Ommo's

古い曲が気になる

「グラン・トリノ」を歌っているは、ジェイミー・カラム

2010-01-12 | 日記・エッセイ・コラム

とんでもなく寒い。八王子では、朝から雪、大手町はみぞれだという。あまりに寒くて、気分も冴えない。冷たい雨が降る外にでるのは、ヤメにして、一日じゅう部屋にこもって、ワープロを打っていた。

ワープロソフトは、一太郎を使っているから、日本語入力には、ATOKを使っていた。だが、年末から、グーグルが公開した日本語入力ソフトを試しに使ってみている。これがなかなかサクサクと使いやすい。語彙の多さは抜群だ。古いロックのミュージシャンの固有名詞も豊富で驚く。

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ベトナムのモン族。

年末のニュースに、タイの難民キャンプから、モン族4000人が、ラオスへ強制送還された、とあった。クリント・イーストウッド監督・主演の映画「グラン・トリノ」に登場した隣人の東洋人たちが、モン族だ。日本では、かれらをミャオ族という。だが、ミャオ族(Meo)という言い方は、中国人(漢人)が使う蔑称なので、かれら自身はこれを嫌って、自分たちをモン族(Mon あるいはH'Mong)という。紀元前から漢族(中国人つまり支那人)と戦い、いまも迫害をうけている少数民族だ。中国南部からインドシナ半島全域に住んでいる。

インドシナ半島のラオス、ベトナムなどで、中国共産党に支援された共産主義者たちが台頭してアメリカと戦ったとき、戦闘的な山岳民族のモン族をアメリカ軍が使った。CIAが、モン族特殊部隊を作ったのだ。しかし、アメリカは、北ベトナムの共産軍に破れて、インドシナ半島から撤退してしまう。

残されたモン族は、ベトナムでも、ラオスでも、共産軍のすさまじい殺戮に遭う。難民は、インドシナ半島全域に散り、タイの難民キャンプにも収容された。アメリカ、ヨーロッパに逃れた人たちも多い。いま、アメリカではさまざまの都市に、コミニティをつくって暮らしている。

クリント・イーストウッドが、映画「グラン・トリノ」でテーマにしたのが、このボートピープルとしてアメリカに逃れたモン族のことだった。アメリカに協力して、共産主義者たちと戦ったがゆえに、祖先が暮らしたアジアの地を追われて、アメリカに亡命しなければならなかった、悲劇的な民族だ。

クリント・イーストウッドは、アメリカ軍がモン族を利用して、置き去りにして逃げた、とはっきり意識して、それを告発している。クリント・イーストウッドは、プロ中のプロの映画人だから、それを表面に出して臭い映画にしたりしない。そこがすごいところだ。静かな告発だ。

グラン・トリノ [DVD]

年末にニュースになっていたのが、ラオスの共産政権の殺戮から、タイに逃れていたモン族のことだ。タイ政府は、国際的な非難に関わらず、国内の難民キャンプにいるモン族4000人を、ラオスに強制送還したのだ。ラオスは、いまも、共産党独裁政権だ。パテト・ラオ支配の昔と変わらない。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、モン族難民をラオスに送還すると、ラオス共産政府に殺害、迫害される、と強く反対していた。

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「グラン・トリノ」の三人。ビー・ヴァン、クリント・イーストウッド、アーニー・ハー。

映画「グラン・トリノ」のエンディングテーマを歌っているは、イギリスのジャズ・シンガーでピアニストのジェイミー・カラムだ。ただ、単にジャズというジャンルで括ることはできない、シンガーソングライター、ピアノプレイヤーだ。「雨に唄えば」を歌い、ジミ・ヘンドリックスの「風の中のマリー」を歌う。

ジェイミー・カラムは、1979年生まれ。若い。「グラン・トリノ」のテーマは、クリント・イーストウッドといっしょに曲を書いている。1999年に自費でつくったプライベート盤で注目され、メジャーのヴァーヴと超高額で契約して話題になった。この1月27日に新譜が発売される。

Twentysomething

  ジェイミー・カラム What A Difference A Day Made http://www.youtube.com/watch?v=F1r6GcPqFSo

The Pursuit

     ジェイミー・カラム Gran Torio http://www.youtube.com/watch?v=NoLc43YuuTw&feature=related

ピアノのまえに座って歌う映像をみて、グランドピアノと比較して、小柄な人だな、と思った。IMDb(インターネット・ムーヴィー・データ・ベース)で調べると、身長1m60とあった。そして、父親は、イギリス人、母は、ビルマ人とある。なるほど、東洋系の雰囲気を感じていたのは、その母親の血筋なのか。

   ジェイミー・カラム オフィシャルサイト http://www.jamiecullum.com/

   IMDb ジェイミー・カラムのバイオグラフィー http://www.imdb.com/name/nm1490226/bio

クリント・イーストウッドが、「グラン・トリノ」の音楽にジェイミー・カラムを使ったのは、かれのビルマ人の血にあるのだろうか? ビルマにも、モン族がたくさんいる。ジェイミー・カラムの母親は、イギリスに渡ったモン族なのだろうか? 気になる。わたしの好奇心が刺激される。

Pointless Nostalgic

  モン族に関する記事  http://www.news.janjan.jp/world/0708/0708030272/1.php

                http://www.news.janjan.jp/world/0708/0708281455/1.php

映画のタイトルになっている、グラン・トリノ・スポーツは、1972年製造の、フォードの車だ。8気筒、排気量、7020㏄。

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