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古い曲が気になる

酒とバラの日々

2011-06-15 | 日記・エッセイ・コラム

                     

 ビル・ウィザースのオフィシャルサイトを読むと Ain't No Sunshine は、1962年の映画 Days of Wine and Roses (酒とバラの日々)に触発されて書いた曲、とある。

   『酒とバラの日々』オープニング・クレジット  http://www.youtube.com/watch?v=FBxDDVHIjmM&feature=related

Days_of_wine_and_roses

 『酒とバラの日々 Days of Wine and Roses 』は、ブレイク・エドワーズ監督、ジャック・レモンとリー・レミックが主演の作品。アルコール依存症の夫婦のはなしだ。深刻で悲惨な内容だが、ふたりの名優の演技と、美しいテーマソングが救いの映画だ。

 音楽は、巨匠ヘンリー・マンシーニ、このテーマソングは、アカデミー賞を受賞した。アンディ・ウィリアムスのカバーも大ヒットしたりして、ジャズミュージシャンが好んで演奏するスタンダードになった。これも映画から生まれた音楽史に残る名曲だ。

酒とバラの日々 [DVD]

 この映画が日本で封切られたとき、わたしは中学生だったから、封切りではみてない(中学生が心騒ぐ映画ではない)。大学1年のとき、札幌・狸小路商店街の名画座というか、二番館でみた。(洋画が全盛だったむかしは、どの町にも過去の洋画を二本立てや三本立てで上映する映画館があった。封切館に対して“二番館”とか“名画座”とかいった)

 テーマソングは、アカデミー受賞曲で、すでにさまざまなミュージシャンの演奏で有名だった。その名曲がテーマの名画をみておかなければ、と、ひとりで出かけた。しかし、それまで聴いていたテーマソングのイメージと、実際の映画の内容とのあまりの落差に面食らったものだ。

 酒好きの男と、まったく酒を飲まない女が結婚する。営業マンかなんかで付き合いの多い亭主は、毎晩飲んだくれて深夜に帰宅する。その帰りを待つ寂しきと、酒好きの亭主に合わせようと女房も酒を飲むようになる。そして、ドロドロのアル中夫婦になってしまう。亭主は正気に返り、酒を断つ。しかし、女房は酒を止められない。

 エンディングのシーンが切なく、悲惨だ。男の説得を聞かず、女は男に別れをつげ、酒をもとめて夜の街に消えていく。男のせいで愛する女が身を持ち崩していく。だが、もう男は救うこともできない。悲惨な別れだ。テーマソングが流れ、映画は終わる。

 雑にいうと、そんなストーリーだったように思う。45年まえ、一度みたきりの記憶なので、正確でないかも知れないが……。

 『しかし……なんて凄惨なアル中映画なんだ……』、美しいテーマソングが流れ、エンドロールが終わったあと、なんとも暗澹たる気分になった。『これは飲まずにいられないな』、下宿にもどらず、酒を飲みにいった。

                                        

   ペリー・コモ Days of Wine and Roses  http://www.youtube.com/watch?v=swHHoC1XYk8

       アンディ・ウィリアムス Days of Wine and Roses http://www.youtube.com/watch?v=lGA6b-DoX4c&feature=related

        トニー・ベネット&ビル・エヴァンス Days of Wine and Roses http://www.youtube.com/watch?v=zRVvgUPwtoM&feature=related

      フランク・シナトラ Days of Wine and Roses http://www.youtube.com/watch?v=3AZohBpDAhk&NR=1

     トゥーツ・シールマンス&ビル・エヴァンス Days of Wine and Roses http://www.youtube.com/watch?v=EIzU5lGLtac&feature=fvsr

       ヘンリー・マンシーニ・オーケストラ Days of Wine and Roses http://www.youtube.com/watch?v=9TpvTEb4BaQ&feature=related

                                    

Clint Eastwood Presents: Johnny Mercer the

  Days of Wine and Roses(酒とバラの日々)、作詞は、ジョニー・マーサー。ヘンリー・マンシーニとのコンビでは、『ティファニーで朝食を』のテーマソング Moon River(ムーン・リバー)でもアカデミー賞を受賞している。ジョニー・マーサーは、作詞だけでない。曲も書く。シンガーでもある。

 ジョニー・マーサー(1909~1976)は、40年の音楽キャリアで、1500曲以上の曲を書き、100曲をこえるヒット曲があり、トップ10には、13曲が入っている。385本の映画に作詞・作曲作品を提供して、18回アカデミー賞にノミネートされている。Autumn Leaves(枯葉)の英詩もジョニー・マーサーだ。キャピトル・レコードの創設者でもある。

   『ティファニーで朝食を』 Moon River http://www.youtube.com/watch?v=BOByH_iOn88&feature=related

   ナット・キング・コール Autumn Leaves  http://www.youtube.com/watch?v=Gnp58oepHUQ&feature=related

                                             

 数あるジョニー・マーサー作品のなかで Dream も好きな曲だ。

   パイド・パイパーズ&アニー・フェリス・クァルテット Dream  http://www.youtube.com/watch?v=ZLLEc-Xh068&feature=related

       

 1963年(昭和38年)の、オードリー・ヘップバーンとケーリー・グラント主演の『シャレード』のテーマソングも、ジョニー・マーサー作詞、ヘンリー・マンシーニ作曲なのだ。

   『シャレード』のテーマソング http://www.youtube.com/watch?v=NZ1ANlvn3rs&feature=related

   マット・モンロー Charade http://www.youtube.com/watch?v=tkVKKiAeOjw&feature=related


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