日本経済も久しぶりにインフレ傾向になってきました。
政府は2%インフレを目指していましたが、喜ぶどころか大慌てで、ガソリンの元売りに補助金を出したり、住民税非課税所帯に5万円の給付金を出そうと言ったりしています。
何故政府は喜ばないのでしょうか。今のインフレは、原油やLNG、小麦やトウモロコシなどの国際商品が値上がりして、それを使っている製品が値上がりするという、いわば「外から強いられた」インフレだからです。
政府や日銀が考えていた2%インフレというのは、海外の価格は安定していて、日本の中で賃金が上がり物価も上がって2%程度のインフレになれば、経済も巧く回るし、政府の借金もインフレ分だけ目減りするし、インフレになれば税収も増えて、政府にとってプラスが大きいからです。
同時に、インフレになると、経済活動にいろいろプラスがあります。
・先行き値上がりするなら早く買おうと消費が積極化する
・仕入れた時より売る時の方が値段が上がっているので利幅が大きくなる
・ゼロ金利ではなくなるので、金融機関の機能が復活する
・貯蓄に利息が付くので国民は安心する
などなどでしょう。
(もちろん、此処で考えているのはせいぜい5%ぐらい迄のインフレです)
海外から強いられてインフレになるのは(都合の)悪いインフレ、国内で起きるインフレは(都合の)良いインフレ、と定義すれば、「悪いインフレ」と「良いインフレ」の意味ははっきりするでしょう。
ところで、歴史的に見ますと、今のような世界的なインフレの場合は、まず海外の物価が上がって国内にそのインフレが持ち込まれます(輸入インフレ)、そうすると、政府も国民も慌てます。国民は買い急いだり、売り惜しみや便乗値上げをしたり、労働組合は大幅賃上げを要求したりして国内要因のインフレが起きます(自家製インフレ)。
今、アメリカやヨーロッパで起きている消費者物価の10%レベルのインフレの中身を見ますと、大体輸入インフレ5%、自家製インフレ5%というところのようです。
同じことを日本で見ますと、消費者物価上昇は全体は2.6%、その内自家製インフレは1.2%(7月現在、共に年率)で、8月には全体は3%、自家製部分が1.5%ぐらいになりそうです。
日本の消費者物価の上昇率は異常に低いのですが、前回見ましたように企業物価の上昇率は、ほぼ輸入物価上昇を反映していますから、消費者物価だけが異常に上がらないという傾向がはっきりします。
恐らくこれが、日本経済の長期低迷に直接関係する問題と思われますが、この「消費者物価が上げられなかった」という事情、その原因を究明すれば、日本経済の復活、復元の方向が見えてくるのではないでしょうか。
その意味では、今年に入って、この異常な状況から脱出しようという、已むに已まれぬ動きが、消費物資の生産者、流通関連業界、サービス業界に出てきたことは「正常な価格機構の回復」という意味で重要な現象かもしれません。
勿論日本社会の事です、便乗や思惑でインフレを激化させるようなことは起きないでしょう。その範囲で、物価と賃金の正常な関係を来年の春闘で実現し、輸入インフレは別にして2~3%の自家製インフレを許容し、ゼロ金利から脱出、貯蓄は適切な利回りを生むよな経済状況を目指してみたらどうでしょうか。
政府は2%インフレを目指していましたが、喜ぶどころか大慌てで、ガソリンの元売りに補助金を出したり、住民税非課税所帯に5万円の給付金を出そうと言ったりしています。
何故政府は喜ばないのでしょうか。今のインフレは、原油やLNG、小麦やトウモロコシなどの国際商品が値上がりして、それを使っている製品が値上がりするという、いわば「外から強いられた」インフレだからです。
政府や日銀が考えていた2%インフレというのは、海外の価格は安定していて、日本の中で賃金が上がり物価も上がって2%程度のインフレになれば、経済も巧く回るし、政府の借金もインフレ分だけ目減りするし、インフレになれば税収も増えて、政府にとってプラスが大きいからです。
同時に、インフレになると、経済活動にいろいろプラスがあります。
・先行き値上がりするなら早く買おうと消費が積極化する
・仕入れた時より売る時の方が値段が上がっているので利幅が大きくなる
・ゼロ金利ではなくなるので、金融機関の機能が復活する
・貯蓄に利息が付くので国民は安心する
などなどでしょう。
(もちろん、此処で考えているのはせいぜい5%ぐらい迄のインフレです)
海外から強いられてインフレになるのは(都合の)悪いインフレ、国内で起きるインフレは(都合の)良いインフレ、と定義すれば、「悪いインフレ」と「良いインフレ」の意味ははっきりするでしょう。
ところで、歴史的に見ますと、今のような世界的なインフレの場合は、まず海外の物価が上がって国内にそのインフレが持ち込まれます(輸入インフレ)、そうすると、政府も国民も慌てます。国民は買い急いだり、売り惜しみや便乗値上げをしたり、労働組合は大幅賃上げを要求したりして国内要因のインフレが起きます(自家製インフレ)。
今、アメリカやヨーロッパで起きている消費者物価の10%レベルのインフレの中身を見ますと、大体輸入インフレ5%、自家製インフレ5%というところのようです。
同じことを日本で見ますと、消費者物価上昇は全体は2.6%、その内自家製インフレは1.2%(7月現在、共に年率)で、8月には全体は3%、自家製部分が1.5%ぐらいになりそうです。
日本の消費者物価の上昇率は異常に低いのですが、前回見ましたように企業物価の上昇率は、ほぼ輸入物価上昇を反映していますから、消費者物価だけが異常に上がらないという傾向がはっきりします。
恐らくこれが、日本経済の長期低迷に直接関係する問題と思われますが、この「消費者物価が上げられなかった」という事情、その原因を究明すれば、日本経済の復活、復元の方向が見えてくるのではないでしょうか。
その意味では、今年に入って、この異常な状況から脱出しようという、已むに已まれぬ動きが、消費物資の生産者、流通関連業界、サービス業界に出てきたことは「正常な価格機構の回復」という意味で重要な現象かもしれません。
勿論日本社会の事です、便乗や思惑でインフレを激化させるようなことは起きないでしょう。その範囲で、物価と賃金の正常な関係を来年の春闘で実現し、輸入インフレは別にして2~3%の自家製インフレを許容し、ゼロ金利から脱出、貯蓄は適切な利回りを生むよな経済状況を目指してみたらどうでしょうか。