tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

日本経済再活性化の可能性を考える その1

2009年07月01日 10時03分50秒 | 経済
日本経済再活性化の可能性を考える その1
 このところ何ヶ月かのこの欄で、日本経済の特徴的な面について、良い点、悪い点いろいろ見てきましたが、その中で見えてきたのは、先ず第一に、日本は人間も企業もそれぞれに真面目に一生懸命やっていて、それなりにきちんと成果を上げてきているということです。
いろいろ問題はあるにしても、日本経済は、失われた10年をコストダウンで克服し、いま世界に求められている技術を着実に積み上げて来ています。

  しかし、残念ながら、それを全体としてどう纏めて生かしていくかというビジョンや政策が定まらないためか、個々の成果が全体の成果につながらず、結果的に自信を喪失し、経済も社会も思うようにいかない中でますます落ち込んでいるといった印象です。

 Leader が( Readerに堕していて)国民に対して、「そうだ、われわれなら出来るはずだ。一つ頑張ってやってみよう。」という気になるような、説得力のあるビジョンや政策を示せないといった状態はまことに残念です。
 例を挙げれば、太陽光発電や蓄電技術など、世界トップの技術を開発しながら、その普及では、諸外国にどんどん 追い越されてしまうとか、世界一の巨額な民間貯蓄がありながら、まともな金利もつかず 宝の持ち腐れになってしまっているとかいった問題です。

 また、国際的な立場での対応がどうも苦手で、 プラザ合意のような失敗をしたり、バブルを招くような金融政策をしてしまったり、無闇な規制撤廃を受け入れて、後から混乱を招いたり、今回の金融危機でも受け身に終始してマネーキャピタリズム批判の十分な主張が出来ない、などなど、後から国民が苦労することが多くなっているようです。

 失われた10年もそうですが、こうした状況があまり続くと、国民は努力が報われず、一層落ち込んで、やる気をなくしたり、一方では独裁的リーダーシップ待望論などが出てきたりします。

 優秀な人間でも、失敗を叱られてばかりいるとだんだん自信を喪失し、能力を発揮できなくなってしまうことは、ゴルフのトレーニングでも、職場の教育訓練でもよく指摘されることですが、優れた資質を持つ日本人が、落ち込まずに、ますますその能力を発揮できるような明日のために何をすべきか、先ず考えたいものです。


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