tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

上がらない消費者物価、物価にもコロナ禍

2021年02月19日 22時29分46秒 | 経済
上がらない消費者物価、物価にもコロナ禍
 今日、今年1月の消費者物価統計が総務省から発表になりました。

 世界中コロナ禍のさ中ですから、経済の動きも低迷、資源などの国際商品の需要も伸びないという条件ですから、物価も上らなくて当然で、経済活動の活発化は全てコロナ後になるというのが今の世界でしょう。

2020年1月~2021年1月の消費者物価の対前年上昇率(%)


 表示しているのは、青が消費者物価総合、茶色が生鮮食品を除いた場合、薄緑が生鮮食品とエネルギー関連の両方を除いた場合、という事でグラフは3本ですが、世界中同じ動きをするエネルギー関連とお天気次第の生鮮食品の両方を除いた薄緑の線が過去1年の日本経済自体の基本状況を最もよく反映する物価変動でしょう。

 第一次の緊急事態宣言の発せられた4月、みな家に蟄居して消費が低迷したことを受けて消費者物価は下落、その後多少もち直しましたが、秋に入ってまたじりじりと下げています。コロナの第3波が深刻化するとともに、経済の不振は長引きそうだという見方が多くなったのでしょうか、値段を下げても販売量の確保という意識も出てきたのでしょうか、確かに値下げ増量の傾向が身の回りでも見られます。

エネルギー関連の値下がり、秋冬野菜の豊作などで、それらの入った総合はさらにおおきく下がりました。

 1月になって3本のグラフはそろって上昇に転じましたが、1月の10大費目の対前年同月上昇率を見ますと、豪雪など異常気象の影響もありますが、基本的には「巣籠り需要型」が変わっていないようです。 

 昨年1月比で1番上がっているのが「家具・家事用品」の2.6%、2番目が、これは意外で、家計調査で最も需要が減っている被服・履物で1.1%です、諸雑費0.9%、住居0.5%と続きます。

 あとは全て値下がりで、光熱水道-6.3%、教育-2.2%、交通通信-1.8%、などです。
 
 異常状態の中では、あまり意味のある分析はできませんが、これも1つの経験で、その中から何か、コロナ後の正常な経済の安定成長にとって必要なものに気づいていくようなことも大事ではないかと思っています。

 株価などの金融バブルがすでに起きているという見方も多いですが、コロナ後の経済の中で、それがモノの世界、就中、消費物資の世界に及ぶ可能性は? それを避けるための方策とは? これからはそんな問題も出て来ると思います。

 そろそろコロナ後の経済社会の問題を先見しておくことの大事なのかも知れません。

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