局の道楽日記

食道楽、着道楽、読書道楽  etc
生活色々を楽しんで暮らしている日々の記録です

私のコトコト人生を返して欲しい

2006-05-26 18:40:06 | 食べる
料理は好きである。外でおいしいものをいただくのも好きだし、自分で作って食べたり 人にご馳走するのも好き。我が家には 「局の料理食わせて」と言う人が時々集まって 気の置けない飲み会をすることも多い。

それにしては と 知り合いから意外に思われていたこと それは我が家には圧力鍋がなかったことである。それって理由があったのよ。

今は亡き私の祖母は、大正生まれでモダンな新し物好きな人だった。婿養子だった祖父が、当時珍しかったという圧力鍋を彼女に買ってきてあげたらしい。(第二次大戦直後くらいのことと推察される)その圧力鍋の蓋がぶっとび中の煮物の汁は天井まで噴き上がり、鍋のそばにいたお手伝いさんは大火傷をしたそうな。
嫁にくるとき 健在だった祖母に言われたものだ。「OO子 圧力鍋はほんっとうに危ないもんだから 絶対に使うんじゃありませんよ」 祖母の何十年か前の経験に基づくその教えをかたくなに守っていた私も案外保守的な女である。
しかし、最近になって、料理好きでかねがね合理的と思っていた職場の知り合いが 大小3つの圧力鍋を使いこなしているという話を聞いて 理系的探究心に火がついたわけだ。

で、行ってきました 3月頃だったか、伊勢丹台所用品売り場。ベテラン店員の話を聞きパンフレットを熟読し、自分も触ってみて ドイツのFisller社の物に決めた。割りに高かったけど、20年保証がついてるし、一番使いやすそうだったからだ。

使ってみて、、、 なぁんて便利なんでしょ! 今更わかりきった事と料理好きでベテラン主婦の方は思われるかもしれないが、なんたって吹き込まれた恐怖があるからおっかなびっくり使い始めた圧力鍋初心者の私だが 目から鱗だった。
早いんだもん 便利なんだもん もちろん怖くないし。
今まで 時間ないから無理だよね って 諦めた煮込み料理があっと言う間にできる。筍もらうとありがたいけど すぐにゆでるのめんどくさいな~って思っていたのが あっと言うまに水煮になる。今年は筍ご飯はもちろん、若竹煮、蕗との炊き合わせ、チンジャオロースーなど 随分筍料理を楽しんだものだ。あと、若鶏のワイン煮 大豆を使った五色豆や豚バラの角煮も気軽に作れるようになった。芋類やかぼちゃなんか蒸すときも味が逃げなくてとてもおいしい。
今日も30分あまりで娘のリクエストのビーフシチューをさくさく作ったところだ。

今まで ガスレンジの前で過ごした 私のコトコト人生はなんだったんだ? と思うこの頃。私には優しい祖母だったが墓参りの折に文句の一つも言いたいものである。
そう言えば彼女は異常に潔癖 かつ 臆病な人で 針仕事の際の針の始末もとても神経質だった。 祖母のそばで針仕事の真似をしたがる幼い私は 針は怖い 針が刺さって先が欠けると血液中を駆け巡って死ぬと 脅かされたものだ。そのおかげですっかり針嫌いになってしまった。
今でも夫のワイシャツのボタンつけなどは それを理由になるべく気づかないふりをしてやりすごしている私である。

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