トランプさんの思い付きの政策が失敗するのを高見の見物といった立場で見て来ていましたが、事ここに至っては、もう高見の見物では済まされないことになりそうです。
日本は、国民が頑張り屋ですから、ある程度の問題が起きても、何とか自力で頑張り切れるという力があるかもしれませんが、世界一律に、経済理論から考えても成功の可能性のないことをやってしまうとそれこそ収拾のつかなくなっていく懸念の方が大きくなってきました。
元々、多分トランプさんのとんだ勘違いから生まれたであろう政策を、本気で推し進めることになりますから、先ずは、株価が示すように、アメリカ自体も大変です。
アメリか経済が上手くいかなくなってしまいますと、自由世界は大迷惑で、勿論中国も、さっそく猛反発ですから、プーチンさんの思う壺のようなことになりかねません。
アメリカの貿易赤字分を関税で埋めるといった単純な計算でアメリカの赤字がなくなるのるわけではありません。トランプさんは、関税を掛ければ、その分はアメリカの収入になるという勘違いをしているようなので、そんな事にはなりませんとトランプさんにしっかり教えないといけないようです。
もとはと言えば、トランプさんが、世界中がアメリカにものを売って儲け、アメリカは損ばかりしていると国民に被害者意識を植え付けたことが始まりです。しかしそれは、アメリカの企業が、国内で作れば高いものを、海外で安く作って、輸入する事も含めて、例えば、アメリカ人は、安くて良い車に乗れたという事でもあるのですsから感謝すべきでしょう。
自分たちで作れば、汗水たらして働いて、結果は値段の高い車に乗ることになるのです。それより、海外に企業進出して、安い労働力を使って、利益を上げ、さらにはマネーゲームで世界の金を集める方がずっと儲かるというのでそうやって来たのでしょう。
関税をかけるという事は、外国製品が高くなり、輸出入量は減って、経済は停滞、関税はアメリの消費者が払うので、アメリカ政府の税収は増えても、アメリカの消費者は、関税インフレに悩むことになるのが結果でしょう。
アメリカの貿易収支が黒字になるためには、アメリカの製造業が、アメリカ農業のように、国際的にみて安価な生産物(穀物・飼料)を作るか、戦後のように高くてもアメリカにしか出来ないものを作るかという、アメリカ人の働き直しが出来た時に可能になるのです。
トランプさんがいくら関税をかけても、それだけではアメリカの鉄鋼業や自動車産業は復活しないのです。(日鉄のように復活の手伝いをしようという親切な企業もあります)
アメリカの人たちが、「トランプさんの言うようにはならない」と解るまで放置したら、アメリカも世界も大変なことになりますから、沢山いるノーベル賞級の経済専門家が(クルーグマン氏がいいはじめていますが)、早くアメリカ国民に本当のことを教えて、方向転換をしないと、トランプさんの常套語のように「恐ろしいことになる」と言わなければならないのではないでしょうか。