tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

安倍政権はそんなにカジノが欲しいのか

2016年12月02日 11時08分55秒 | 社会
安倍政権はそんなにカジノが欲しいのか
 安倍政権は、今日にもカジノ法案(IR法案)の衆院通過を強行したいようです。そのために嫌がる公明党も巻き込もうと努力し、公明党も与党という地位に固執するせいか、結局賛成に回るようです。

 日本では賭博は昔からご法度です。賭博は人間を堕落させ、不公平を助長し、多くの場合犯罪の温床になります。
 賭場のシーンはTVの時代劇にもよく出てきますが、誰もがこれは悪いことだと思ってみています。

 ですから、今日の現実の世界で、スポーツ選手などがギャンブルに手を出し、永久追放になっても、誰も異議を唱える人はいません。
 これを政府公認の場でやろうというのがカジノでしょう。政府もやっぱり「間が悪い」のでしょう、IR(integrated resort)推進法案などと中身の良く解らない名前にしています。

 推進論の論拠は、これによって、観光客を大幅に増やすことが可能になるというもののようです。
  すでに書きましたように(「カジノで観光客を…?」2014.8.3)政府がもし、海外からの観光客を増やしたいのであれば、それは、日本といういう国が、「訪れるに足る国」という海外からの認識を基本に置くべきで、それを支えるのは、日本の文化、日本の文化遺産、日本独特のの景観、日本人のおもてなしの心といった要素でしょう。

 カジノがあるから日本に行くという観光客がどの位いるのか分かりませんが、そういう客は、日本でなくても、カジノがあればどこでもいいのでしょう。異文化への接触、文化の相互理解といった高次な観光の目的とは関係ない低次元の問題です。

 カジノの存在意義の源、ギャンブルでもなんでも、カネさえ入れば手段は何でもいいといった風潮は、今日のマネー資本主義を生み、世界経済の健全な成長を阻害し、格差の拡大を齎し、今日の世界の経済。社会の不安定の原因を生み出しています。

 繰り返して書いていますように、日本人は昔から、「額に汗したカネ」と「あぶく銭」とを識別する「お金の由来」についての 道徳的に鋭敏な識別感覚を持っています。
 その日本で、「儲かるなら手段は何でもいい」といった考え方を、政府が率先して「やろう」というのは「日本の伝統文化の冒涜」ではないでしょうか。

 一方で、IR推進法案反対の立場からも、「ギャンブル依存症を増やす」などという低次元の反論しか出ていないというのも、何とも嘆かわしいことです。

 政治家たるもの、日本が素晴らしい国であることを目指すならば、日本文化、日本人の伝統的意識の中での優れた面を大事にすることにもっと関心を持ってもいいのではないでしょうか。

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