tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

日本経済再活性化の可能性を考える その2

2009年07月05日 09時13分17秒 | インポート
日本経済再活性化の可能性を考える その2
 一国の経済でも、それぞれの家庭でも、あるいは全くの個人レベルでも基本的は同じでしょうが、生活水準を上げていこうと思ったら、何らかのエネルギーが必要です。それは社会や家庭、個人の肉体・精神の健康とそれから生まれる意欲、エネルギーです。

 その背後には、人間本来の欲求があるということなのでしょう。このあたりは、マズローの欲求5段階説がわかりやすく説明してくれています。

 A.H.マズローは、欲求の5段階説(Motivation and Personality: Harper & Row 1954、 「人間性の心理学」産能大)を唱えて有名になりましたが、人間の欲求の基底には生存欲求(低次の欲求)があり、これは①生理的欲求、②安全欲求で、さらに人間としての欲求(高次の欲求)③社会的欲求(愛)、④承認の欲求(自尊)、そして⑤自己実現欲求と順次、高次なものになっていくといいう説明は図式的には解り易いものです。

 経済成長(より良い生活)を求める原動力になっているのは、基本的には人間の欲求だという説明になるわけで、先ず生きるために、そして人間的に、社会的により高いものを目指すという欲求が動機になって、人間を動かし、物質的にも精神的にもより高次な生活を望むことになるということでしょう。

 しかし、あまり精神的なほうに傾きますと、無欲な坊さんのようになって、経済成長とは縁がなくなりますから、経済成長には矢張り娑婆っ気が必要でしょう。

 「もう日本は、かなり高次な欲求まで満足されるようになっているから、そんなに強い欲求がないんだよ。だから経済成長もしないんじゃないの」というご意見はよくお聞きします。
「パソコンだ携帯だ、デジタルネットワークだとあんまり世の中進むと、ついていけないよ。そんなもの使わなくても、生活出来てるしね」という方も居られます。

 しかし、政府の掲げる目標が「安心、安全、安定」などと聞きますと、「ナンだ、日本はまだ安全欲求のレベルか」などということにもなります。
欲求というのは、極めて個人的、また相対的なものなのかもしれません。


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