tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

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政労使協力して合理的な経済対策を

2023年10月19日 15時14分58秒 | 経済
政労使協力して合理的な景気対策を
いよいよ臨時国会が始まりますが、岸田総理は経済対策の方向として税増収の国民への還元を所得減税も含めて考えているとの報道がありました。

自民党内にも、防衛費増額や子育て支援などの財源が不明なのに、所得減税などが出てきたらという懸念もあるようです。
減税より手当の方が効果的(集票に?)という意見や、一時的な減税は貯蓄を増やすだけなどの意見もあるようですがどうするのでしょうか。

一方、立憲民主党は、物価高に苦しむ家庭に「給付金」という方向のようですが、所得制限なしの一律給付などと言われると、やっぱりバラマキか、ともなりそうです。

減税と増税の同時実施といっても、中身が合理性のあるものならば、それは大いに結構でしょう。本来格差社会の是正を所得税制でやるのには、累進カーブの是正が当然です。増税と減税が同時に発生します。

ところで、この所の税収増の原因を考えますと大きな要因が2つあるように思えます。
1つは、円安による為替差益:輸出関連部門、インバウンド関連の好調
2つに、物価上昇による消費税の増収。

円安による輸入関連部門の損失は、国内価格への転嫁容認とエネルギー関連部問への補助金などで、石油元売りや電気ガス事業の株価が上ったりしていますが、この財源は国債でしょう。

本来円安は輸出部門の為替差益、輸入部門の為替差損が対照的に起きるのですから、価格機構で相殺すべきものなのでしょう。
輸出部門が企業努力なしに為替差益を得、輸入部門が補助金で差損を埋める政策の合理性は余り無い様です。

こうした政策の結果、法人税収が増え、国債発行が増えると結果的にインフレになるようです。割を食うのは「消費者」という事でしょう。

ならば、政府が税の増収分を国民に還元するという場合の相手は国民といっても「消費者という立場」に対して還元するのでないと合理的ではないでしょう。

消費者に対して還元するのであれば、消費税減税が最も相応しいのではないでしょうか。
連合が大幅賃上げを勝ち取ってくれればと思いますが、前回指摘しましたように、この分では、実質賃金マイナスの解消はなかなか難しいようですが、消費税を一時的に3~4%下げれば消費者物価は多分2%以上下がり、実質賃金の上昇率は何とかプラスになるでしょう。

勿論、この消費税減税は円安がなくなって、消費者物価が下がれば漸次元に戻し、実質賃金が適切なプラスを維持するように調整すればいいのです。

政府が、所得格差是正が必要と思えば、それは所得税の累進度を変えればいい事で、これは税増収とは関係なく、社会政策としての問題です。

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