バイデン政権が発足して半年、国内ではアメリカの結束を訴え、海外ではかつての良識あるアメリカが返ってきたという印象を与え始めています。
トランプの4年間、アメリカファースト、アメリカの栄光の回復をと言いながら、それならば、何か覇権国に相応しい、世界のためになることをやるのではないかと多少の期待も持たれながら、結局は世界に混乱をもたらすだけで、まともなことは殆ど出来ずに勝手放題の4年間が終わって、世界中の良識がホッとしているところではないでしょうか。
ところが、アメリカの中では必ずしもそうではない様です。
最近もテレビの報道で見ますと、トランプさんは、2年後の中間選挙、4年後の大統領選を目指して、本格的な活動を始めたという事のようです。
大統領選で僅差で負けたと思い続けていれば、捲土重来を期して、またアメリカ大統領という世界の頂点に復活して、自分の一挙手一投足が世界中で報道されるような心地よい経験の再来という魅力に取りつかれるのも、トランプさんのような性格の人にはありうることなのでしょう。
常識的に考えて、トランプさんのような性格の人間がそうした行動に走るということについては有り得ることかなという気もするのですが、ここで解らないのが、推定されている様子ではアメリカの半分近い人達が、それに賛同してそうした活動に参加や支持を示しているようだという事です。
恐らく、このブログをお読みいただく多くの方々も、そうだと思いますが、アメリカというのは200余年の短い歴史の国ではありますが、世界最高の頭脳を集め、政治から、国民生活、科学技術、文化芸能などあらゆる面で世界のトップ、あるいはトップクラスの水準を誇る国というイメージを持ってきています。
その国が、トランプさんのようなかつての泡沫候補を大統領に選んだことさえ理解に苦しんだのですが、今回の大統領選のトラブルの中では「国会に行こう」というトランプさんの掛け声に従って、大勢の支持者が国会議事堂に押し寄せ窓を割って闖入、国会を占拠しようとするという常識外のことを現実に実行してしまったのです。
こうなると、国会議事堂に押しかけて人達は、自分の頭で物を考える人達ではなく、リーダーの指示に盲目的に従う無思考あるいは狂信的なの暴徒のように見えてきます。そんなことがあるのかと驚くばかりです。
確かにアメリカは変わったと思います。もともとアメリカの一般の人達は内向きなのですよなどと聞いていましたが、国際的にみても、民主主義を理解した、良識を持った人達だったはずです。
ただ統計を見ますと1950年のアメリカの人口は1億5000万人、今は3億2800万人です。
我々の持っていたアメリカ、アメリカ人という意識は過去のものだったのかもしれません。
そういう意味では、今、バイデン大統領が言っている「アメリカの分断ではなく結束を目指す」という呼びかけの重要性は痛いほど解りますし、またそれが何か大変なことだということも解るような気がします。
バイデン大統領の就任から半年がたちました。これからもアメリカは、世界の良識としてのリーダー役を引き受けてくれるでしょう。
その中で、いわば「トランプ信者」の方々が、本来のアメリカの良心を改めて理解してくれ、アメリカの良識を内外に示してくれることを願うばかりです。