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古い曲が気になる

ザンギは、北海道だけの言葉

2009-11-29 | 日記・エッセイ・コラム

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旧江戸川、夕暮れ。ゆりかもめが群れ飛ぶ。

                                                 

先日、似内清高くん、戸張良彦さんと銀座コリドー街の十勝屋にいったときのこと。十勝屋のマネージャー武田亮祐さんと清高くん、帯広出身のふたりが、ザンギ談義をしていた。
ふたりの話を聞いていて、わたしは、二十数年ぶりにザンギという言葉を耳にした。じつになつかしい響きだ……ザンギ。

北海道・十勝では、鶏の唐揚げをザンギという。だが、ザンギは、東京では通用しない。東京にでてきて、ザンギが、北海道ローカルの言葉だと知ったときのショックは大きい。ザンギという言葉が通じないことより、どうしてあれを「ザンギ」といわないのか? という驚きだ。あれは、ザンギ以外呼びようがないだろう!

日本じゅうの他の地方からやってきた人たちも「ザンギ」を知らない。「ザンギ? なに、それ?」、「唐揚げは、唐揚げだろ。おまえ、どこの国で育ったんだよ。ザンギって、それ、日本語じゃないだろ」

北海道のなかでは、鶏肉に醤油とみりんなどで下味をつけてから揚げるやつを、ザンギといい、下味なしが「唐揚げ」と分けていう地方もあるようだ。わたしの故郷・帯広では、鶏の唐揚げは、下味をつけて揚げるザンギだ。これを、「鶏の唐揚げ」とも「鶏の竜田揚げ」ともいわない。ザンギだ。ザンギは、ザンギだ。

東京ではいま、「唐揚げ」とは、鶏の唐揚げをさす。最初は、この語の用法にも違和感があった。何の唐揚げなんだ? という疑問だ。カレイの唐揚げ、チカの唐揚げ、鯉の唐揚げ……いろいろある……豚肉に醤油とみりんと生姜で下味をつけて、小麦粉か片栗粉をつけて揚げるのもうまい。豚の竜田揚げだね。これを「豚唐揚げ」という店もある。

いま居酒屋で唐揚げといえば、鶏肉の唐揚げのこと。唐揚げ弁当も、定食屋の唐揚げ定食も、唐揚げといえば、鶏肉の唐揚げのことだ。だが、けっしてザンギとはいわない。残念だ。

ザンギという語感こそ、みごとに、あの形、あの色、あの食感、あの味、あのうまさを、的確に表現している、と思わないか。ザンギ……なにかとても、うまそうじゃないか。「唐揚げ」などという、あいまいで軽い語音ではなく、やがて「ザンギ」こそ、鶏の唐揚げをさす全国版の言葉になるだろう……きっと。帯広発の豚丼が全国版になったように。

銀座コリドー街の十勝屋には、「中札内田舎地鶏ザンギ」というメニューがある。東京で目にしたはじめての「ザンギ」の文字だ。http://www.tokachiya.com/tokachiya.shtml

                          

                                                                     

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きょうは、真冬のように寒い。といっても、花が咲いているのだから、わが故郷、十勝とはずいぶんちがう。近くの公園にはバラの花も咲いていた。

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ザンギは釧路が発祥と聞いた事があります! (Azu)
2009-11-29 16:43:33
ザンギは釧路が発祥と聞いた事があります!
今度調べてみますね!
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>ザンギは、ザンギだ。 (まきぱぱ)
2009-11-29 19:25:01
>ザンギは、ザンギだ。

帯広では定説です。

仙台在住時、説明に苦労しました。

納豆に砂糖を入れるも理解されませんでした(ウチだけ?)


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