と言ってもケネス・グレーアムの名作児童文学の話ではない。
ワタシ自身もドラもムスメも好きな本だったが。
私と犬二匹の散歩コース ほにゃらら川の小さな物語である。
家の二匹 PとG
毎日のお散歩コースはほぼ決まっている。家のブロックの6軒中の4軒も犬がいるので、その人たちと誘い合わせたりしているうちに、挨拶くらいしか交流のなかったご近所さんとも会話が生まれ、おつきあいが生じるようになった。そしてそのおつきあいも町内の犬散歩仲間にだんだんと広がり、ずいぶん知り合いが増えてしまっている。
とはいえ、この辺の住民の特性か、ある程度の距離を保ってくれるし、たまに犬抜きで飲み会なども付き合うようになったが、さらりとしたおつきあいが続き、良好な関係が続いている。
みんな☆☆ちゃん(犬の名)のママとして認識され、何年も話している方でも人間の名前を知らないことも多いがこれでいいのだw
共通項としては、当然飼い主バカで犬好きだし、色々事情通なので、フードの良しあしや病気対策、近所の獣医の評判など色々参考になることも多い。
私はだいたい今頃は日がかげってくる6時前後に家を出て、川沿いの遊歩道に向かうのだが、この一週間、この犬友仲間と会うと挨拶の言葉に新たなフレーズが付け加えられるようになったのである。
「いた?」
「いるわよ。☆☆橋の下のほうにいるよ」
「みんな無事?」
「大丈夫よ ちゃんと8羽いるから!」
その言葉に安心して川辺に向かうと
こんな風景が見受けられる。
散歩とちゅうの人たちが覗き込む視線の先には
卵から孵ったばかりのような8羽のコガモと それを見守るお母さんカモの親子がいるのである。
季節的にはちょっと遅いのかもしれない。春にもカモファミリーの何家族かこの川で見られたが、コガモたちは成長してそれぞれ巣立っていったはず。このファミリーの子供たちはちょっと出遅れ気味である。
ごらんのとおりコンクリートで護岸されている都会の川である。昔よりはだいぶ水質はいいらしいけど、雨が降れば濁流になるし周りにそんなに身を隠せるような草むらがあるわけでもない。カラスも多いしごくたまには蛇もいる。
昼間ゲリラ豪雨のあった日の夕方は集まる犬仲間も心配そうであった。
「大丈夫かしら あのこたち・・・」
「あの激しい雨で迷子になってないといいけど・・・」
ファミリーを見つけた人たちは決まって 「1・2・3・4・・・」と数をかぞえ始め、8羽いると安心してどの顔もとても素敵な笑顔でにっこりする。
おととい犬友さんたちでないが、同じ時間にウォーキングしているので顔見知りのおじいさんが、一眼レフのカメラでカモファミリーを撮影しているのに出会った。
よくお会いするので会釈くらいはするが、会話をしたことのないおじいさんである。
カモ見物している間に 撮った映像をモニターで見せてもらった。
あまりにもほほえましいのですごく褒めたら、今日お会いした時にわざわざ向こう岸から私を呼び止め、プリントした写真を一枚くれた。
こんな光景を見たら、誰だってほっこりしてしまうではないか・・・
ちょっと後ろを気にしながらも、堂々と子供たちを連ねて泳ぐお母さんはりりしく優しくたくましい。
何か見つめているとじ~んとするような写真である。
おじいさんの名前を伺ったら 早逝した天才画家と同じ名前であった。
「さすが~ 芸術家のお名前なんですね」と思わずヨイショしたらテレまくっていた。
おじいさんも可愛い。
カモのおかげで楽しい川辺である。