった。
ローラ・ニーロ And When I Die http://www.youtube.com/watch?v=CUa8mbgKex8
ブラッド・スウェット&テアーズ And When I Die http://www.youtube.com/watch?v=kDWQ8w829tY&feature=related
ローラ・ニーロ Stoned Soul Picnic http://www.youtube.com/watch?v=jwSNbC9zK-w&feature=related
フィフス・ディメンション Stoned Soul Picnic http://www.youtube.com/watch?v=0foZ3gRcWvA&feature=related
ローラ・ニーロ Wedding Bell Blues http://www.youtube.com/watch?v=z8kuo-TRZU8
フィフス・ディメンション Wedding Bell Blues http://www.youtube.com/watch?v=IkMhWQgkZ8c&feature=related
ローラ・ニーロ Eli's Coming http://www.youtube.com/watch?v=mNJcAGs8FxQ
スリー・ドッグ・ナイト Eli's Coming http://www.youtube.com/watch?v=UdpEyxS0988
ローラ・ニーロ Stoney End http://www.youtube.com/watch?v=eM6UczqrIYM&feature=related
バーブラ・ストレイザンド Stoney End http://www.youtube.com/watch?v=j__OhNPutzA&feature=related
ローラ・ニーロ オフィシャル・サイト http://www.lauranyro.com/
ローラ・ニーロのファン、MITSUAKI YANOさんがつくる日本語のサイトhttp://www.geocities.jp/lauranyro_japan/index
フェーム 特別版 [DVD] |
ラガーディア・アート・ハイスクールが舞台の、アラン・パーカー監督の「フェイム Fame」は、1980年封切りの映画だった。アカデミー賞の主題歌賞と脚本賞をとっている。アイリン・キャラが歌うテーマソング"Fame"が大ヒットして、サントラのLPもよく売れた。http://www.youtube.com/watch?v=9iFRt1ae5mc
キャロル・キング、ジャニス・ジョップリン、カレン・カーペンター、ジョニー・ミッチェル、彼女らと比較できるような人間は出てきません。
皆全然違うタイプですが、強烈な個性と確立した個性を持っていました。
ローラ・ニーロ
この人に続くようなシンガー・ソング・ライターも全然出てこないですね!
彼女のレコードを久しぶりに聞いてますが、聞けば聞くほど「すごい」の一言です。
前にも少し書いたんですが、デオダートにいたギタリスト、後はセッション・ミュージシャンで活躍し、ソロアルバムももう6枚ぐらい出しているでしょうか?
私の比較的好きなギタリストのジョン・トロペイが当時彼女と付き合っていたようです。
ローラ・ニーロのライブにも参加しています。このアルバムも非常に良いアルバムです。
トロペイは現在も活躍中で最近はジャズのスタンダード・ナンバーを取り上げたアルバムを出してましたね。
まあローラ・ニーロのようなすばらしいミュージシャンのバックでギターを弾けるだけでも幸せですね!!
貴重な帯広情報に感激しました。
ちなみに、日本グラモフォンからの発売は70年6月のことです。念のため。
情報をありがとうございます。
やはり、ヴァーブ・フォークウエイのファースト・アルバムの国内盤発売は、70年だったんですね。
ありがとうございます。