局の道楽日記

食道楽、着道楽、読書道楽  etc
生活色々を楽しんで暮らしている日々の記録です

モノの値段

2010-11-24 07:46:08 | 着る
着物の会のお仲間で染め織り作家の方がいらっしゃる。
先週のことになるけれど、彼女の作品展を見に行った。



住宅地の中の小さな落ち着いたギャラリーで



全部自然の素材を使って糸を染める → 手織り

「これはどんぐり 近くの公園で拾ったのを使ったの」なんてサラリとおっしゃるがエライ手間暇かかりそうなハナシじゃありませんか。

 

後ろのものが着物地 手前のが帯地だそうだ。



自分の織った着物の展示の前で 自作の着物を着る作者。

草木染って実にやわらかくて深みのある色が出るもんですね。

この作品は買って展示後引き取ることもできるそうな。

恐る恐る値段を聞いてみたら、着尺で15万 帯地で8万だそうだ。

これを高いとみるか 安いとみるか・・・?

着物にまるで興味がなければ 「やっぱりこういうものって高いわね」かもしれない。
しかし彼女はこれらを一つ作り上げるのに一日何時間かを費やして2~3か月かかるそうだ。それも恐ろしく繊細な作業である。
彼女は奥様だし、これで生計を立てているわけじゃなさそうだからまだいいけど、ここまで労力を費やした結果が8万~15万ってのはどうなんだろう?
仮に職人さん一人の労働で家族を養って生計をたてていくことなんて考えると気の毒な値段設定だと思う。

そして彼女がこれを呉服屋さんに持ち込んで売ってもらうとすると、店頭価格は2倍で売られるそうだ。
こうやって市場は成り立って経済は回っているのだろうけど なんか理不尽さを感じる私である。

無形文化財なんて言われるような紬の作家さんなんかにも想像するより賃金は払われないみたいね。
できあがりが買い取られて銀座あたりの呉服屋さんに飾られるまでの流通で 何倍もの値段がつけられている。

なんかずるくない?(流通サイドが) もうちょっと職人さんが報われてもよくない? と再び思う私である。
作家さん、職人さんのモノづくりへの情熱に頼るだけじゃ伝統工芸なんて今後継承者がいなくなっってしまうのではないだろうか?



はからずも今回、私が一目ぼれしたのはこの帯。遠目ストライプに見えるが実は横に長い六角形の小さな模様が連なっているものすごく手の込んだ織り方のものである。

全通で模様付してあるし、とてもしなやかで締めやすそう。色も好み。これ私のお抹茶色の色無地に合うだろうな~・・・

そこで「これ素敵ですね~・・・ 欲しいな~」と褒めたら
「これ私も気に入ってるのよ。 おかげさまで初日に売れてしまいました」とのこと。

やっぱり いいなって思うものは他の人もそう思うのね。ホンキで胸算用するところであった。
売れててよかったと思うことにしようっと。

しかしこうやって改めて写真を見ると夢に出てきそうである。















コメント (10)
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